発達障害だって、頑張るもん!

発達障害だって、頑張るもん!

注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子を持つママ・ココです。子どもを通して学んだ発達障害児への対応、工夫、その他色々な情報をたくさんの人と共有できたらいいな、と思っています。

 

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【発達障害・基本のき・2】 知的能力障害はIQの尺度だけでは決まらない

薄緑の背景に手を繋がれた子ども

 

こんにちは。ココです。

注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子の行動と会話から何かのヒントを綴っていく当ブログへようこそ。

 

近年、世間に広く認知されるようになった「発達障害」。

しかし、誤った知識や噂ばかりに頭でっかちになって、障害に困っている子供たちを簡単に傷つける発言を繰り返す大人も(もちろん子供も)とても多い。

 

そこで簡潔に分かりやすく「発達障害」についてお話していく「発達障害・基本のき」シリーズでは、発達障害の正しい知識を皆様にお伝えしていきたいと思います。

今回は「知的能力障害」について。

 

● 知的能力障害は、IQの値だけで決まるものではありません。また、軽度の知的能力障害は、学業の困難さがはっきりする年齢までわからないこともあります。

 

 

IQの値だけでは決まらない

 

知的能力障害は、3つの基準を満たしたときに初めて障害と認定されます。

 

うさぎのアイコン





1つめは「知的能力の欠如」だよ。

 

論理的思考、計画、抽象的思考、学校での学習、経験からの学習など、知能検査によって確かめられます。

基本的には平均が100の知能検査(WISCなど)では65~75、それ以下が値します。

 

眼鏡をかけた男の子のアイコン





2つめは「適応機能の欠如」。

 

家庭や学校、職場、地域社会などの環境下でのコミュニケーションや参加、自立した生活など、日常生活全般の適応ができない、または限定される場合です。

 

眼鏡をかけた女性のアイコン





3つめは、これら2つの欠陥が発達期(幼少~青年期)の間に発症すること、が挙げられます。

 

IQの値が75以上であっても、社会的な決まり事の理解が出来なかったり、判断が重度の適応行動の問題を持つこともあります。

また知能検査を以前にもしたことがあったり、検査をするにあたって練習をしたりすることで、妥当性のないIQ得点が出ることも否めません。

 

IQの値を伸ばしたいがために、あちこちの病院で知能検査を受けさせたりする親御さんもいらっしゃるので、そういった場合は徐々に数値が高くなることもあります。(やり方や内容を覚えたりするので。)

 

そのため重度の場合を除き、IQの尺度だけでを見て「知的能力障害」とは断定できないんですね。

 

世界地図のパズルをするこども

ADHDや自閉症スペクトラムが併発していたりする場合は、テストの途中で投げやりになったり、やり方の理解が曖昧で適当な返事をしたりすることもあるため、学齢期になるまでのIQ数値はあまり当てにしない方がいいようです。

 

知的能力障害・最重度

 

知的能力障害には「軽度」「中等度」「重度」「最重度」の4つの重症度があります。

 

うさぎのアイコン





「最重度」は、いくつかの単純な支持や身振りなどのコミュニケーションは理解できる程度だよ!

 

感情や求めていること(食べたい、暑い、見たいなど)は言葉ではなく身振り手振りや泣く、わめく、怒るなどで表現します。

また家族やお世話をしてくれる人など、密で小規模な関係を好みます。

 

基本的に日常の全てのお世話は誰かに依存しますが、箸をテーブルに並べる、脱いだ洋服を洗濯かごに入れる、などの簡単な日常生活のお手伝いができることもあります。

 

お菓子を袋に入れる、などの単純な職業活動ができることもあるのですが、この場合は高水準の継続的な支援が受けられる状況にないと難しいかもしれません。

支援は大切ですね。

 

重度

 

眼鏡をかけた男の子のアイコン







書かれている言葉や数、時間、お金などの概念がほとんど理解できない感じだよ。

 

話し言葉は単語、またはこちらが補助すれば意味を持つ言葉になる、というような会話が多いです。言葉のやりとりに文法が存在しないわけですね。

 

また、「いま、現在」のことでしかお話ができません。過去(数時間前のこと)や未来(これから出かける先のこと)などの話は難しいです。

 

食事や入浴、排泄など日常生活においては常に誰かの援助を必要とし、生涯を通してこの支援は必要となります。

 

青空と親子

 

中等度

 

眼鏡をかけた女性のアイコン





読字、書字、計算、時間や金銭の概念などは、小学生時期にゆっくりと発達していきます。

成人で初等教育(小学生程度)の水準まで学習できるのが一般的です。

 

話し言葉は同級生と比べるととても単純過ぎるのですが、それでも良い友人関係を築くことができることもあります。恋愛関係を持つことだってありますね。

 

また身支度や食事など日常生活が自立できるようになることはあるのですが、これには長い訓練期間が必要となります。

 

成長すると限定的ではありますが、仕事にも従事できます。ただ仕事の計画や利益、内容の複雑さなどをこなそうとする場合は他人の支援がないと難しいです。

逆にゲームなど個人の楽しみに関してはかなり発達しやすいです。

 

軽度

 

うさぎのアイコン





就学前にはそれほど目立った様子はないんだけど、小学校に入ってからしばらくすると読字、書字、算数、時間、金銭などの学習に困難さが目立ち始めるよ。

 

コミュニケーションが未熟(幼児っぽい)なので、同級生などの話から障害を抱えているかもしれない、と気付かれる場合も多いです。

 

ですが身の回りのことは、ほぼ年相応にできます。

ゲームなどの遊びに関しては同学年と同じようにできることが多いのですが、騙されやすいので大人の注意が必要です。(「いいよ、って言ったから」などと所持品を取り上げられる、ゲームソフトを返していないのに「え、この間返したでしょ?忘れたんでしょ」と嘘で押し切られる、などのトラブル。)

 

成人になっても法的な決断などは難しいため(相続や各種公的手続き等)、やはり周りの支援が必要となります。

 

サポートの文字と手

 

併発しやすい障害

 

知的能力障害に併発しやすい疾患としてはADHD(注意欠如・多動症)、抑うつ障害、双極性障害、不安障害、自閉症スペクトラム、常同運動症、衝動制御障害、認知症があります。

また脳性麻痺やてんかんなどの身体疾患が併発している場合もあります。

 

まとめ

 

いかがでしたか?なるべく簡潔に「知的能力障害」についてお伝えしました。

 

支援学級や支援学校に在籍している知的能力障害を持つ子供たちは、周りの支援や理解があれば、同学年や下級生のお友達と遊んだり、コミュニケーションを楽しむことができます。

 

障害があるなしに関わらず、他人とのやりとりで人間は少しずつ成長していきます。

IQの数値なんてものに惑わされずに、「人として」穏やかで公正な接し方ができるような、そんな人間でありたいものですね。

 

そしてまた機会がありましたら、是非当ブログへお立ち寄りくださいね。「発達障害・基本のき」シリーズは時々更新していきたいと思います。

今回は発達障害のひとつ「知的能力障害」についてお伝えしました。

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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