発達障害だって、頑張るもん!

発達障害だって、頑張るもん!

注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子を持つママ・ココです。子どもを通して学んだ発達障害児への対応、工夫、その他色々な情報をたくさんの人と共有できたらいいな、と思っています。

 

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【緊張すると「怒ってしまう」】 そんな発達障害児と海外へ。発達障害だって、大丈夫だもん!・2

空港で飛行機を待つ男性

 

こんにちは。ココです。

注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子の行動と会話から何かのヒントを綴っていく当ブログへようこそ。

 

さあ、今日はいよいよ国際線へ!

 

● 「ママ」じゃなく、「妻」として。それは小さくて大きな、心の余裕。

 

 

行先はどこにしよう?癇癪を考えて

 

さて、「行くこと」が決まった海外旅行。

 

coco-disorder.com

 

まずはどこに行くか旅先を決めなければなりません。

 

息子にとっては、初めての海外旅行です。そのため最初は移動時間が短い、近場のグアムなどを検討していました。

ですが、10数年以上前に私達が行った時より、はるかに高額になっています。

 

中心街やビーチより遠ければ金額は下がりますが、かんしゃく息子を連れて、毎回毎回タオルやシュノーケルセット、カメラ、財布など大量の荷物を持ってバスに乗って行くなんて…。

 

うさぎのアイコン





まるでさあ癇癪の準備万端だよ!と言ってるようなもんだよねえ…。

 

それに基本食事は付いていないので、食事代、コンビニでの飲料水。子供が好きそうな雑貨店もDFS(免税店)もあるのでお買い物もするでしょう。

 

パラセーリングやサブマリンツアーなどのアクティビティも豊富にあるグアム。あれやりたい!これ欲しい!

…もう目に見えていますね。

これが嫌で普段スーパーにさえ連れていかなかった位ですから、もう旅行代の40%の散財はしそう…。

 

そんな風に悩んでいた時、パパが言いました。

「もうこれが最初で最後の海外旅行になるだろうから、行きたい所を選んだら?」

 

そうか…そうだよね。

アクティビティや免税品を買うために行くんじゃないんだ。心をクリアにするために行くんだよね。

じゃあ、行こうかな。ずっと行きたかった、本当の「南の島」。最後だしね。

 

そうして、移動時間も8時間超え、更に乗り継ぎもある、インド洋に行くことにしました。私の一番行きたかった南の海です。

 

南の島の風景

 

初めての海外へ

 

正直、いくら最後だからと言っても、この長時間フライトをかんしゃく息子が耐えられるか不安でした。

そのため、事前に数々のゆるいオフラインゲームを探し、ノートパソコンにインストールして、いざというときのために用意をしておきました。

 

当時ゲームは普段ほとんどさせていなかったので、限界が来そうになったら「特別だよ」と出してあげるつもりでした。

滅多にできないゲーム。これでしばらくは持つだろう、と。

 

さて、旅行当日。

起床時間は早朝4時というハードスケジュールでしたが、息子は癇癪を起こすこともなく(逆に嬉々としているわけでもなく)、とにかく間に合うように、という感じで起床しました。

 

うさぎのアイコン





大人と違って「海外」なんて想像もつかないし、行けるという「価値」さえよく分かっていないから、息子くんはある意味淡々と行動していたんだって。

 

初めて空港に足を踏み入れた時。出国ゲートをくぐるとき。目の前を飛び交う飛行機の数々を目にしたとき。

 

私としては普通の子供のように驚きと感動で目をキラキラさせるんだろうという期待に溢れていましたが、息子はいつも学校に行くように眉間にシワをよせ、何かに怒っている表情のままでした。

 

実際ドンドンと足をわざわざ踏み鳴らして歩き、やたらと荒い口調で喋ってばかりだったので、私はここですぐにへこんでしまいましたね。

もっと楽しそうな笑顔を想像していたのに、些細なことで平日以上に怒っているし。

同時に「こんなところまで来て…!」という怒りの感情も沸きあがってきました。

 

緊張するから「怒ってしまう」

 

ですが、普段の風景を見ていない夫は、私とは違ってちょっと余裕がある目で息子に対応しています。

 

私は何度目かの息子の苛立った口調に、またしても偏頭痛を誘発され(こちらもイライラしちゃうと血流が一気に頭へと向かうので、偏頭痛が起きやすいです)、頭はぐあんぐあんするし、もう嫌になって空港のすみにとうとう座り込んでしまいました。

 

それを見た夫は、ちょっと離れたところでまず息子を叱りました。そして私のそばに来て言うのです。

「あれはさ、怒ってるんじゃないよ。緊張してるんだなあ」

「だってXXXっ!って怒鳴ってた。こんな大勢の人がいる中で!!」

「うん。緊張した時のあいつなりの対処の仕方なんだろうな。オレは分かるよ、なんとなくそんな気持ち。…でもせっかく来たんだからさ、オレがあの子見てるから、コーヒー飲んだり免税店見てくれば?」

 

ハワイの空港

 

そう言って以前夫婦二人だけのときによくやっていたように、夫は私の頭をぽんぽん撫でました。

…ちょっと気持ちが和らぎました。

 

そして思ったのです。

なんか、結婚したての頃の彼みたい…。

 

そうです。いつもあの子の「ママ」として対応していた彼の雰囲気が、「妻」に対する雰囲気に、変わっていたのです。この、非日常的な空港の中で。

 

そうかあ…。海外の発達障害関連の本に必ず出ていた「夫と二人の時間を大切にする」っていうのは、こういうことかあ。

 

うん…すごく、気分がいい。

「ママ」であると同時に「妻」であること。この部分が満たされると、こんなにも気持ち良くなってくるんだなあ…。

その効果を知っているから、海外では「夫婦の時間」を大切にするんだ…。

 

青空とハート

普段「愛情の表現」に対して不満を感じたことはなかったのですが。ほんの些細な表現でこんなに優しい気持ちになれるのなら、私ももっともっと夫や息子に対して態度や言葉で「大好き」を表していきたいな、と思いました。

 

まとめ

 

日本人は「子供のために」自分を犠牲にしてお世話をするのが「いい母親」という風潮があって、そうじゃないって言いながらも学校も病院も療育機関も、それを求める空気がまだまだあります。

 

だからこそ「妻」という部分を大切にされると、瞬時に気持ちがあたたかくなるのかもしれません。

そして息子の癇癪にも、一歩下がって対応しようとする心の余裕ができるのです。

 

そんな小さな発見を胸に、私達は親子で初めて国際線に乗り込んだのでした。

次回は出国です。

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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