** 2024年11月更新 **
こんにちは。ココです。
注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子の行動と会話から何かのヒントを綴っていく当ブログへようこそ。
これは息子が小学5年生頃のお話です。この頃から高学年になって、全ての教科の難易度が上がってきていました。
その中でも、私が特に手を焼いていたのが「漢字」です。
今日はたくさんの漢字たちを、集中力15%のADHD息子に効率よく勉強させていけるように編み出した(??)手法をご紹介します。
漢字は小学4、5年生頃から差が出始める
2020年から小学校で習う漢字の総数は1006字から20字増えて1026字となりました。
当時東京オリンピックが開催される予定だったことから都道府県の全ての漢字を覚えることになった小学生。
それでなくとも高学年に入り、習得漢字は「ん?あれ、ここ突き出るんだっけ?出ないんだっけ?」なんて大人でも一瞬考えてしまう漢字も多くなります。
都道府県の漢字は4年生で導入されるからでしょうか、漢字に関しては4、5年生頃から一気にできる子とできない子の差が広がってしまう時期でもあるそうです。
正直、私も全都道府県名、正確に書けないかも…。
学習内容を定着させるにはアウトプットが大事!
さてさて。3年生頃から授業中ノートを取らなくなり、漢字練習帳やら作文やらを一切書かなくなった息子。
そのため漢字テストは満点状態から一気に30点台へ…。
勉強はいくらインプットしても、アウトプットがされていなければ定着しません。
多少1、2字書いて練習しても、普段ノートや作文などで習った漢字を使っていくことがないと、すぐ忘れちゃうんですね。
それが痛いほど分かっていながら、息子のノートはこの頃、真っ白でした。
この頃はまだ「軽度な学習障害」があることが判明していなかったので、1年くらいは「ノートを取れるように」諭していましたね。
低学年時はノートもきちんと取れていたので、書字困難があるのだとは思わなかったのですが。
学年があがり、ノートを取る内容の難易度が上がったことで(平仮名と画数の少ない漢字だけの低学年時は、ノートを取るのが簡単だった)、書字困難があらわになった、ということのようです。
あと、当時服用していたコンサータの威力もあったと思う。
このコンサータは驚異的な集中力を発揮してくれたんだ。頭の中の雑音がスッキリ!して、勉強もお友達との会話もソツなくこなせて嬉しかったなあ。
僕には結局合わない薬だったからもうやめちゃったけど、普通の子たちはあんな風に頭の中がいつもスッキリしているんだな、ってのが分かったよ。
コンサータが合っている子なら、試してみるのもいいと思うよ!
この当時は「ノートを取りたくない!」の一点張りで、彼の心の内がまだ読み切れていなかったのですが、色々な考えや思考が交錯している最中なのだろう…と思って、「ノートを取る」という行為を諦める方向に、指導方法をシフトしました。
中学3年生になった現在は、真っ白の場合も、2、3行書いている場合もありますが、基本は「ノートを取らない」。
書字困難があるので、ノートを取る、という行為は彼にとっては非常に大変なんですね。ノートも取れたらもっと好結果を得られるのかもしれませんが。
諦めて、自分に合った勉強方法を探す方が、結果的には「学校生活もそこそこ何とかやっていける」「勉強もそこそこ何とかクリアできる」状態に落とし込めるのではないかな、と思います。
そんな漢字を「練習しない」「ノートも取らない」「作文はお持ち帰りのうえ平仮名だらけ」のADHD息子にどうやって「短時間で」「効率よく」覚えさせるか…。
効果的と言われる教材や勉強方法を色々試してぜーんぶダメだった息子に、唯一私が頭をひねってやらせて効果があったもの。
それは「興味のあるジャンルにその漢字を結び付けて、想像させながら書かせる」ことでした。
想像力を駆使して漢字を連結記憶!その方法
息子は大の作り話好き。想像力は非常に豊かです。簡単な物語なら即興で作ることができます。自閉症スペクトラムの子に多い特性ですね。
そこでそんな「好きなモノ」を駆使した方法を練習法に加えてみました。
例えば修復の「復」を練習するとしましょう。
まずは漢字練習帳に「ロボットの修復」と書いておきます。これはロボットに強い興味を示す息子の関心を引くための単語です。
時間があるときはロボットのシールを貼ったり、簡単なイラストを描いたりしておきます。
そして息子に大好きなロボットを修復している様子を想像させ、
何度も直すんだよ。だから『複数』の『ころもへん』じゃなくて、何度も山を登って修行する『行者さん』の『ぎょうにんべん』。
ほら、ドライバーでネジ締めて、部品を取り付けて…。
手が何度も往復するねー。…ロボット、直せた?
想像力を働かせて大好きなシーンに結び付け、間違いやすい「へん」や「突き出る」などのポイントは、理解しやすいようなお話を作ってあげる。
そうして宿題ドリルの「建物を修復する」なんていう出題では毎回ころもへんにして間違えていたところを、ロボットを何度も直している自分を想像したあと「ロボットの修復」と2回練習帳に書いただけで、その後もうこの漢字は脳に定着してしまいました。
映画のワンシーンみたいに覚えるんだよ!
「文字」だけじゃなくて「映像」も組み合わせることで2重に記憶させるんだ。
僕はスターウォーズのワンシーンとよく組み合わせているよ!
好きなものと関連づけると覚えやすいですよね。
そんな素晴らしい技!というものではないのですが、確実に定着。
数ヶ月経って間違えても、「修復はね、ロボット直すんだよね、何回も」と脇で話すと「あ、そうだった」とすぐ行にんべんに書き直します。
パッと「ロボットを何度も直している」状況が浮かんで、間違えポイントも一緒に思い出すのだそうです。
ちなみにお姫様大好きな自閉症スペクトラムの女の子に「アリエル(人魚姫)」「シンデレラ」「指輪」「ドレス」「お城」などの単語を絡ませて漢字を練習させたら、半分の確率で覚えた!ありがとう!と報告してくれた方がいらっしゃいました。
定着率が高く、その後の自発的学習に繋がりやすい
何てことない簡単な方法ですが、関連したお話を作ったりイラスト描いたり、ちょっとした「手間」はかかります。
ただでさえあれもこれもとサポートが必要な発達障害児。
この時短時代に漢字ひとつひとつにそんなことまでやってられない!とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。
確かに手間です。30点台の頃は間違えた漢字は70字。
70字もこれをやると思うと、クラクラしちゃいますよね。
一日で70字も覚えられませんから、毎日コツコツと1、2個。
コツコツ、コツコツの繰り返し。特別頭の回転が良い子でもない限り、勉強に時短なんてありませんから。
本当にコツコツと地道な作業ですが、苦労するだけはあります。そのうちテストの点数も確実に伸びていきました。
テストの点数が全てではないですが、本人にとっては「頑張った成果」が「数値化」して見えることで、その日から勉強への意欲が俄然変わってきます。
実はここが大事。
テストの点数より、「勉学への意欲が増すこと」「努力は報われること」。この2点さえおさえておけば、10分であろうとも自発的に毎日勉強しようという意識が働き始めてくるのです。
まとめ
発達障害児、特に自閉症スペクトラムの子は目に見えない「効果」を追いません。
目に見えるかたちの「数値化」された「過去より良い評価」はハッキリとしているため、その喜びもハッキリ感じるようです。
間違った漢字を全部イメージ化して練習させるのは大変なので、まずは今日間違った漢字にひとつだけ、お話を作ってあげませんか?
そのたったひとつが、意外にずっと記憶に定着してくれるかもしれませんよ。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
*** お知らせ ***
腱鞘炎が落ち着いてきたので、はてなスターを再開しました!
ただ、はてなスターを頂いた方への訪問は、できたりできなかったり…となると思います。
時間がかかっても必ずご挨拶に来てね!という方は、ブックマークかコメントでご訪問をお伝えください。スターの代わりに無言ブックマークでも大丈夫ですよ。こちらは必ず、伺います。
これからも当ブログをよろしくねっ!