こんにちは。ココです。
ADHDで自閉症スペクトラムな息子の行動と会話から得たヒントを綴っていく当ブログへようこそ。
今回は、多くの小学校が宿題と共に提出をさせている「自主勉強」について。
自主勉強の様々な「スタイル」
「自主勉強」。お子さんの小学校ではこの「自主勉強」が宿題の一部になっていますか?
息子は公立小学校へ通っていますが、3年生になったあたりからこの「自主勉強」というものが宿題プリントの他に提出を求められるようになっていました。
自主勉強の提出不要な小学校にお子さまが通っているという方に、この「自主勉強」とは何なのかを簡単にご説明しますね。
自主勉強というのは宿題として配布されるプリントやドリルの他に、「自分で考えて」「勉学になるもの」を「自主的に行い」、その成果をノートに記載して提出する、というものです。
これは小学校の方針やそのクラスの担任の先生の考えによって様々な基準があるようです。
私は他のクラスの子のママや、習い事でお会いする他の小学校のお母さんたちとたまにお話することがあって、そのとき自主勉強について聞くと、本当にその基準がバラッバラなのに驚かされます。(笑)
市販の教材をやったものをノートに貼り付けて提出するのがOKなクラスもあれば、全ての貼り付けは禁止!で「問題文も全部手書きをして提出」しなければならないというクラス、「何か本を読んだらその本の題名だけ書いて1行感想文書いたらそれでいい」というクラスもあれば「国語・社会か算数・理科。文系と理系の教科をどれか2つ以上やらないとダメ」だったり。
「塾の教材の提出は認めません」というわけで、塾が21時に終わって、その後自主勉強のノートを書くために就寝は23時…という小学3年生もいたりします。
ちなみに息子は「問題文も全部手書きが望ましい」という先生、「料理をお手伝いしたら家庭科の実習として認める」先生、「余力があるときに提出でOK」な先生と、学年が変わるごとに変わっていました。
宿題の免除をお願いする、という方法も
息子は普通クラスに在籍していたため、息子だけ特別に提出免除、ということはありませんでした。
もちろん学校でも1、2を争う勢いである「大変な児童」だったので、「無理です。提出できません」と言えばちゃんと認められたと思います。
発達障害専門医からも「勉強よりも、今は落ち着いた生活ができるようになるのが最優先ですからね」と言われていましたし、そのお話は学校の先生方にもお伝えしていましたから。
「勉強なんて、数年遅れていてもちゃんと取り戻せますよ。でも心の安定は『今』みんなが必死に支えてあげないと、修復不可能になりますからね。勉強なんていつでもできます。ですから勉学の遅れなんて考えなくていいんですよ、お母さん」
そんな温かい言葉をかけて頂いていました。
かんしゃくを何度も起こしたり、学習障害があってとにかく勉強が大変だったり、心と頭が学校生活を送るだけで疲れ切っていてもう宿題どころではなかったり…。
色々な理由で宿題を完成させるのが難しい場合は、先生に交渉して宿題を減らす、あるいは提出できなくても良しとしてもらう、というような配慮をお願いしてみてもいいかもしれません。
これは意外にやろうと思わない親御さんが多いようですね。
特別支援教室に入っているお子さんをお持ちのママや発達障害の診断はしていないけど何かそんな気がする…的なお子さんのママと宿題の話になって、何度か「やらなくてもいいように先生に交渉してみたらどうかな?」と差し出がましいようですが助言をしたことがあります。
どのお母さんたちも真面目で一生懸命なんですよね。だから「宿題を見逃してほしいと交渉する」なんて思いもつかない。
担任の先生は普段の子供の状態を見てらっしゃるので、大概快く許可してくれます。
ただ、これも生真面目な先生に多いようですが、たまに二つ返事で許可してくれない先生もおられるようです。
こういった場合は今後何かとやりにくくなってしまうことが考えられるので、スクールカウンセラーや特別支援教育コーディネーター を担当しておられる先生からもお話してもらうようにすると上手く対処してもらえるかと思います。
私は何かあると頻繁に小学校へ出入りしていたため(呼び出し喰らったり、相談に行ったり、色々とね…。(T_T) )、廊下でたまたまお会いした校長先生に立ち話でお願いしたり、よく息子のかんしゃくの対応をしてもらっていた教頭先生やその他の先生にご相談したりしていました。
「担任の先生を飛び越えて…」なんて深刻に考えたりせずに、手助けがお願いできるところを積極的に探して日頃から交流をはかるようにしていると、先生方も大らかな気持ちで対応してくれますよ。
自主勉強は本人のやる気に任せる
「宿題、大変ならやらなくても大丈夫だって先生が言ってたよ」
自傷行為が加速していた頃、たまりかねて私は宿題の免除を先生にお願いし、了承をもらっていました。
「勉強する時間」が家庭内でかんしゃくを起こす大きな要因のひとつになっていたので、考えた末に先生に交渉をしたのですが、肝心の本人は「宿題や自主勉強を免除してもらう」ことに頑として首を縦には振りませんでした。(漢字の書き取りなど特に苦手な分野は半分の分量にすることには納得していましたが…。)
一時期、コンサータというお薬を飲んでいた息子。その頃は目を疑うような集中力を発揮し、高得点をばんばん取っていました。
「XXくんってすごいね!やればできる男じゃん!」
多動全開だった息子を見ていたクラスメイト達が、驚きと共に口々に褒めてくれていたあの頃。
息子はみんなの中にある「やればできる自分」のイメージを壊したくなかったのです。
「僕はやろうと思えばできるんだ。本当だよ。だからみんな、あの僕を忘れないで…」
激しいかんしゃくを何度も起こしながらも、宿題を未提出にすることは絶対にしなかった息子。
「僕はバカじゃない!僕はバカじゃない!」
涙を流してわめきながら、宿題が終われば通信教材の勉強に取り掛かっていた息子。
嫌なことがあっても殆ど話してくれない息子でしたが、コンサータが効かなくなって多動や異常行動が激しくなってきた頃、よくこんなセリフを聞きました。心無い子たちにバカにされたり標的にされたりしていたようです。
どんなに多動であろうとも、勉強ができたり運動神経が抜群だったりと何かに秀でていれば、多くの子たちは一目置いてみてくれます。
子供は子供なりの世界観がありますからね。
息子はそのイメージを守りたい一心で、かんしゃく全開になりながらも毎日決まった分量の勉強をこなしていました。
そんな息子の気持ちが、緊迫する空気を振動させながら痛いほど伝わってくる毎日。
そうか。それならママだってキミのかんしゃくに何とか対応しながら、「せめて効率よく」勉強できるようにサポートするよ…。
私はそうして、自主勉強を「息子の苦手部分を強化する時間」と捉えて応援していくことにしました。
臨機応変なノートを作る
毎日の勉強にじっくり付き合っていると、その子がどんな分野が得意で、どんな分野が苦手なのかがわかるようになってきます。
例えば息子の場合、国語は「読み取り」でも「説明文」は苦手で「感情移入が必要な物語」は得意です。
読書は科学系の説明文が大好き、物語は嫌いで全然読まないのに、不思議です。「好き」で触れる時間が多いのと「だからといって得意」なのとは別なんですね。
算数などは筆算をよく間違えてますが、筆算の「どこが」よく間違うのか(息子の場合は繰り上がりを忘れるケアレスミスが多いです)。面積は「どの形が」よく間違えるのか(平行四辺形とひし形を混同したりしますね)。
そんな風にひとつひとつ苦手分野を確認していきます。
かんしゃくばかりなので漢字書き取りや計算ドリルなどはみんなの半分の量。なので総量が少ない。だから丁寧に見ることができます。
そうして苦手だな、と思った分野は通信教材やネットで見つけた問題を3、4問だけ切り取ってノートに貼り付けます。漢字もよく間違えるものを2、3個。
たまに白紙で持って帰ってくる(多動全開でやってこなかったと思われます…)音楽のプリントや家庭科のプリントなんかも貼ったりします。
まとめ
息子を見ていると問題集を何冊もこなすより、苦手分野を嫌にならずになんとか頑張れそうな量を毎日解いていく方が、遥かに効率よくマスター出来るように思います。
こればかりはその子によって違いがあるとは思いますが、特にADHD傾向の強いお子さんには「1、2問だけを毎日」がおすすめかなあ、と思います。定型発達でも集中力はだいたい15分周期と言われていますから。
特に子供の集中力は約30分というのが今の定説のようです。
集中力の持続が難しい発達障害児。できるのなら「短時間で」「効率よく」勉強させたいですね。
最後までお読みいただいてありがとうございました。