こんにちは。ココです。
注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子の行動と会話から何かのヒントを綴っていく当ブログへようこそ。
今日は発達障害児息子くんおすすめの、ちょっと斜めな方向の本「人間愚痴大全」のご紹介です。
見開き1ページで終了の読みやすい本
この本は、世界各国様々な偉人たちが残した「愚痴」の本。見開き1ページで終了なので、ちょっとした時間に1つの愚痴が楽しめます(笑)。
樋口一葉やベンジャミン・フランクリン、伊達政宗にベートーヴェン。ルノワールや寺田寅彦など、様々なジャンルと年代からの愚痴がぎっしり150個も!
偉人たちのあまり知られていない側面や歴史的背景などから彼らの「愚痴」を深堀りしていく「人間愚痴大全」。雑学やトリビア好きは必見です。
今回はその中から素敵な「愚痴」(笑)をご紹介しますね。
塙保己一の「愚痴」
塙保己一は江戸時代の国学者。6歳で失明しているにも関わらず『群書類従』編者として有名です。優れた記憶力と向学心により、あん摩をしていた時の客から読み聞かせをしてもらったりしながら、6万冊もの蔵書の内容をすべて記憶していたという逸話があります。
「目が見えるというのは、不便なものですね」
ある晩、弟子たちを前に『源氏物語』の講義をしていた時のこと。ふいに一陣の風が吹いて、部屋のろうそくの火が消えてしまった。部屋は真っ暗になり何も見えない。本を見ながら講義を聴いていた人もいるかもしれない。弟子たちは大慌てだったが、目の見えない保己一はそのまま講義を続けていた。
「先生。少々お待ちください。今、風で灯りが消えてしまいました」
と弟子の一人が言うと、保己一はそっと言ったという。
「目が見えるというのは、不便なものですね」
視力に頼っている人たちのせいで講義が続けられなくなったことに対する愚痴のようでありながら、座の人々をなごませるユニークな一言でもある。
さらにこの話は遠く海外にまで伝わっていたらしい。この話に心から感動したアメリカ女性は1937年来日し、保己一の愛用した机や保己一の像を自らの手で触れ、こう述べた。
「使い古された質素な机と、優しそうに首をかしげた先生の像に触っていると、先生のお人柄が伝わってきて、心から尊敬の気持ちがいっそう強くなりました。先生のお名前は、水が流れるように、永遠に後世に伝えられていくに違いありません」
彼女の名前はヘレン・ケラー。視力・聴力と言葉を失いながら、著述家、社会福祉事業家として成功し、「奇跡の人」として映画にもなった人物である。
引用元:「人間愚痴大全」 福田智弘・著
色んな逸話やその偉人に繋がりのある話をもとに構成された福田智弘さんの文章はかっこいいよ!最後の締める言葉がぐっと心をとらえるよね!
ルイス・キャロルの「愚痴」
ルイス・キャロルはイギリスの数学者で童話作家。「不思議の国のアリス」著者として世界的に有名です。
「心と体、そんなにも体のほうが大事なのでしょうか」
キャロルが52歳の年に行った「心を養う」という読書に関する講演録が残っている。私たちは肉体を維持するためには三食を正しくとっているが、果たして心のためにはきちんと栄養をとっているのだろうか、と問いかけ、「心と体、そんなにも体のほうが大事なのでしょうか」と語っている。
身体に栄養を与えるために食事をするように、「心の栄養」として読書をするべきだと告げているのだ。
また、身体の健康のために適切な種類の食べ物を適量だけ、きちんと感覚をおいて食べるのと同じように、心を養うためには読書も適切な内容のものを多過ぎず少な過ぎず、休憩をあいだにはさみながら行うことがよいとも告げている。
さらに食べ物はよく噛んで食べなければいけないように、読書もただ読み散らすのではなく「読んだものについて考える」ことが大切だと述べている。
ちなみにこの講演の原題は「FEEDING THE MIND」であり、この「MIND」を「頭脳」と訳す人もいる。「心を養う」とするか「頭脳を養う」とするかで、講演の印象が大きく変わることを付言しておこう。
引用元:「人間愚痴大全」 福田智弘・著
ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」は世界中の多種多様な分野に影響を与えている、素晴らしい本だよ!あの任天堂のスーパーマリオも、「不思議の国のアリス」をアイデアの素に使ったんだって!このお話は「魔女の森・不思議なきのこ事典」に載っているよ!
まとめ
いかがでしたか?偉人たちの「愚痴」は、何かを深く考えさせますよね。
ありきたりの日常にふと嫌気がさしたとき。ネガティブな気持ちだから明るい気分になりたい!と思って「名言集」や「泣ける話」を読んだら、なおさら辛くなっちゃった…なんてとき。
偉人たちの「愚痴」を読んで、そうだよねえ、あなたみたいな有名な人だって、そんなこと考えたことあったんだねえ…。なんて、逆に気持ちがラクになるかもしれません。
「人間愚痴大全」。非常に奥の深い読み物になっていますので、書店で見かけたときは是非手にとってぱらぱらめくってみて下さいね!
すごく内容が濃くて読み甲斐のある1冊だよ!僕は4日かけて読んで、その後も何度も読み直したお気に入りの本。発達障害で怒られることの多い僕たちにとって、違う目線で見ることができる偉人たちの姿に、勇気がもらえるよ!是非読んでみてね!
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。