発達障害だって、頑張るもん!

発達障害だって、頑張るもん!

注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子を持つママ・ココです。子どもを通して学んだ発達障害児への対応、工夫、その他色々な情報をたくさんの人と共有できたらいいな、と思っています。

 

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【モノに執着する子どもたち】 コレクターじゃないのに何でも拾ってくる僕の本当の理由

淡い茶色の背景に枯れ葉を一輪車で集める男の子

 

こんにちは。ココです。

注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子との毎日から得た小さなヒントを綴っていく、当ブログへお越し頂きましてありがとうございます。

 

今日はポケットに謎の物体が毎日出現!「モノ」に執着する発達障害の子供たちについて。

 

● 変わらずにそこに存在し続けるモノ。それは「常に自分への対応が変わっていく」ヒトの感情よりずっと安心できるものなのです。

 

 

 「モノ」に執着する子どもたち

 

子供ってどんな子でも多少なりとも「モノ」に執着する時期がありますよね。

乳幼児施設や幼稚園で、おもちゃの取り合いはよく見かける光景です。公園でのブランコなどの遊具も然り。

 

それはおもちゃだけにとどまらず、砂場遊びで使うプリンの空き容器や落ちていた長い枝、ただの石ころ。

6ヶ所もあるのになぜかひとつの蛇口を取り合ったり、土手をよじ登るのに一部の場所だけ争奪戦になったり。

 

おでこをつけて見つめ合う双子の女の子

 

そんな「自分の意見を主張する」過程を経て、子供たちは成長していくのですが。

 

その時期に執着していた、大人にはよく分からないようなくだらない「モノ」に、息子は今でもご執心です。

 

ゴミだって関係ないもん!


給食で使用済みのストロー、用途不明のネジ、鉛筆の削りカス。

ここら辺は汚いだけでまあ問題ないのですが。

 

苦笑いの女性のアイコン







…いや、汚いって問題ですよね…。

 


コンクリートの破片、捨てられたカッターの刃、何だか不明な植物の何か(果実なのか虫の何かなのか…)、誰かが食べた焼き鳥の串、薬品名の記載されていない処方された何かの薬の空容器…。

教室のごみ箱に捨てられていたものや下校途中の道端、昼休みの校庭、休日のお出かけ。

いつでもどこでもどんなものでも、危ないものまで見境なく拾ってきます。

 

たくさんの空き缶のプルタブに埋もれるうさぎのミニチュア


 

ゴミとしか認識できないそれらのモノが、ランドセルの底にズボンのポケットに。

筆箱の中に玄関の脇に。布団の下にお風呂場の中に。車内の足元に、握っているその手の中に。

 

もう至るところで発見される毎日です。彼が歩き出してこのかた、一日も発見のない日はありませんでした。

 

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ある意味すごいです。…何の役にも立たないけど…。

 

「コレクター」とも「アスペルガー症候群の収集癖」ともちょっと違う

 

コレクターというのは、「そのシリーズを集める」ことが目的なようですが、息子の場合は特に「このシリーズ!」というジャンルは存在しません。

 

自然科学系が好きだから抜け殻やダンゴムシや石ころなのかな?と思うとそうではなく、何かの商品タグやクラスの女の子からもらったキラキラシール、教材の入っていたばかでっかい空き箱なども持ってきます。

 

また、収集癖がある人が多いと言われているアスペルガー症候群。

1巻から50巻までのマンガの18巻だけがないと、その欠けた箇所を何とかして埋めたい!と思ったりします。新幹線に乗ってまで古本屋巡りをしたり、400円ほどの本に5万円出してオークションから落札したり。

既に内容も知っているのに、です。

 

開いた本の上に?のマークとWHY?の吹き出し

 

しかしこれはアスペルガー症候群の方だけではなく、一般的な人間が持つ心理のひとつでもあります。心理学では「一貫性の原理」とも言いますね。

 

考える女性のアイコン





そろそろ興味が薄れてきたのに、ずっと購読しているから…という理由で趣味の雑誌を発売されるたびに買ってしまう、というようなことです。

思い当たること、ありませんか?

 

そんな一般的人間心理とはちょっと違う、「一貫性」にひどくこだわりを持つアスペルガー症候群の方もいます。

たとえ借金をしても、「それ以上無駄なコレクションを増やすなら離婚よ!」と生活の破綻を迎えてもやめられない…。

また自分の切った爪を何十年も瓶に入れ続けて捨てられない、用途もないのにレシートを段ボール箱何箱分も集め続ける、といった「欠けた箇所を埋めるため」以外の収集癖を見せる人もいます。

 

ADHDで自閉症スペクトラムな息子ですが、彼はそのどれとも違うのです。

 

僕がモノを持ち帰る目的

 

モノに執着する息子の目的。

それはどうも「そこに存在している物体化したモノ(生命あるなし問わず)」を「自分の手中におさめる」ことのようでした。

 

本人にどうして拾ってきたのかと聞くと、「足の付き方を実際に確認したかったから」(天寿を全うした昆虫。…ぎゃー!ですよ、ホントに…。)

 

眼鏡をかけた男の子のアイコン







顕微鏡で形を見てみたかったから

(校庭の砂。大量に筆箱に入っていて、鉛筆が埋没している…。)

 

眼鏡をかけた男の子のアイコン





ボートにして浮かべようと思って

(給食で出たゼリーの容器。洗ってない…。)

 

眼鏡をかけた男の子のアイコン







糊で練ってまた固形にして書けるようにするんだ!

 

(チョークの粉。筆箱いっぱい入っていたので、開けたとたんに玉手箱を体験しました…。)

 

眼鏡をかけた男の子のアイコン





ダンゴムシ王国建設!

 

(大量のダンゴムシがやはり筆箱の中に…。やめてください、頼みます…。)

 

こうやって書くと「おもしろ子育てエピソードブログ」みたいですね!

…違います。(;一_一)

 

こんな風に一応本人なりの目的があって拾ってくるようなのですが、そこはADHD

宿題をしながら校庭の砂を机にばらまき、ん?顕微鏡で観察するのか?と思いきや、ふと目に入った消しゴムのカスを練り練り…。

 

「この筆算、途中で終わってるよ?」と声をかけると、癇癪起こしそうになりながらまた宿題。

筆算しているうちに、プリントの下がぼこぼこして書きにくい!と癇癪を起こし(さっき自分でばらまいた砂のせいだ!)、数十分後におさまると気分転換に本を読み…。

 

結局あれこれ気分が飛んでいくので、その日拾ってきたモノの目的は毎回達成された試しがありません…。

 

白い背景にGIVE UPの文字

 

目的が達成されないままのモノたち

 

親としては、せっかく興味があって観察したいと持ってきたモノを、顕微鏡でちゃんと確認させてあげたい気もするのですが。

 

宿題、ごはん、お風呂、かんしゃく…。とやることは山のようにあるので(しかもそれぞれに莫大な時間を要します)、まあ気がそれちゃったんならいいかな、と思って「その物体」の話題には触れないようにしてその夜を終えます。

 

きっと話を振ったら「そうだ!」と思い直して顕微鏡を出してくるのでしょうが。

出してくる工程でブロックなんかの違うおもちゃを見つけては、今度はそれで遊ぼうとするのが目に見えるので、もう敢えて口に出しません。

 

こんなに忙しい現代日本の小学生として生まれなければ、もっとのんびりと彼の興味関心につきあってあげられたのかもしれないなー。

そうしたらもしかして、何かを研究していくような分野でいずれこの発想力・過集中の能力を発揮できたりしてねー。なんて考えたりしますね。

 

親バカな、ちっちゃい妄想です。(;´∀`)

 

しかしこの頃は小学4年生。そろそろそんな収集癖を悪意ある言葉で攻撃する子もちらほら出てきました。

なので本当はやめさせたいのですが、全く聞く耳持ちません。というか怒り出します。こうなってくると、もう「特性」なのでしょうね。

 

モノは「変わらない」

 

こんな話をある発達障害児の専門の方とお話していたら、その方が仰ってましたね。「モノは変わらないからじゃないですか?」

 

大きなきのこが並んでいるイラスト

 

ヒトの感情って、変わっていくものですよね?発達障害の子供たちは相手の感情を読み取るのが苦手な場合が多いです。

だから、毎日その変わっていくモノ(お友達や先生の感情の移り変わり)に対応するのって、すごくエネルギーを使っちゃう。

 

でも「モノ」って、変わらずにそこにある。その「変わらないであること」が安心感につながるのかもしれませんね。

 

そんな考えをお話して頂きました。

 

そうかあ。息子が自然科学が好きなのは、もしかして「普遍的」で「法則的」で「その感情に左右されない」からなのかもしれないな…。

 

考える女性のアイコン





うんうん。この子は変わらないものへの安堵が欲しかったんだね…。

 

まとめ

 

そう気が付いたら、毎日拾ってくる用途不明のモノにも、あまり反応しなくなりました。(天国に召された虫は別です!)

 

変わらないもの…。私達発達障害児のママの、子供への愛情も。

是非そうでありたいと、願わずにはいられません。

 

最後までお読みいただいてありがとうございました。

 

 

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