こんにちは。ココです。
注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子の行動と会話から何かのヒントを綴っていく当ブログへようこそ。
今回はちょっと難しそうな「シナプス」の話から、発達障害の子供たちの「疲れやすさ」を考えていきます。
「とってもカンタン」なお話になっているので是非読んでみて、この子たちの疲れやすさをちょこっとだけ理解してあげて下さいね!
定型発達と発達障害の人たちの「シナプスの働き」の違い
「手を洗う」「新しい漢字を学習する」など刺激や体験などの情報を、神経を通して脳に伝えるのが神経伝達物質と呼ばれる様々なもの。ドーパミンやノルアドレナリンなど皆さんが一度は耳にしたことのある名前のものがそうですね。
シナプスはそういった新しい情報を「必要なものは記憶」し「不必要なものは消去」したりしながら、受け取った情報をただ流すのではなく、整理しながら伝達していきます。
「『忘却』は、マイナスなものとして捉えられがちですが、これが正常に動作しないことが精神疾患の原因にもつながっていると考えられます。
人の『長期記憶』の容量は無限だといわれていますが、たとえば自閉症の一種であるサバン症候群の人の中には、一回聴いただけの音楽をピアノで弾けたり、一瞬見ただけの景色を記憶して描けたりするなど、一般的には考えられないような優れた能力を発揮する症状がみられます。これは、私たちの脳の記憶容量が無限であることを示していると私は考えています。
しかし、こうした特殊とも言える記憶能力は、情報の取捨選択において『忘却する情報』が仕分けられない状態と考えられます。この取捨選択が適切に行われる状態が“正常な脳の働き”であるともいえるのです。」引用元URL:医学博士に聞く、記憶力・学習力アップに影響する脳機能「シナプス可塑性」とは?|LINK@TOYO|東洋大学
なるほどー。「新しい漢字を覚える」ために目を落とした視界の「ノートの上に落ちた埃」「聞こえてくる友達のお喋り」「鉛筆の質感」「新しい漢字から連想される以前覚えた漢字の記憶総動員」など、どーでもいい情報が適切に「取捨選択」できないのね。
発達障害の人が「疲れやすい」理由は色々挙げられています。
しかしADHDで自閉症スペクトラムな息子を見ていると、この「シナプスの働きの違い」が一番大きいんじゃないのかな…と私は思うのです。
その他の「疲れやすい」理由
多くの発達障害に関する本では以下の6つの要因が子どもたちの「疲れやすさ」になると記しています。
1. 集中のし過ぎ(過集中)
2. 睡眠が上手にとれない
3. 感覚過敏による神経の疲れ
4. 集団行動に対応しようと一生懸命頑張るため
5. 多動による体力の消耗(ADHD)
6. ボタンをとめる、などの簡単な動作も不器用さのため手間取るから(協調運動障害)
1. 集中のし過ぎ(過集中)
研究職とかに就いたらこの特性を発揮できるのでしょうが…。
何にせよ、それだけ集中しているので脳はオーバーヒート。疲れるのは当たり前ですね。
2. 睡眠が上手に取れない
僕の場合は入眠は問題ないんだけど、平日の睡眠時間がちょっと足りないんだ。
僕のベストな睡眠時間は11時間くらい。そうなると平日は19時半には寝なきゃいけない計算なんだよ!
高学年になって19時半入眠はさすがに無理があるので、週末は目が覚めるまで寝かせて「寝だめ」をしてもらっています。
「寝だめ」は意味が無いと言われていましたが、最近の研究では週末にたっぷり寝る「寝だめ」をしても、脳の機能は十分回復するということがわかっているんですよ。
3. 感覚過敏による神経の疲れ
定型発達の子なら気にならない「窓の外のカラスの声」「扇風機の回る音」「誰かの服の柔軟剤の匂い」「上履きやズボンのゴムの締め付けられたような感じ」 「日光が差してきて見えてくる塵の舞う視界」…。
聴覚、視覚、嗅覚、触覚…。様々な感覚に過敏に反応してしまう「感覚過敏」を持っている発達障害児は、もうその情報に一日振り回されっぱなしです。
もし「誰かのスマホの着信音が隣の机で鳴り続けている」状態で一日仕事をしなければならないとしたら?仕事に支障があるどころか、イライラしたり頭痛がしてきたりで終業時刻にはぐったり…ですよね。
私達にはそれほど気にならない感覚が過敏な子の場合、その日一日を学校で過ごすこと自体が「過酷なお仕事」なのです。
4. 集団に対応しようと一生懸命頑張るため
発達障害の子たちは失敗も多く、日に何度も先生から注意を受けたり、友達からからかわれやすい状況にあります。
そんなことのないよう、本人たちは懸命に頑張っています。
多動性障害であるADHDの場合は、特に「努力している」感が全くないように見えてしまうのですが、実は本人も気付かないほど「懸命に気持ちの上では」努力しているのです。
その努力はそれこそ登校時間に「遅れないように」から始まり、下校時まで「なるべく騒がず、立ち歩かず、友達のからかいに逆上しないようにし、先生の注意に涙を浮かべず、黒板を見て記憶し、書く作業をこなし、体操着を時間内に着替え…」と際限なく続けなければならないので、子どもの「忍耐」キャパシティーを大幅に超えてしまいます。
実際はよく離席し、授業中お口の「多動」が見られ、クラスメイトの揶揄された言葉に爆発し、先生の注意に反発。ノートは取らず、私服のまま体育参加。
どこが努力しているんだ!と言いたい感じなのですが…。
僕なりに一生懸命「気持ちの中では」頑張っているつもりなんだよ。でも全然そんな風には見えないみたい。
「多動」の印象が強すぎて、本当は家ですごく落ち込んで泣いたりしているなんて思われないんだ。
激しすぎる多動の奥にある「それでもみんなについていけるように」頑張っている気持ちが、虚しく空回りする毎日。
そんな「気持ち」だけで本当に疲れきってしまうんですね。
5. 多動による体力の消耗
もちろん読んで字のごとし。多動性障害のハイパワーな活動量はクラスの子供たちの3倍はあると思います。なんてったって1時間目から6時間目まで、休むことなく教室中校内中をウロウロするんですから。回し車に乗っているハムスター並みです。
着席時にそわそわ常に身体を動かしている、授業中手遊びが止まらない、お喋りで口が常時動いているなど、息子のように離席がなくとも何かしらの多動があれば、体力の消耗は大きいと思います。
6. ボタンをとめる、などの簡単な動作も不器用さのため手間取るから
定規で真っ直ぐな線を引く、ボールを蹴りながら他人にパスをする、こぼれないように給食を配膳する。
私達にはなんてことのない動作でも、うまく手足を動かせない発達障害の症状があります。
極端に不器用な場合は発達性協調運動障害(DCD)と診断されますが、息子はこの診断が出るほど不器用ではなかったものの、頭で考えていることと手足への指令がいつもワンテンポ遅れているんだな、と高学年になった今でも思うことがあります。
なわとびなんかもそうですよね。「なわを回しながら」「身体はジャンプ!」がなっかなか出来ませんでした。なわとびを習得するのに3年かかりましたよ。
走りながらパスする、など2つの動作を同時にしなければならない球技は今でも苦手です。
発達障害児は、この「動作の不器用さ」がある子が多いのではないかな、と思います。
もちろん運動神経抜群!な発達障害の子もいるよ!サッカーで選抜選手になったりする子だっているんだ!すごいね!
まとめ
疲れる要因目白押しな発達障害児。せめてお家に帰ってきたときには「爆走して疲れ切った脳」を休めてあげられるといいですね。
宿題や習い事など、今どきの小学生はなかなかゆったりとした時間がとれないこともありますが、 その子に合った「リフレッシュ方法」を是非お子さんと一緒に探してみて下さい。
僕の場合は「読書」と「空想のお話をママとお喋りする」ことなんだ。
週末にどこかへお出かけするのも、僕にとっては適度なリフレッシュになっているよ!自閉症スペクトラムだからといって「非日常的な活動」が苦手とは限らないんだね。
場合によっては学校を一日くらい休んでみる、というのもアリかもしれません。
息子は疲れすぎると平熱なのに「熱っぽいな…」ということがあります。きっと脳が働き過ぎてオーバーヒートした状態なのでしょう。
そんな時は「お休みしよっか」と学校を休むこともありますね。
日がな一日読書をしたりお昼寝をしたりすると、次の日には元気に学校へ行きます。
子どもの様子を観察しながら、「疲れやすさ」を上手にリセットしていけるといいですね。
疲れがとれて気力満タン!なときはかんしゃくも減りますから!(これ、一番大事っ!)
最後までお読みいただいてありがとうございました。