こんにちは。ココです。
注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子の行動と会話から何かのヒントを綴っていく当ブログへようこそ。
発達障害児を持つ親御さんが迷う、「特別支援学級」か「普通級」かの選択肢。
その間の選択肢として「交流級」「通級」というものがあります。
今回は公立小中学校にある制度「交流級」のメリットをお話したいと思います。
- 交流級とは?
- メリット1・困難ではない授業が普通級で進度を気にせず受けられる
- メリット2・普通級の友達ができることもある
- デメリット1・休み時間が減る
- デメリット2・授業変更に対応できない子には難しい
- 全体的な感想は
- まとめ
交流級とは?
「交流級」とは、「知的障害支援クラス」や「情緒障害支援クラス」に在籍しながら、一部の授業を普通クラスで受けられる制度です。
「一部の授業」というのは特に決まっているわけではありません。
「給食の時間」だけ、ということもあれば4教科(体育や音楽などの実技教科)のみ、理科や国語など特定の教科のみ授業を受けるなど、個人に合わせて自由に組み合わせることができます。
メリット1・困難ではない授業が普通級で進度を気にせず受けられる
学習障害からくる書字困難があるので国語と英語は支援クラスで受け、書くことの少ない理科や音楽などは普通クラスで受ける。
発達性協調運動障害(DCD)があるので体育や美術などの4教科(技能教科)は支援クラスで、他の教科は普通クラスで受ける。
全教科落ち着きがなく授業妨害をしてしまうが、社会だけは得意教科なので率先して授業を受けることができるため、社会だけは普通クラスで。
そんな本人の「困難さ」に応じてフレキシブルに対応することが可能です。
メリット2・普通級の友達ができることもある
交流の教科が多いほど、普通クラスの子たちと関わる時間も多くなるので、普通級のお友達ができる機会もあります。
例え「お友達」という関係まで発展しなくても、色んな子たちと関わることで、普通級の子・支援級の子双方に、学業だけでは育たない、人として大切なことを考える時間を与えてくれるのです。
お互いが影響しあって、個々の価値観や思考を、その小さな手のひらの上に乗せて確かめ合う。
それは人として生きていく上で、大きな意義を子ども達にもたらしてくれるでしょう。
その影響は「良いこと」だけとは限りませんが。毒を知らず、痛みを知らずに社会に出るよりも、その後の「ココロの強度」が違ってくるのは確かです。
デメリット1・休み時間が減る
在籍は支援クラスとなっているため、「本人の机」は支援クラスにあります。教科書やカバン、分度器やリコーダーなど、学習用具もまた、支援クラスに置いてあります。
そのため交流級での授業が終わると支援クラスへ戻り、次の授業で使うノートや教科書、筆記用具を持ってまた交流級の授業へ出向く…。
息子の場合はほとんどの教科を交流級で受けていたため、1コマ終わるごとに支援クラスに戻り、次の授業で使う教科書や筆記用具などを持って別棟の普通クラスへ走る、ということを多い日は6回、繰り返すそう。
そのため休み時間がほぼ「移動時間」になるので、友達と話す時間や文字通り「頭や身体を休ませる時間」がなくなるのが難かな、と言っていました。
たまに頭や身体がいっぱいいっぱいになって、癇癪が発動したりすることもあったようです。
中学2年生になったあたりから、癇癪になることはなくなったかな。
無性にイライラしたりはするんだけど、その時は授業を休んで別室で一人でクールダウンしたりもするよ。バランスボールにのっかってボンボンしたり、新聞を読んだりして過ごすことが多いかな。
自分コントロールが上手になってきたんだね!そんなことができるのは、支援級在籍ならではだね。
うん。ここまでに4年かかったけど、僕はこれで良かったかな。
ココロと頭の中のクールダウンって、自分なりのやり方や時間配分を見つけるのに、すごく時間がかかると思うんだけど、「何年かかっても、いつかできるようになる」かもしれないんだから(そこまで発達するのがゆっくりなだけだから)、焦らないでじっくりと対処方法を探す時間を、支援級は与えてくれたんだな、と思っているよ。
デメリット2・授業変更に対応できない子には難しい
学校では時間割通りの授業にならない場合も割とあります。
運動会の準備に合わせて音楽が算数に変わったり、先生の研修で2日間他の先生が来て違う教科をやったり。
国語だと思って普通クラスに行ったら理科室で理科の実験に変わっていた、なんてこともあります。
その場合は一度支援クラスに戻って国語の教科書を理科に替えて、再び移動。
息子は「え、何だよ、面倒くさっ」と思うものの、「教科の変更」はあまり気にならないそうですが、この「変更」に対応できない子は結構いるんだそうです。
息子曰く、教科変更はよくあることなので、対応できない子は支援クラスで固まったまま、1日が終わってしまうことも多くなるのだとか。
変更に対応できない子は結構いるよ。僕も自閉症スペクトラムだけど、自閉症スペクトラムの子には多いかな、という印象。変化に対応できない子には向かない制度かもしれないね。
全体的な感想は
…と、本来はこのように自由度が高い制度のはずなのですが。現実にはそう上手くはいかないこともあります。
教師も人員不足、保護者の我が子に対する熱心さからくるクレーム、障害を持つ子自身の意見とその保護者の意向の違いなどから、「交流級で受けたい授業」を上手く組み合わせることができなかったりします。
学校によっても何となくルールがあったりして、本当にこれはその学校の支援級に入ってみないと分からないかな…と思います。
息子の場合は小学校は国語と算数だけが支援クラスで、その他は交流級でした。
国語と算数は、高学年になると進度スピードが早くなるので、息子はこの2教科も交流級で受けたい、と校長先生に直訴していましたが、叶うことはありませんでしたね。
本来は校長の許可があれば叶うのですが、先生間の問題とか色々あったようでしたね…。そのため、国語と算数は当時やっていた通信教材のスマイルゼミと
同じく通信教材の月刊ポピーで自主学習を進めていました。
【公式】子供向け通信教育・家庭学習教材(幼児~中学生)|月刊ポピー
対して中学校になったら、「基本は交流級で」というスタンスの学校でした。
どうしても困難がある場合のみ、支援級の授業が受けられる、というシステムの学校でしたが、支援級の授業というのは基本プリント学習。先生が1人ついて、質問があったら聞けるだけなので、「(講義のような)授業」はないのです。
息子は技能教科(4教科)の一部を支援級授業を選択していましたが、難しい子は5教科(国数理社英)を支援級で受けていたため、あまり成績は芳しくなさそうだった、という息子の話でした。
また、学校によっては「支援級在籍であれば必ず受けなければならない授業」もあったりして、交流級で受けるはずの授業を休むかたちになり、1単元まるまる分からないまま次に進んでいた…ということも。
受けなければならない授業とは、コミュニケーション訓練だったり、身体統合感覚を養う運動訓練だったり、様々あります。
自立支援の訓練なので、本人達は「うざい、面倒」と思っているようですが、親としてはなかなかできない訓練を学校で設けてくれるので有難かったです。
ちなみに「1単元まるまる分からないまま期末テスト」対策に、中学生になってからはスタディサプリを使って、授業代わりに自主学習していました。
まとめ
支援級を考えれいるけれど、授業の進度が心配…。そんな子にはとても良い制度だと思います。しかし、教室をあちこち移動することがストレスになったり、変更に対応できない子もいるので、親子・先生一緒に検討して決められるといいかな、と思います。
もちろんやってみて無理だった、となれば変更もできるので、一考の価値はあるかもしれませんね。
次回は「通級」についてお話したいと思います。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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