こんにちは。ココです。
注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子の行動と会話から何かのヒントを綴っていく当ブログへようこそ。
発達障害児を持つ親御さんが迷う、この「特別支援学級」か「普通級」かの選択肢。
今回は公立小中学校にある、特別支援級のデメリットをお話したいと思います。
- 特別支援級のデメリットとは?
- デメリット1・授業進度が遅い
- デメリット2・友達作りが難しい
- デメリット3・社会性を培う機会が少ない
- デメリット4・テストで好結果を出しにくい
- デメリット5・進学先によっては…
- まとめ
特別支援級のデメリットとは?
前回は特別支援級の「メリット」をお伝えしました。
今回は反対の視点・「デメリット」をお伝えしたいと思います。
デメリット1・授業進度が遅い
特別支援クラスは、基本的に1クラス8人程度で構成されます。
規模が大きく、支援級を幾つも抱えている学校では、「1・2年生情緒障害支援学級」「高学年知的障害支援学級」など、学年を細かに分けてクラス編成されていることもありますが、大抵の小中学校では「全学年」の「知的障害」「情緒障害」クラスを編成しています。
「1~6年生」が一緒くたに入った「知的障害支援学級」「情緒障害支援学級」であることが多いです。
先生は大抵1人。教員免許を持たない「サポーター」と呼ばれる補助員が1、2名つくこともあります。
様々な学年が一緒のクラスにいるため、「国語」の授業のときは、それぞれの学年ごとに今現在習う教科書のページを開いて勉強します。
先生が6年生を指導しているときは、他の学年はワークやプリントをやったりしています。
それを1コマ45分(中学校の場合は50分)で全ての学年の子ども達の勉強をみるため、どうしても進度が遅れてしまいます。
知的障害クラスは「理解度に時間がかかる」ため、情緒障害クラスは「落ち着きなく騒いでおしまい、がしょっちゅうな」ため、どうしても普通クラスのようには進ませることができないのが現状です。
デメリット2・友達作りが難しい
これは本当に「その時の構成員」次第なので、運に尽きるのですが。
「知的障害支援クラス」の子たちは比較的友達関係ができやすく、「情緒障害支援クラス」の子たちは難しいことが多いかな…と思います。
緘黙だったり発語が少ないこともある「知的障害支援クラス」は、どちらかと言うと「先生と児童との相性」の方が重要で、クラス構成員とはそこそこな関係。
対して感情のコントロールが難しい「情緒障害支援クラス」は失言・暴言・手が出やすいなど、人間関係を円滑にする上で大切な要素がごちゃまぜ。
そのため一部盛り上がったりして仲良くやっていそうに見えて、ある日の失言で他害行為が発生したり、いきなり不登校、ということが多々あります。
普通クラスの子たちは、息子の失言をスルーしたり、たしなめたり、誰かが仲裁に入ったりして、大きな問題になる前に子供同士で何とか丸く収めたりする場合もありますが。
お互いに情緒問題のある子の集合体である「情緒障害支援クラス」では、これが難しいので…。「友達のように見えることもあるけど、そうじゃない」関係のままで終わることの方が多いような気がします。
たまたま一緒になった子が「非常にウマが合って」友達になる、ということもあるから、一概には言えないんだけどね。
ちなみに支援クラスの親御さん同士も、上記と同等な関係になったりします。
知的障害支援クラスの親御さんたちは、お互いの子の小さな成長度を褒め合うような微笑ましい会話をしているのをよく見かけますが。
情緒障害支援クラスの親御さん同士は、そういった光景はあまり見られませんね。
とにかく子ども対処が日々大変なので、そもそも参観日に来ない(来たくない)、自分の子にイライラしているので他人と会話する余裕もない、他の子の言動で自分の子が余計落ち着かないと腹を立てているなど、親御さん自身の感情も不安定なため、親御さん同士で仲良く会話することは少ないように見えます。
デメリット3・社会性を培う機会が少ない
小中学校は勉学と「子供に社会性を培わせる」場所だと私は思っています。
人間は社会的動物です。誰一人、自分以外の他人と関わらずには生きていけません。
とても難解だけど、生きていく上で非常に重要なもの。それが「社会性」です。
発達障害児はその特性ゆえに、この「社会性」を培うことが難しい。
集団の中で生きていくのが大変な発達障害児。だからこそ、集団の中で社会性を学ぶことが彼らにとっては必要なのです。
普通クラスには様々な子どもたちがいます。
定型発達児だけではなく、支援クラスに入らない「知的障害、情緒障害、身体障害」等の子がいることもありますし、グレーゾーンの子、施設から通っている子、病気のために年上だけど同じ学年、という子もいたりします。
様々な子たちの中で、傷ついたり悩んだり助けられたりしながら、子ども達はそのココロを成長させていきます。
支援クラスはサポートがあり、似たような子たちと共に8割の学校生活を過ごしますが、他の子たちと過ごす2割では、その「訓練時間」が圧倒的に少なくなります。
サポートがあり、ストレスも普通クラスよりずっと少ない。けれどココロの成長訓練の時間があまりに少ない。…難しいところです。
喧嘩したり手助けしたり。傷ついたり失敗したりもまた、成長には必要な要素。
デメリット4・テストで好結果を出しにくい
知的障害支援クラスには、支援クラスのテストが存在するので、このデメリットは情緒障害支援クラスのみのお話です。
情緒障害支援クラスに在籍する場合、知的な遅れがないことが前提なので、基本的には普通クラスと同じテストを受けることになります。
普通クラスの机で受けられない子は別室で受けることができるような加配があったりしますが、テスト内容は普通クラスと一緒。
前述した通り、授業の進度が遅いことが多いため、ひどい場合はテスト範囲をまだやっていないのに受けたりすることも…。
息子はそんな場合、「スマイルゼミ」や「月刊ポピー」などを使って家庭学習でとりあえず軽くやってから、挑んでいました。
中学校に入ってからは、「月刊ポピー」を「スタディサプリ」に変更して自主学習。
学校で作成される「学期末テスト」や「中間テスト」は、大抵「ここが出る!プリント」などが先生から配られたり、「ここテストに出すよ!」と口頭で伝えられたりしていることが多いので、そこをきちんとやっていれば高得点が期待できますが。
そういったプリントや情報がないため、一発勝負!なわけで。
当たり前ですが、順位も得点も普通クラスの子に負けやすい条件が揃ってしまいます。
中学校に入ると、これらが通信簿や内申点に係わってくるので、本当に残念な思い。
学力テストなど、学校外のテスト(都道府県内や全国テストなど)だと、それが関係ないので良いのですが。
これらのテストは内申点や通信簿に反映されるわけじゃない。あくまで「自分の現在の学力を客観視」するためのものだから、こっちの方が結果が良くても、なんか悔しい気持ちになるんだよね…。
デメリット5・進学先によっては…
小学校の支援クラス在籍はあまり関係ないのですが、中学生となるとなかなか難しくなります。公言されてはいないけれど、高校によっては「支援級の子ははじく」気風が存在するからです。
絶対にあってはいけない差別的処置ですが、現実は割とあるわけです。
もっとも、支援クラス在籍であっても偏差値70越えだったり、大会記録保持者だったり、英検準1級だったり、何かしら飛び抜けてる子はこの範囲ではありません。たとえ支援クラス在籍であっても推薦合格でしょう。
しかし、内申点のなかなか取れない多くの情緒障害支援クラスの子は「内申点XX点以上」が取れないため、そもそも一部の高校を受験することすらできない…ということもあります。
そして普通高校は「大学進学」を前提としている場合が多いので、手間のかかる子たちと分かっていて入学させると、他の子たちの勉強に差し障りが出て、「難関大学合格者率が下がってしまうのでは…」というのが本音のようですね。
オーマイガッ!!
もちろん受け入れ態勢の整っている高校もあります。こればかりは先生や地元の人の話などから推測して判断していくしかないかもしれません。
我が家の息子も中学3年生。他人事ではないので、ホント、胃が痛む毎日です…。
まとめ
今回は特別支援級在籍の「デメリット」についてお伝えしました。
次回は「交流級」「通級」についてのメリット・デメリットをお伝えしたいと思います。
普通級であっても支援級であっても、メリット・デメリットは同じくらい存在します。子供の現時点での状況やココロの状態をつぶさに見守りながら、「今はこれが適切かな?」というクラスを選択できたらいいですね。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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