こんにちは。ココです。
注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子の行動と会話から何かのヒントを綴っていく当ブログへようこそ。
今日は、意外と後回しな発達障害児の「お金教育」について。
小学校でのお金教育、始まっています
このところ、小学校でも「お金」の教育を特別授業として取り入れるところも増えているようですね。銀行の方を呼んで講演してもらったり、生活アドバイザーを呼んで将来のライフ計画を立てさせてみたり。
受験に直結しないので親御さんの反応は今ひとつなようですが、私的には小学生のうちからお金について学ぶ機会があることは、非常に素晴らしいことだと思っています。
息子の小学校では結局卒業するまでそのような機会に恵まれなかったのですが、是非とも企画して欲しい教育のひとつですね。
中学校では投資や仮想通貨などの特別講座を設けるところもあるようです。賛否両論ではありますが、これからの社会を生き抜いていくために必要な予備知識ではないのかな、と個人的には思っています。
発達障害児にとって怖い「課金」「ゲーム依存」問題
息子のように知能の遅れがない発達障害の子の場合、基本的に将来国から保護されることはほぼありません。
ですがコミニュケーションや社会性に問題がある彼らの場合、仕事に就いて自分の給料で生活していけるのか…。
可能性低過ぎ…。アルバイトさえ怪しいよね…。
また過度に執着心がある自閉症スペクトラムの場合はゲーム・ネット依存、パチンコなどのギャンブル依存になる確率はとても高いと言われています。
「依存」そのものは非常に恐いですが、事前知識として子供の頃から「お金は天から降ってくるわけではない」ことを教えていくことは、代償として高額なお金を払わなければならない賭け事やネットゲームの課金などのリスクを考えさせることにつながります。
金銭感覚は「持って生まれた才能」?
さて、ここで個人的な話。「手元のお金を」「計画的に」使うことは、かなり難しいことだったのだな、と私は結婚してから痛切に感じています。
実は私の旦那さんは「金銭感覚未発達」の人。
婚約した時、彼に借金があることが分かり、私がボーナスを使って完済したのですが。
結婚した後もポロポロ少額の借金があちこちから出てきていました。
彼のご両親に頂いた結納金も、私の退職金も定期預金もその都度支払いに当てて、何年かでやっと全てのローンを完済。
この間、泣いたりわめいたり壮絶なバトル?!を繰り返しました。いやあ、若かったなあ…。
でも結婚してずっと一緒に暮らしていくには、絶対に乗り越えなければならない問題だと思ったから頑張ったよ!パパは「男としてのプライドがバッキンバッキン折れまくりだったけど、終わってみたらこれって二人が家族になるために必要なケンカだったんだな、と思った」って言ってたよ。
この1件で彼自身が「自分には金銭感覚はない」とハッキリ自覚したそうです。
それから我が家では給料やら全ての「お金」は私が一括管理するシステムになりました。
彼を見ていると、どうも「金銭感覚」というのは持って生まれた才能みたいなものなんじゃないかと思えてきます。立派なオヤジになったパパは、未だに管理能力磨かれていないですからね…。
発達障害児は中途半端過ぎて情報がない
そんなわけで、お金教育の重要性を痛感していた私。
息子が「みんなはこのくらいのお小遣いもらっているんだって」という話を持ち出してきたある日、私は「そろそろ息子にもお小遣いを通して、お金の教育をしていこうかな」と思い始めました。(当時息子は小学校中学年でした)
しかし、最初の「規定」が息子の金銭感覚の土台を作ることになります。お小遣いも、ちゃんと私の中で基本的な考えをまとめてから始めないと。
発達障害児の一度刷り込まれた「規定や概念」は、書き換えることが非常に困難。ここは慎重に検討しなければなりません。
そこで私は発達障害児のお金教育に関する資料を色々探してみたのですが、「発達障害児の金銭感覚は身に付きにくい」という情報のみで、なかなか具体的な施策がありませんでした。
定形発達の子ども達向け、知的障害児向けのはあるんですけどね。
定形発達ほど先の見通しが持てないし、かといって知的障害児用は「後見人制度」などの情報ばかり。
「発達障害」、この中途半端さ。
うーん…。悩みましたねー。この「お小遣い制度」に対する私の考え方ややり方を固めるのに、4ヶ月ほどかかりました。
でもお金は一生関わらなくてはいけず、なおかつ、いつかは自分で管理していかなくてはなりません。私達親が天国に行ったあとも…。
これは時間をかけてもしっかりと考察しなくては…。
定額制 VS. 報酬制
まず最初に私が迷ったのは、「定額お小遣い制度」にするか、「報酬制お小遣い制度」にするか、です。
「定額お小遣い制度」は、月に500円、週に100円など、何もしなくても決まった周期で一定の額が貰える制度です。
大抵の子供はこの制度だと思います。私もそうでした。
この制度のメリットは、「一定期間で一定の額を計画的に使う」スキルを学習すること。
初めてこの制度を始めるにあたり、お金とお小遣い帳を渡してあげるのが一般的なようです。
私も同じように、可愛いお小遣い帳をお金と一緒に渡されました。
一気に大人になったようで、とても嬉しかったですね。あの時のお小遣い帳の柄を今でも鮮明に覚えています。
対して「報酬制お小遣い制度」は、何かお手伝いをしたり決められた目標をクリアした時(習い事で進級した、テストで100点を取った、など)にのみ、発生します。
この場合、何かアクションがない限り全く手元にお小遣いが入ってきません。
しかし、「貯めたい」意思がある場合は、じゃんじゃん行動を起こしてどんどん増やせるチャンスがあります。
この制度のメリットは、「労働(あるいは目標クリア)をすることで対価が支払われる」という資本主義の基本概念を、経験を通して学習することです。
あれこれ情報を集め、それぞれを支持する方の意見を読んで、結果私なりに選んだのは「報酬制お小遣い制度」でした。
まとめ
「一定期間で一定の額を計画的に使う」スキルが培われる「定額お小遣い制度」は、多分息子にはまだハードルが高すぎるだろう、と考えたからです。
「目先の」音や映像、文字に気をとられて授業に集中できないADHDにとって、「少し先の未来を予想して」「計画的に」手元のお金を分割させて使うのは(100円は消しゴム、200円はガチャガチャ…など)、かなり難易度が高いです。
それに「労働の対価として支払われる」という概念を身をもって体感して欲しいな、と強く思ったこともありました。
自分が労働を経験することで、学校で清掃してくれる人や働いている親、その他たくさんの人たちの働きがあって生活していけるという感謝。その中で自分も微力ながら参加している、という誇りたい気持ち。
このような感情は、自己以外の視点を持つことが難しい発達障害児にとって獲得しにくいものです。こればかりは諭すことより「体験」で会得するしかないのかもしれません。
息子くん、できるかな~??
さて、次回はいよいよ息子の「お小遣い制度」が始まります。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。