こんにちは。ココです。
注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子の行動と会話から何かのヒントを綴っていく当ブログへようこそ。
今回は前回ご紹介した「フラッシュカード」の続きのお話だよ。前回の記事はこちら!
あれだけ心引かれたフラッシュカード。それなのになぜ息子に試さなかったのか、というお話です。
フラッシュカードの意義が見い出せない…
結婚後10年間妊娠できなかった私。それだけ長い間夫婦のみの生活をしていると、無駄に胎教や幼児教育に詳しくなってきます(笑)。
そんな私が、息子が発達障害と分かる前から知っていた「フラッシュカード」。
発達障害児の救世主の如く、あちこちの障害児向け教育システムのパンフレットやネットなどで奨励されているこのフラッシュカードですが。
何十万円もする入会金を払っちゃうギリギリまで悩んだのに、なぜ息子にやらせなかったのか。
その理由は「機械的に大量の情報を記憶させる詰め込み式の知識に、意義を見つけられなかった」からでした。
国旗って全部覚える必要があるの?
迷い始めは単純でした。
フラッシュカードの様々なジャンルの中に「国旗カード集」というのを見たときに、 「国旗って、主要国だけ分かればいいんじゃない?」とふと思ったのです。
2022年3月現在で251の国旗があります。
細かな国まで覚えても、息子が高校生になる頃にはその国がなくなっていたりするかもしれない。独立したり、統合したり。世界はこれからもっと大きく変わっていくでしょう。
それなら何も今、覚えなくてもいいんじゃない?元素記号や年号なら変わらないからいいかもしれないけどさー。
それに日本語や数の概念もまだ蓄積中なのに(こうして悩んだ頃は小学1年生でした)、英単語とか公式とか、それより上の段階の元素記号まで今覚える必要ってある?
そんな風に、ふと疑問がよぎったのです。
単語の裏には「理由」が欲しい…!
どんどん新しい辞典を脳にインストールしていって口から次々と条件反射のように出てくるようになれば、もしかしたら大きくなった時に有利になることがあるかもしれません。
記憶力を駆使する分野のテストの時、受験の時。
でも息子は「この答えが知りたい」数学系ではなく、「なぜこうなるのか、理由が知りたい」理科系のようです。
彼は幼い時からやたらと理由や意味を聞いてくる子だったので「なんの事前知識もなく、詰め込み式で蓄積させていく記憶法」は息子には無理があるかな、と思ったのです。
例えば動物シリーズでライオン、キリン、うさぎ…と続くカードを見ていたとしましょう。
3枚目当たりで「動物園なの?みんなで何するの?うさぎさんはライオンに食べられないの?大丈夫なの?」
こんな風に、とにかくそのカードの絵の背景にある話が気になって、質問攻めになるのが目に見えていました。これが1枚1枚カードをめくるごとに…。
これでは0.5秒の高速で次々とカードをめくらなければならないフラッシュカードの、そもそもの意味がなくなりますよね…。
子どもにとってパパ・ママは神様!
子供の「どうして?」に答えるとき、私達は一生懸命答えを探します。本やネットで正確な解答を調べたり、例え話や空想のお話で納得させたり。
そんなやりとりって、正直煩わしいです。ですが親子にとっては大切な時間だったんだな、って今は思います。
質問を通して、子供ときちんと向き合う時間。そこで「こうなって欲しい」と思う事や「知っていて欲しい」と思う話も盛り込めます。
生の声でするお話は、本やテレビとはまた違った知識のひとつになります。
あの頃は次々に出てくる質問に毎回答えるのがイライラして、「わかんないよ!」って吐き捨ててしまう日もあったけど…。
今思えば、とても大事な時間だったんだな、って気付かされます。
その頃の子供にとって、パパやママは「世界中の誰よりも信頼できる情報機関」なんですものね。子供にとっての「神様」みたいな存在です。
すごいですよねー、私が「神様」だったなんて…!!
まとめ
今後受験生になるあたりになって「やっぱりあの時、フラッシュカードをやらせておけば…」と、悔やむことも出てくるかもしれません。
でもまあ、今は自分の判断で間違いはなかったかな、と思います。
図鑑を読みながら「調べて知る、ということが楽しい」。
そんな顔で自慢げに「ママ、知ってる?マクロファージってね…」と説明し出す息子。
そんな顔を時々見られるなら、それでいいよ。
日々の癇癪に鍛え上げられた精神は、こうして小さな平穏を見つけられるようになりました。
かなりの振り幅で私の心を揺り動かしたフラッシュカード。
視覚優位な子には効果があるかもしれませんが、息子のように言語優位な子には、あまり効果はないかもなー。
そう感じたことを書いてみました。
「うちの子ってもしかして天才児?!」の夢は消えましたけどね…。
本日も最後までお読みいただいてありがとうございました。