こんにちは。ココです。
注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子の行動と会話から何かのヒントを綴っていく当ブログへようこそ。
今回は非常に辛い話。書いている今も胸が詰まります…。
自分の首を絞め続ける
さて、自分の頭を拳で叩き続けるという自傷行為が現れ始めてから、しばらくしたある日。
息子が友達とふざけあっていた時、その子を誤って転ばせてしまい、相手が血を出してしまったことがありました。
出血したことで友達が泣いてしまったのを見た息子は、次の瞬間いきなり自分の首を両手で絞めたのだそうです。
周りにいたクラスメイトがびっくりして「やめなよー!!」と数人で息子の手を引っ張るものの、ギリギリと首を絞め続けるので、慌てて先生を呼んで止めてもらったとのこと。
これには担任の先生もお友達も、ショッキング過ぎて暫し騒然となったそうです。この話を放課後に聞いたときには、私もショックで頭が一瞬飛んでしまいました。
しかし数時間後には、その行為を目前で見ることになったのです。
どうしていいのか分からない…
学校から帰り、お喋りしながら気持ちが落ち着いていた時間に。私はどうして首を絞めるなんてことをしたのか、ということを息子に聞いてみました。すると息子はいきなり、
「…うわあーっっ!!!」と叫び、両手で自分の首をぐぐぐぐっ!と絞め始めたのです。
「やめなさいっ!何してんのっ!」
衝撃過ぎて一瞬思考が止まってしまいましたが、慌てて息子の両手を引っ張りました。
しかし、なかなかに強くてほどけません。
2年生と言えども、パニックになってしまうと大人でもびっくりするほどの強い力が出るようです。
「火事場の馬鹿力」なんて言うけど、こんな小さい身体のどこにそんな力があるのか、と思うほどだったよ。それほど息子くんの頭の中は混乱していたんだね。
顔を真っ赤にして自分の首を絞め続ける息子。小学2年生ですよ?まだ8歳です。
そんな子供が、親の目の前で自分の首を絞めているんです。
わかりますか?この何とも言えない感情が…。
私は泣き叫びながらギリギリと力づくで息子の両手を引き剥がし、「何でこんなことするの…っっ!」
と柔らかな頬を平手打ちしてしまいました。2度も、3度も…。
正気に戻さなきゃ、息子がどこか遠くに行っちゃう…!!そんな気持ちに駆られて必死だったのだと思います。
そして、うわあっ…と責を切ったように床に突っ伏して泣き続けました。
息子も「うわーん、うわーん!」と泣いていました。
もう、何が何だかわかりませんでした。
こうやって書いている今も締め付けられるように苦しくて、ボロボロ涙がこぼれてきます。
封印したかった記憶
あの、途方もない無力感…。
(コンサータを飲んで)良くなったと思ってきたのに。このやり方なら、こう促したなら、こんな用具を使ったら…。
様々な方法を毎晩考えて、手を変え品を変え、息子を補助してきたつもりだったのに。
「どんなことをやっても、何の意味もないよ。だって一生治らない障害なんだから」
以前言われた、誰かの心無い言葉が頭の中でリフレインします。
意味なかったの?私のしてきたことって、何の意味もなかったの?
意味がないどころか。
自分の首を絞めるなんて行為に走らせるまで、息子を頑張らせてしまっていた、ってことなの?
そうなの?これは全部、私が招いた結果なの…?
こんな思いがどんどん溢れてきて、夕暮れの部屋の中、息子と二人で泣き続けました。
涙も、言葉も。溢れては落ち、溢れては落ち…。
その後どうしたのか、もう覚えていません。ご飯を食べたのか、泣きながら寝てしまったのか…。
あの怒涛のような思いは、きっとずっと忘れられません。
しかし。この「首を絞める」という自傷行為は、この後も頻繁に見る事になっていったのです。
まとめ
もうこれは4年も前の出来事です。私にとっても息子にとっても強烈で、きっとずっと抱えていく苦い記憶となっていくことでしょう。
どんなに発達障害の知識があっても、どんなに平静さを保ちたいと願っていても。自分の子どもとなると、そんな知識や理性は濁流に吞み込まれたように、こんな風にめちゃくちゃになってしまうものなのだと。そう痛感しました。
本当は封印したまま静かに眠らせておきたかった記憶ですが、私達のこの弱さと無力感を開示することで、「私だけがみんなのように理性的に対処できない」「わかっているのに途方もない気持ちに押し潰される」。
そんなことを考えてうなだれる誰かに「大丈夫。あなただけじゃないよ」という気持ちを感じていただけたら…。
それでも僕はママと一緒に生きていきたい!僕は自傷行為のあと、いつもそう言ってママに抱きついていたよ。
自傷行為は「自傷行為に走ってしまうほど辛い」から起こるものなんだ。だから、何も言わずに抱きしめてほしい。ただ、ずっと抱っこしていて欲しい。それだけでいいからね!そうしたら、いつかきっと、やらなくなる日が来る!半年先か10年先か分からないけど、絶対、やらなくなる日が来るよ!待っててね!
この子たちに「いま」必要なのは、社会の変化を期待して声高らかに戦うことでもなく。学校や行政の対策に翻弄されながら苦言を言い続けることでもなく。
その手で抱きしめてあげる。3分と言わず、10分だけと言わず、本人の心が安定を保つまで。何時間でも、この両手に抱えてあげる。それだけでいいのだな。
そう強く感じた息子の言葉でした。
本日も最後までお読みいただいてありがとうございました。