こんにちは。ココです。
注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子の行動と会話から何かのヒントを綴っていく当ブログへようこそ。
今日は早期幼児教育で有名な「フラッシュカード」について。
「フラッシュカード」とは
「フラッシュカード」とは、脳障害児研究の権威・グレン・ドーマン博士が考案したカードを参考に開発されたものです。
今では幼児の早期天才教育の手法として名を馳せているドーマンメゾットですが、ドーマン博士は脳障害児の教育が本来の活動だったようです。
ここで言われている脳障害児とは、自閉症・発達障害・学習障害・精神発達遅滞・脳性まひ・ダウン症などとても幅広いので、多種多様な障害児への効果はあるんだな、と感じさせられます。
このドーマンメゾットで使われるのは、点が数個描かれた「ドッツカード」や、絵や文字が書かれた「フラッシュカード」などのカードです。
そしてその教育方法とは、およそ0.5秒の高速タイムで、次々と乗り物や虫の写真、ひらがなの「あ」や漢字などの文字が書かれたカードを子供の目の前でめくっていき、大量の情報を短時間で脳にインプットしていく、というもの。
この教育法を参考にして、今では色々な企業がフラッシュカードを販売しているようです。
様々なジャンルを覚えることができる
フラッシュカードは幼児教育の分野にとどまらず、アルファベットの「A」や「water」などの英単語、都道府県名の「東京都」、百科事典の内容や元素記号・年号など、「記憶力を駆使する分野」において中高生の受験対策としてのカードも市販されているようです。
年号や元素記号など記憶力がモノを言うジャンルが全然振るわなかった私が、このカードをもしやっていたとしたら…。
今頃ハーバード大学卒!という華々しい経歴を読者の皆様にご披露できていたかもしれない…!
…さっ、空想物語はさておき。次いってみよーっ!
このドーマン博士の研究所では、脳障害児向けにドッツカードやフラッシュカードを使ったカリキュラムがあるようですが、日本でも類似した幼児教室や知的・発達障害児の教室も多々ありますね。
フラッシュカードの仕組み
さてこのフラッシュカードは、右脳を活性化させて「映像を記憶するように膨大な情報を覚えさせる」という仕組みですが、発達障害・知的障害の子供たちは、見たものを覚える「視覚優位」の子の割合がとても大きいです。
記憶力がずば抜けている発達障害児も多いので、このフラッシュカードを試した時に驚くほどの高得点を叩き出し、「うちの子って実は天才なの?!」と衝撃を覚える親御さんもかなりの数いるようです。
知的・発達障害で思い悩む親がその教室の扉を叩いた時、面談でいきなり子供にフラッシュカードをやらされる、といった話もよく聞きますね。
一般的な子供でも大人よりは視覚記憶が高いものですが、「知識的な」ことに興味もなく「知識的な言葉」も喋らなかった子供が、フラッシュカードをやらされて突然「お勉強単語」を次々喋ったら、そりゃあ親は椅子から飛び上がりますよ。
しかも「お母さん!この子は天才ですよ!」なんて言われちゃったら…。
よしっ、即入会!12回払いで!!
…ってなるよねー…。
これで「障害児」のレッテルが消える…?
私もそういった本や研究所のお話を聞いた時は、もう神様に出会っちゃった!ような衝撃でした。
「これだ!これで息子は障害っていうレッテルから引け目を感じずに生きられる!私が親としてやってあげられることはこれなんだ!」
そう意気込んで、18万円だか30万円だかするカリキュラムに申し込もうとしていた時期がありました。
苦悩と戦いと嘆きの毎日を送る私たち障害児の親なら誰でも、「この本に出てきた子のように天才にはなれないかもしれないけれど、我が子だって障害の名札を付けて学校へ行くことなく、普通に生活ができる子供になれるかもしれない…!」
そう思ったら借金してでも入会しよう!と思うに違いありません。
そう考えると「知的・発達障害児を健常児に近づけるためのプログラム」は近年になって急成長してきたビジネスの分野なのかもしれませんね。
しかし彼ら発達障害の脳機能の観点からよく考えてみれば、「視覚優位」な知的・発達障害児にとって、なんの意味もなくパッパッと目の前に繰り出されるものを読み上げるのは、「それは何か。どんな場所で使うのか」と考えることもないので、するっと簡単に言葉が出てくるのは極めて当然のことなんじゃないのかな、と思いました。
「言葉の意味」が分からずに覚えても…
知的・発達障害の子供たちを見ていると「なぜ今やらなければならないのか」という理由を考えるとか、文章問題で「何を問われているのか」を考えることが苦手だという子は多いです。
それらを考慮すると、目の前で繰り出される何の意味もない「単語」を次々挙げていくことは、この子たちにとってはそれほど困難なことではないのかもしれません。
もちろんフラッシュカード自体は、意味のない事柄を覚える方法の一つとして十分試す価値はあると思います。
私達だって歴史の年号の語呂合わせとか、元素記号の歌なんかで必死に覚えたことはありますものね。
まとめ
そう考えると「記憶するテクニック」として活用する、という意味ではフラッシュカードも有りかもしれません。
教科の中には意味が分からずとも「丸暗記」しなければならない分野も出てきますからね。(国名とかアルファベット、歴史上の人物の名前などでしょうか)
むろん息子の小学校でもフラッシュカードをやっていた子はいて、知的障害学級に在籍しながら頑張って授業についていってる子はいました。その子にとっては非常に「ラクな」勉強サポート用品だったようです。
その子その子でピッタリくる勉強方法は違うからねー。「意味が分からなくても」とにかく記憶する!形式の方がスムーズに勉強を進められる子は確かにいるよ!僕たちは「自分に合った」勉強法がどうしても分からないことが多いから、丁寧に勉強している様子を見てほしいな。「最適な」勉強法を一緒に模索すること、それがパパとママにお願いしたいことだよ!
しかし、息子は結局フラッシュカードを試すことはありませんでした。
次回は、息子がなぜフラッシュカードをやらなかったかということを書いていきたいと思います。
本日も最後までお読みいただいてありがとうございました。