こんにちは。ココです。
注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子の行動と会話から何かのヒントを綴っていく当ブログへようこそ。
お子さんには得意教科ってありますか?「得意教科がある」。これって結構大切です。
理系は「数学系」と「理科系」でちょっと違う
大抵の子供たちは、5教科プラス図工、音楽、体育 のどれかは得意、または「好き」というものがあるかと思います。
私達夫婦は共に文系だったため、当時理系の息子はあまり理解できませんでした。
理系というと数学も理科もひっくるめて「理系」じゃない??という感じですが、理系の先生に言わせると「数学系」「理科系」は全然別モノ、なのだそうです。
数学系は物事を突き詰めて「正解」を知りたい。
理科系はそれって「どうして」そうなるんだろう?という「理由」が知りたい。のだそうです。
なるほどね!僕は事象の「原因」や「きっかけ」「仮説」を紐解いていくのが好きなんだ!数年経つと全然別の仮説が出てきたりして、面白いよ!だから本も「発行年月日」をみて、その時代の背景があってこんな仮説が出てきたんだな…なんて考えを巡らせるのも楽しいんだ!
発行年月日が古いと、仮説も「今ではあり得ない仮説」が熱弁されていて逆に笑える本になる!んだって。そんな楽しみ方?もあるんだねー。
得意教科は心を守るバリアになる
ところで私が子供だった頃は癇癪をよく起こす子、ぶつぶつ独り言が多い子、約束でも宿題でも何でも忘れる子など、個性的な子がまわりに結構いました。
あの子達はもしかしたら発達障害だったのかもしれないなー、と今になって思うのですが。
そんな子たちも、それぞれ「得意な科目」というものがありました。
何かのコンクールで金賞をとる、というほどではないにしても、日々学校生活を共にしているうちに、「XXちゃんは水彩画はだめだけど、クーピーの絵はすごく上手」
「XXくんは計算すごく遅いのに図形問題は得意で、丁寧に分かりやすく教えてくれる」
「リコーダーも鍵盤ハーモニカもダメなのに、とても高いソプラノの声の持ち主」。
そんな風にみんな得意なものが何かしらあるのだ、ということを垣間見る機会がありました。
そしてそんな得意なものをやっているときの彼らの顔は、キラキラとして自信に溢れていました。普段その子達をバカにしたりしている子も、彼らの得意教科の間だけは、黙って見ていたものです。
人は、他人に何かを評価されると自信を持ちます。
それが自尊心となり、その人の内面から輝く光となり、中傷的な言葉の攻撃から身を守る楯になります。
とかく標的にされやすい発達障害の子供たち。
得意なもの、好きで集中できるものを見つけてそれを伸ばしてあげることは、近い将来彼らの身を守るバリアになり得ます。
担任の先生にも話しておく
心を守るバリアは、この時代は特に大切なことになりますね。ですからもしお子さんの好きなジャンルを見つけたら、とにかく触れさせてあげて下さい。
関連本を見せる、テレビを録画しておく。関連施設につれていく、担任の先生に子どもの得意なこと、興味のあることを話しておく。
私が経験してきた中では担任の先生に話しておく、というのはとても効果があることのように思います。
息子は低学年時から理科系の知識が豊富だったので、先生にそのことを話しておいたんですね。で、理科系の質問とかあったら投げかけてみてください、とお願いしておきました。
自己否定感の強い子だったので、先生やお友達にちょっと褒められたりする機会を作って欲しいと先生にお話すると、先生は折に触れてそれを実践してくれました。
例えば国語の読み取り問題で昆虫が出てくれば「息子くん。普段よく見る昆虫は何かな?バッタとか蜘蛛とか…。あとは?」
蜘蛛は昆虫じゃないです。節足動物です。
先生「昨日の夜は星が綺麗だったね、息子くん」
お友達「うん、キラキラ光ってた!」
キラキラまたたかない星もあるよ。惑星は光ってるだけでまたたかないんだ。
恒星は光量が少ないので、大気の揺れの影響を受けて光が屈折するため瞬きます。対して惑星は太陽光を面で受け、その光を反射しているため光量が多く、大気の揺れに影響されずに地球に光が届くため、瞬かないのです。
さかなクンのようにその道に秀でた一人にならなくてもいいんです。
興味のある分野があれば、おのずとそのジャンルの勉強は褒められるたびに嬉々として意欲的に頑張ります。
周りの子たちも「息子くんは、これがすごく得意!」と認めてくれます。そしてそれ系の勉強は、息子を頼って周りに集まったりもするそうです。
時々昇降口で担任の先生と「息子の最近あった困った話」を話していると、クラスの女の子がそばに来て、
「でも息子くんは理科が得意なんだよね。なんでも知ってるよ」と教えてくれました。
要するに、「息子くんはそんなバカにしたもんじゃないよ?」と言外で私達に教えてくれているのです。
まとめ
自己肯定感が低くなってしまいがちな発達障害の子たちにとって、誰かに「認めてもらえる」ジャンルがあることは、学年が進むにつれて自分を誇る自尊心にも、心無い子の攻撃から守る防御にもなります。
それで大学にいけなくとも、100点がとれなくとも。
自分を守ったり誇ったりするジャンルがあることは、彼らにとって特別な強みになるのではないのでしょうか。
「僕はなんにもできない!」そう言わせないために。
得意そうなこと、好きなこと。そんなジャンルを見つけたら、勉強からはかけ離れていたとしても、触れる機会を多く作ってあげる。
それが私達親が今すぐできる、簡単で重要な「支援」のひとつであると思います。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。