発達障害だって、頑張るもん!

発達障害だって、頑張るもん!

注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子を持つママ・ココです。子どもを通して学んだ発達障害児への対応、工夫、その他色々な情報をたくさんの人と共有できたらいいな、と思っています。

 

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【多動で自閉症の僕のきもち】 元に戻りたい…。

顔を覆って泣いている少女

 

こんにちは。ココです。

注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子の行動と会話から何かのヒントを綴っていく当ブログへようこそ。

 

今回はあまり発することのなかった、息子の気持ちにフォーカス。

小学校低学年、特に発達障害の子どもはそれほど色々考えを巡らせないだろうと大人たちは思いがちですが、こんな風に胸が押し潰されそうな感情をずっと抱えていることもあります。

 

● 僕の気持ち、知ってほしい…。僕たちは大人が思っているよりずっと「本当はやりたいのにどうしても多動になってしまう」身体と頭に、とても混乱しているんだよ。

 

 

「自分の気持ち」が分からない

 

頻繁ではないですが転勤族である我が家。息子は生まれてから3回、引っ越しをしています。

赤ちゃんの時の引っ越しは本人には何ら問題ないのですが、幼稚園時代の引っ越しから、息子は徐々に変わっていきました。

 

それまではおっとりとしていて表情も話し言葉も柔らかく、大人にはよく「癒し系だよねー」と言われていました。

それが転勤して環境が変わり、色々なことに不器用さが表れ始めてくると、息子の口数は段々と減っていきました。

 

眼鏡をかけた男の子のアイコン





上手くできないことを友達や先生に毎日毎日指摘されて、自信がどんどんなくなっていっちゃったからなんだ…。

 

幼稚園であったことを毎日楽しそうにお喋りしていたのに、少しずつその日の出来事を喋らなくなり、「今日は何をしたの?」「楽しかった?」という問いかけに無言になったり、「…分かんない」という反応しか返って来なくなりました。

 

そんな言い方を私は「ちゃんと言わなきゃわかんないよ?」とイライラしながら聞いていたものですが。

 

考える女性のアイコン





ある日私はふと「息子は本当に、自分の気持ちが分からないのではないか?」と思うようになりました。

 

語彙が多くても「使えない」

 

お出かけが大好きなので、計画を立ててわざわざあちこち連れて行っても「楽しかった!」という言葉は一言も聞いたことがなく、自分の思い通りにならないことに癇癪ばかり起こして親たちは楽しさよりも疲労が残るばかりの休日…。

 

楽しい、嬉しい、気持ちいい。美味しい、わくわくする、面白い。

そんな「気持ちを表す言葉」(プラスの言葉)を殆ど使わない息子。

知能検査結果(WISC)の結果では言語理解の数値がとても高く、語彙も年齢以上に豊富な息子が、なぜ自分の気持ちを口に出して表現することを惜しむのか…。

 

そう思っていつも苛立っていた私ですが「頭の中の語彙が豊富である」ことと、「その語彙を使って自分の気持ちを伝える」ことは全く別の能力なのかな、と考えるようになりました。

 

うさぎのアイコン





「自分の気持ちを伝える力」というのは「自分の気持ちを分析する力」なんだね!

 

「自分の気持ちが整理しきれないために」癇癪を起こすので、息子のような「癇癪を起こす」タイプの発達障害の子たちが自分の気持ちを伝える力を培うには、相当な時間をかけないと難しいのかもしれませんね。現在中学生になった息子ですが、未だに気持ちを表現できる時は稀です。

数年、なんてものじゃなく、10年スパンで待つ分野かもしれません。

 

元に戻りたい

 

そんなある日、何かの行事で願い事を短冊に書く、というものがありました。

 

息子は後日持ち帰ってきた短冊を「短冊燃やすと願い事叶うって、前にママが言ってたでしょ?だから今度キャンプに行った時に燃やすんだ」と言って、短冊を机の脇に置きました。

その短冊には、こう書いてありました。

 

「元にもどりますように」

 

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8歳の頃書きました。

 

「元に戻りたい」。「元に」とはADHDをサポートする薬、コンサータを服用していた時のこと。様々な音や刺激に振り回されることもなく授業に集中でき、気持ちも穏やかで友達との交流を楽しめるようになった時代。

周りからも「やればできる男!」と称賛され、ずっと蓄積させ続けた自己否定感がどんどん削ぎ落されていたあの頃。

 

息子はそんな自信を取り戻せたあの日々を、ずっと心の片隅でお守りのように抱きしめていたのです。

 

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この文字を読んだときは、何も言葉が出ませんでしたね。

「サッカー選手になりたい」「新しいゲームがもらえますように」「アイドルに会う!」

 

うさぎのアイコン





みんな夢や欲しいものを子供らしく書いている中、息子くんはどんな気持ちでこの短冊を書いていたんだろうね…。

 

まとめ

 

夢を叶えるよりも、欲しいものを手に入れるよりも。

8歳の子供が何よりも渇望している望みが「集中力があった、あの頃の自分を取り戻すこと」だなんて…。

 

秋のキャンプ場で、太陽が落ちて一番星が一層輝くころ。

短冊を親子3人で燃やしました。

 

3人共、黙って燃えていく短冊を見つめていました。

天の川が、今までにないほど果てしなく、遠く感じられた夜でした。

 

子どもは大人が思っているよりずっと多くの感情をその肌に感じています。表現できないだけ。うまく伝えられないだけ。

発達障害の子どもだからと言って、何も考えていないわけではないのです。

 

どうかその事を、一人でも多くの人が心に留めてくれるように。そう願ってやみません。

本日も最後までお読みいただいてありがとうございました。

 

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