こんにちは。ココです。
注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子の行動と会話から何かのヒントを綴っていく当ブログへようこそ。
「注意資源」とは、人間が1日に保持できる認知力や注意力は限られている、という考えです。最近集中力が落ちているな…という方は、もしかして「注意資源」の使い過ぎかも??
今日はそんな「注意資源」を減らさない方法のご紹介です。ADHD(注意欠陥多動性障害)の方にも有効な方法ですよ。
訓練しても「総量」は増えない
集中力が割と続く人、すぐに違うことを考えてしまう人、ADHDの「過集中」。人によって「注意資源」の総量は違います。
瞑想とか何かの訓練をしたら、注意資源は増えるんじゃ…?と思いたいところですが、残念ながら増やすことはほとんどできないようです。
しかし注意資源を増やすことはできなくても、注意資源を「エコモード」にして、消費量を減らす工夫はできます。
1日で使える容量が決まっている大切な「資源」ですから、是非参考にして下さいね!
もちろん、この工夫はADHDの集中力の欠如に悩む子たちにも有効です。
静かな環境に身をおく
もしあなたが受験生で、騒がしい駅のホームで大学入試テストを受けろ、と言われたらどうでしょうか?集中しようとしても到底難しくて、悲しい結果になりそうですね…。
その人に集中力があるかどうかは、この場合関係ありません。「誰だって」「集中できない」のです。
人は周りの音や会話、テスト用紙に向けた目線の端に入ってくる「何か」に常に意識を奪われるものです。
厳しい自然の中で生き抜いて行くために「危険なもの」からいつでも逃げられるよう、私達人間は本能として「今の状況から様々な情報を拾う」能力が自動的に発動します。そのため、無理に本能に逆らおうとしても無駄なのです。
集中して仕事をしたいのなら、音や他人の気配の少ない、静かな環境が好ましいです。
ADHDの子も、個別の教室だと10~20分程度なら集中して勉強できたりします。特別支援クラスは概ね1クラス8人。ADHDの子にはそれでも「多過ぎな」人数なのです。
個別指導を学校で取り入れるには人員的にも無理がありますから、できれば家庭では「静かな環境」で勉強出来る時間をとれるように工夫できたらいいですね。
勉強する場所には「何もない」のが望ましい
掲示物やポスター、本の背表紙が並んで見える本棚、たくさんある文房具…。こういったものを一掃したシンプルな勉強場所が集中力を上げます。
人は目の前のものに集中しているようで、実は「視界に入ってこないモノからも」無意識に気配を感じ取っています。これも先ほどの、危険なものから身を守ろうとする本能のため。
ポスターのアイドルや、掲示物のアニメの主人公の視線でさえ、人は無意識のうちに「見られている…。注意しなきゃ」という本能が働いて集中力が分散してしまいます。
本の背表紙を見れば「文字をつい目で追ってしまう」し、雑多なものが目に入るとそこから「ああ、片付けなきゃ」「あれ、あのペンそういえばどこいったっけ?」「これは先週XXXくんからもらったメモ用紙だ」など、雑念のスイッチが入りやすくなります。
机の上には「今」使うもの以外何も置かず、掲示物やポスター、本なども撤去した清々しいほど何もない状態が望ましいですね。
ADHDの子の場合は特に、窓に向かった机はやめましょう。窓の外の景色はリラックス効果はありますが、集中したい場合は逆効果です。
ルーティンワークを増やす
しょっちゅうやらなければならないことは、考えなくても身体が勝手に動くように「習慣化」させてしまいましょう。
朝が忙しい人なら朝食のメニューを「トーストと果物、コーヒー」と決めてしまう。何から始めようかいつも悩んでしまう人は、仕事の優先順位をTO DOリストに書き出す、というタスクを終えてから仕事を始める。
家庭学習は必要な文房具を机に置いたら、最初に明日提出の課題 ⇒ 英単語3つ ⇒ 数学3問 ⇒ 漢字3つ ⇒ 時間が合ったらそれ以外の勉強、というように「自分課題」を決めておく。
「迷う」「考える」ことで注意資源はどんどん奪われていきます。ルーティンワークは、そんな「迷ったり考えたり」する時間を節約できます。
ちなみに発達障害児息子の場合は、勉強の最初は漢字か英単語をやっています。
「書き取り」は「思考する」問題じゃないから、頭をそれほど使わないんだ。だからアイドリングに最適みたい。ただし僕は書字困難があるので、5つ程度の単語が限界だけどね!
スマホから距離を置く
スマホに限らずテレビやネットもそうですが、自分の注意を否応なく逸らされるものとは時間を決めて付き合いましょう。
私もそうですが、パソコンを開くと最初に目に入ってくるニュースに「え、またクマが?」なんてつい見入ってしまいます…。5分以上は軽くとられますよね。
それ以上に、その後仕事をしていても「クマ、怖いよね」「トレッキングとか、この先安易にできなくなってくるのかなあ…」「そうしたらキャンプ場もやばいよね」なんて結構長い間思考を遮られてしまいます。
これが子供ならなおさらですね。
高校生までは、大人へシフトしていく思考が形成されてはいきますが、こういったところはまだ未熟です。子どもの「自主性を育てる」ことと「全く介入しない」ことは別。
「適度な介入」も親として必要な仕事です。
ソーシャルメディアとの適切な距離を保てるように、教育をしていきたいですね。
まとめ
人間の集中力持続時間は15分、25分、45分など様々言われていますが、いずれも根拠のある説ではありません。まだ未解明といっていいでしょう。
「注意資源」に限りがある以上、余計なものに自分の資源を少しずつ取られていって肝心なところで電力不足になってしまわないよう、配慮していきたいですね。
エコは地球にも、自分の「注意力」にも必要な姿勢のようです(笑)。
「どうでもいい情報」にあなたの資源を奪われ過ぎないように気を付けて下さいね!
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。