こんにちは。ココです。
注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子の行動と会話から何かのヒントを綴っていく当ブログへようこそ。
今日は知的障害支援クラスから情緒障害支援クラスへと移籍したAくんの「悩み事」のお話。
知的障害支援クラスから情緒障害支援クラスへ移籍
さて、知能検査の結果IQ78だったので、4年生で普通クラスから知的障害支援クラスへと移籍したAくん。
しかし日々の学習内容の簡単さに憤慨したAくんのお母さんは、学校と話し合ってAくんを知的障害支援クラスから情緒障害支援クラスへと移籍させました。
注意欠陥多動性障害(ADHD)も併せ持っていたAくんだったので、情緒障害支援クラスもアリかな、ということで、しばらくそのクラスで勉強していたAくんでしたが。
何だか自分でも説明できない「悩み事」がでてきました。
とにかく着席して授業を受けられないから入った知的障害支援クラス。そこでのAくんは学習に意欲的で、数分も座っていられなかったのに、時々歩き回ったり座ったりしながらも、Aくんなりの速度で教科書を進めることができていました。
知的障害支援クラスは1クラス8人の少人数。先生の声掛けも多く、Aくんの理解度を毎時間考慮しながら先生は学習を進めてくれるので、「自分の理解度に適した」指導が受けられていたのです。
情緒障害支援クラスが支えるのは「学力」ではなく「心の安定」
ところが移籍した情緒障害支援クラスは、Aくんと同じような多動の子が数人。立ち歩くだけではなく、癇癪を起こして机や椅子をぶん投げる、暴言を吐きながら教室を飛び出す、いきなりキレて胸ぐらを掴まれる…。
そうかと思えば掃除用具ロッカーに入ったまま1時間出てこずおんおん大声で泣き出す、何かの呪文?を延々唱えながら計算プリントをする、誰かに話しかけられた途端固まってしまう…。
あまりのクラスの子ども達の多様さにどうしていいかわかりません。
そしてこの情緒障害支援クラスでは基本的な5教科(国語・算数・理科・社会・英語)は普通クラスへ毎時間行って授業を受けなければならないのです。
これはその学校によって違います。全ての教科(5教科プラス4教科。図工・音楽・体育・家庭科)を支援クラスで受けられる学校もあれば、全て普通クラスで受けなければならない、というところもあります。
本来はその子の特性を考慮しながら図工と英語と国語は普通クラスで、その他の教科は支援クラスで、というような柔軟な対応ができるようになっているはずなのですが…。
先生や支援員の人数、普通クラスの状態(普通クラスに在籍している障害のある子やグレーゾーンの子の多さ)など色々な要素が絡んでくるため、実際は「入ってみないと分からない」ようです。
ちなみに僕は国語、算数、学活、図工だけを支援クラスで受けていたよ。本当は国語と算数も普通クラスで受けたかったんだけど、そのとき支援クラスで一緒にいた同級生が(普通クラスに)行けなくて、その子のために支援クラスで受けていた、という経緯があるよ。(僕ともう一人が国語と算数で普通クラスに行くと、置いていった!とパニックになって手が付けられなかったんだ…)
だから本人の状態プラス支援クラスの状態も考えて決めるような感じ。理想と現場は全然違うんだってこと、分かって欲しいな。
授業を受ける場所は「基本的に普通クラス」
一般的に知的障害支援クラスでは、ほとんどの教科を支援クラスで受けることができます。体育は普通クラスに入ることが多いですが、他の図工・音楽・家庭科などはその子に合わせて受けたりお休みして支援クラスで過ごしたりできるよう配慮されている場合が多数です。
対して情緒障害支援クラスは知能の遅れがないため、基本的に「行けるなら」普通クラスで授業を受けます。学習習得レベルは普通クラスと同等で卒業させることを目標としているためです。
支援クラスが何クラスもあり、支援クラス担当教員の数も余裕がある場合は、その子の状態に合わせて支援クラスで授業を受けたり、行ける日は普通クラスへ…と柔軟な対応ができるようですが、現実は難しいですね。
そんなわけでAくんは5教科を普通クラスで受けることになりました。しかし彼はIQ78。一般的にIQ80以上で普通クラスと言われていますが、日本の小学4年生の学習内容はIQ85以上ないと理解が難しいのです。
せっかく知的障害支援クラスで学習速度の遅さはあるものの、丁寧に個別に指導されて「分かった!」という気持ちが増え、学習意欲が向上していたのに…。
授業の内容が理解できないと退屈になったり劣等感が増してきて多動がより激しくなったりする子もいます。Aくんもそうでした。
まとめ
Aくんはそのことが言えませんでした。…というか、自分が「何に困っているのか」「どういった環境がが自分に最適なのか」が分からなかったのです。
これは知的に遅れがなくても、IQが高くても、発達障害児あるあるです。自分を客観視できたり内観できることは、彼らにとってとても高度な「技術」だからです。
周りを巻き込んでどんどん大きくなっていったAくんの悩み。次回に続きます。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。