発達障害だって、頑張るもん!

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注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子を持つママ・ココです。子どもを通して学んだ発達障害児への対応、工夫、その他色々な情報をたくさんの人と共有できたらいいな、と思っています。

 

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【普通級か支援級か?・1】 知的障害支援クラスという選択。

原っぱで走る子ども

 

こんにちは。ココです。

注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子の行動と会話から何かのヒントを綴っていく当ブログへようこそ。

 

今日は小学校で何らかの障害があることが判明したときに親が悩む最大の問題のひとつ、「普通クラスに入れるか支援クラスに入れるか」という選択について。

 

● 知的障害・情緒障害(自閉症スペクトラムやADHDなど)・学習障害・ギフテッド。それぞれ支援する範囲が全く異なります。お子さんの特性を、まずは親がこれでもかというくらい確認することが重要です。

 

 

地域や学校によって用意されていないクラスもある

 

つい数年前までは、「支援クラス」というと知的障害児を対象としたものが一般的でした。息子の通っていたのは地方都市の大規模校。それでも支援クラスは知的障害児対象クラスしか存在しませんでした。

 

息子が3年生頃に初めて「情緒支援クラス」ができたようです。息子は普通クラスに在籍していたので、そういった情報は全く分かりませんでした。

 

自傷行為が激しくなり、一瞬たりとも目が離せない状態になって2年後に、息子は情緒支援クラスへ在籍することになりました。

 

中学校に進学の際、本人は普通クラスを希望しましたが、彼の特性を考慮して情緒支援クラスを親が希望。現在は情緒支援クラスに在籍しながら普通クラスの授業を8割受けています。

 

このように、学校や地方によって支援クラスの中身が違います。今でも支援クラスというと「知的障害児対象」を意味することが多いです。

学校によっては息子の学校のように「情緒支援クラス」が存在しなかったり、「知的・情緒・学習障害・ギフテッド(特化クラス)」が全て揃っていたり、そもそも「支援クラス自体が存在しない」学校もあったりします。

 

学校で授業をうける女の子

 

お子さんがこれから入るであろう学校には、どんな支援クラスがあるのか。まずはそこを情報として収集することが必要かと思います。

 

支援クラスがない学校は?

 

これもまた地方や学校によるのですが、支援クラスがないけれども支援を希望したい、という場合は、学区外登校許可(自分の学区の学校には支援クラスがないので、学区外ではあるけれども支援クラスのある学校に入学を許可される)や希望する支援クラスのある違う学校へ週何日か通うことができる「通級」という制度を利用することができます。

 

支援クラスの違い・知的障害支援クラス

 

学校により違いがありますが、まずは基本的なことを。

「知的障害支援クラス」は、最低限必要な学習を一人ひとりに合わせて何度も丁寧に指導していきます。一般的に知能テストでIQ70~80程度であれば、知的障害支援クラスの対象となります。

またIQ70以下であれば特別支援学校が適切なラインとなります。(IQの平均値は100です)

 

が、あくまでもIQは目安なので、その子が出来る生活スキル(運動着に自分で着替えられる、給食を配膳して食べることができる、集団行動にある程度は参加できる、など)や過敏性(音や匂い、温度など、奇声をあげて飛び出すくらい過敏なのか暫く固まってしまうが落ち着くと戻れる程度なのか)、集団生活を送る上でのストレス値など、様々な特性を時間をかけてゆっくり考え、決めることです。

 

IQ64でも特別支援学校ではなく知的障害支援クラスに在籍している子もいれば、IQ80で特別支援学校へ通っている子もいます。

 

また地方によってはIQ70なら特別支援学校を許可しない、というところもあったり、IQ82で普通クラスを拒否されたりすることもあるようなので、こちら側の希望とその地域の考え方が相容れないこともあるようです。

 

またIQいくつでどの辺りが適切な場所か、という判断も、カウンセラーや学校教育関係者・医師によって(要するに人によって)違いが出てくるので、あくまでもここでの数値は「ひとつの意見」としてご参考程度にして頂ければな、と思います。

 

人間の頭部の図と「知能指数」の文字

 

知的障害支援クラスでは九九や読み書きなどの基本的な勉強を根気よく丁寧に教えます。またゲームや折り紙などでコミュニケーションや手先の訓練をしたり、衣服を畳む、トイレ後の手洗いや給食の配膳を自分でできるように手助けするなどの生活スキル向上の訓練も取り入れたりします。

 

IQ80なら普通クラスでもいいか

 

これもお子さんを注意深く観察して判断する必要があります。

IQ80くらいの場合、概ね小学校3年生までは問題なく過ごせることもあるかと思います。

 

一般的にはIQ80以上であれば普通クラスで大丈夫、ということにはなっていますが、4年生からはそうもいきません。日本の小学校4年生からの勉強内容は、実はIQ85以上ないと理解が難しいのです。「小4の壁」と言われる学習のつまづきです。

 

抽象的な概念が学習の中に多く登場しはじめる4年生。ここで立ちはだかる高い壁を見上げて不登校になる、勉強に意欲が湧かなくなり投げやりになる、情緒不安定になる、という子も増え始めます。

 

親が思っている以上に「勉強についていけない」「何を言っているのか理解できない」辛さや劣等感を感じる子は多いです。

普通クラスで「普通の子ども達と普通の生活を体験する」ことを重要視する親御さんは多いのですが、お子さんをよく観察して、慎重に決めていってもらえたらいいな、と思います。

 

知能指数は変化するのか

 

今まで一生変化しないと言われていたIQですが、最近になって「IQも変化する」ことが研究で明らかになりました。

 

 UCL神経画像センターのスー・ラムズデン(Sue Ramsden)氏は、「08年のIQテストでは4年前からかなりの変化が見られた。IQが大幅に上がった子もいれば、ひどく下がった子もいたが、テストの結果と脳構造の変化に明確な相関関係があることが確認できた。したがって、IQが変化することは事実だと言える」と語った。

 

引用元:10代の知能指数、数年で大きく変化 英研究 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

 

伸びに有効だと考えられるのは集中力・学習指導の介入・本人の意識・日常生活や精神の安定など。

支援クラスで丁寧に教えてもらい、達成感を感じさせながら伸ばす。普通クラスに在籍させながら分からないところは親の学習指導介入で伸ばす。色々な方法があるかと思いますが、大切なのはIQ自体をあげることではなく「本人にとって最適な場所」を熟考してあげること。

 

一般的には普通クラスに在籍していて、無理そうなら次年度から(空きがあれば)支援クラスへ移籍することも可能です。もちろん逆も。

クラスは変えることができますが、子どもを変えることは難しいです。

 

夕焼けの中を歩く子ども達

 

ちなみに知能指数は9歳からが基盤のIQとなります。年齢が低いとその後の幅の振れが大きくなるので、小学校2年生までのIQはあまり深く受け止める必要がないかと思います。

幼稚園年長さんでIQ123と言われた子が、小学校4年ではIQ98に…ということも意外にあるからです。

 

まとめ

 

今回は「知的障害支援クラス」のお話をしました。次回は息子の在籍する「情緒支援クラス」のお話。

 

インクルーシブ教育が叫ばれていますが、今現在教育を受けている息子たちを見ていると、インクルーシブにも支援クラスにも、それぞれメリットがあるから一概には判断できないよね…と思います。

 

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キーパーソンは教育関係者でも親でもなく、あくまで「障害と共に生きている本人」。その彼ら自身が自由にインクルーシブか支援クラスかを選べたら、それが一番いいのにね。

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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