こんにちは。ココです。
注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子の行動と会話から何かのヒントを綴っていく当ブログへようこそ。
発達障害児を持つ親御さんが迷う、「特別支援級」か「普通級」かの選択肢。その間の選択肢として「交流級」「通級」というものがあります。
今回は公立小中学校にある制度「通級」のメリットをお話したいと思います。
- 通級とは?
- メリット1・「普通級在籍」扱いになる
- メリット2・疎外感を感じにくい
- デメリット1・通級クラスを持つ学校が少ない
- デメリット2・指導時間が少ないので、かなり軽度でないと効果が期待できない
- まとめ
通級とは?
「通級」とは、「普通クラス」に在籍しながら、子どもの特性に合わせた授業を「別クラス」で時々受けることができる制度です。
基本的には知的な遅れのない発達障害(ADHD、自閉症スペクトラム、学習障害など)、難聴・弱視・言語障害を持つ子が対象となります。
残念ながら現時点では知的障害児は対象外となります。
どの対象者も障害の程度が「軽度」であり、日常的な学校生活での適応は可能、という子ども達への支援制度であるためです。
今後また制度が変わってくれば、対象内となるかもしれません。
メリット1・「普通級在籍」扱いになる
「交流級」が「特別支援級在籍」扱いになるのに対し、「通級」は「普通級在籍」扱いです。
「普通クラス在籍」を熱望されるお子さん・親御さんの選択肢にもなりますね。
メリット2・疎外感を感じにくい
特別支援級在籍となると、一部の子は「疎外感」を持って学校生活を送ったりします。特に知的な遅れのない情緒障害支援クラスの子ども達は、感情のコントロールが難しいぶん、定型発達児よりも敏感なところがあります。
また、全ての教科を支援クラスで受けずに、一部の授業を普通クラスに移動して受ける「交流級」を選択している場合は、普通クラスに行ったときの「居場所のなさ」を感じ続けていたりします。
それがありません。これは結構大きいメリットかな、と思います。
息子は小学校のとき、中学年までは普通クラスに在籍していました。
そのため、高学年から支援級へ移籍しても、普通クラスでのお友達との関係はちょっと薄れたものの、そのまま継続。疎外感は感じないで卒業できましたが。
中学校は8校ほどの小学校が集まる大規模校だったので、交流クラスに行っても知らない人だらけ。交流級の授業ではほぼ「無言」で過ごしているそうです。
何か冗談言っても周囲の「…は…?」っていう感じがするから、授業内での発言以外はほぼ黙っているよ。以前はそれが悲しかったけど、もう割り切るしかない。次(高校)に向かって進めっ!って今は思ってるんだ。
中学校1、2年の頃はこの「疎外感」がチクチクしたそうですが、3年生にもなると精神的にも大人になったのか「そんなもん」と思っているそうです。
あと半年。高校生になったら支援級は存在しませんから、「リセット」されますしね。
(無事高校生になれたら…の話ですが。)
デメリット1・通級クラスを持つ学校が少ない
通級のクラスを設けている学校は、それほど多くはありません。大抵市町村の大規模校がこのクラスを設けている場合が多いです。
お子さんが在籍する学校にこの通級クラスがある場合は「自校通級」と言い、在籍学校にはなく、別の学校の通級クラスに時々通う場合は「他校通級」と言います。
そのため、週に何回か通級クラスに授業を受けにいくことになるとき、他校通級の場合は移動する時間や移動方法が負担になるかもしれません。
歩いていけない学校の場合は、多くの場合、親がその送り迎えを担わなければならなくなるでしょうから、親の負担も出てきます。
ちなみに東京都の場合は、教師がそれぞれの学校を訪問する「巡回通級」という制度があるよ!東京都在住の子は移動時間の負担が少なくなるね!
デメリット2・指導時間が少ないので、かなり軽度でないと効果が期待できない
通級は週に数コマという、限られた時間だけの指導となります。
そのため継続的に忍耐強く支援をしていかなければならない子たちにとっては、あまり効果が期待できません。
むしろ移動の負担の方がマイナスとして表れてしまうこともあるかと思います。
息子は1年間「通級」をしたことがありますが、息子の特性を鑑みて、当時特別支援学級担任だった先生が「情緒障害支援クラスへの通級」を途中から実施してくれました。
通級の効果が全然見られなかったんですね。
当時小学校中学年だったので、本人の希望は曖昧で「どちらでもいい」とのことだったので、次の学年から息子は「情緒障害支援クラス」へ移籍しています。
通級の効果が期待できるのは、グレーゾーンかそれに近い、ごく軽度の発達障害を持つ子たちです。
逆に言語障害、弱視、難聴の子たちには、コマ数が少なくても効果は見えるようです。
最近では不登校の子たちのセーフティネットとして通級クラスを使用する例もあるようですが、知的障害がなく、支援が頻繁に必要でない、微軽度~グレーゾーンの子たちでなければ難しいかな…と思います。
弱視の場合は見誤りやすいものの捉え方を練習したり、言語障害・吃音の場合は発音や文法の練習をしたりします。こちらは週数コマでも確実に効果が見られるようです。
発達障害の場合は「脳機能の障害」のため、短時間で「鍛える・練習する」程度では改善はあまり期待できないかな…というのが正直なところです。
まとめ
今回は「通級」についてお話しました。
息子の中学校にはこの通級クラスがあるのですが、他校通級の子たちは最初のうちは来るけど、移動が負担でだんだん来なくなったり、不登校に移行することが目立っていました。
不登校のために利用していた子たちもまた、1学期以降は見かけなくなった、ということも多いです。
続けられない=その支援では足りない、ということなのでしょうが、本人も親御さんも、「続けられない」時点からストップしてしまう傾向にあります。
「その支援では足りない」のは、本当に「勉学への支援」だけなのか?
足りないのはもっと別の、親御さんや先生の愛情だったり、待ってあげる時間だったり、スキンシップだったり、見守る視線だったり、その子を信頼しているという言葉だったりはしないのか?
カウンセラーとして、いつも考えてしまう疑問です。
全ての子ども達が、滑落することなく、前を向いて歩いていけるように。そう願ってやみません。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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