2023・5月更新
こんにちは。ココです。
注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子の行動と会話から何かのヒントを綴っていく当ブログへようこそ。
今日は工作が大好きな息子。でもすぐかんしゃくを起こしちゃうの。どうしたらいい??というお話。
- 工作は発達障害児の気持ちの切替をさせる方法のひとつ
- おすすめは「アイロンビーズ」
- 工作が大好き!でも不器用で出来ないのっ!
- 定型発達児から数年遅れてやっとできるようになる
- かんしゃく起こすから「工作はやらせない」??
- 「我慢とあきらめ」を訓練する「教科」と考える
- まとめ
工作は発達障害児の気持ちの切替をさせる方法のひとつ
知的・発達障害児は「工作好き」が多いようです。
段ボール工作やレゴブロックなど、手を使って「創作」するものに非常に興味が向きやすい。
ストレス値がたまってチックや多動が増えたとき、かんしゃくを起こしたあと。
狭い場所に入って何かから逃れようとしているとき、 やたらと泣きわめいて落ち着かないとき。
粘土やクレヨンを渡す、ブロックの箱をガラガラガラーッ!と床にひっくり返して「遊べるよ」と声をかける。
段ボールやお菓子の箱、シールやリボンなどの寄せ集め材料を広げて「何か作ろうか。剣や鉄砲(女の子ならケーキや王冠)なんかどう?」と、その子の興味のあるモノの名前を挙げてみる。
恐竜やドレスなど、その子の好きなジャンルの「ワード」には、瞬時に気持ちを切り替えられる「魔法」があります。
こうすると約半数の割合でそばに寄ってきて創作活動をはじめます。
すると次第に落ち着いた表情になり、自分の創作に没頭し始めるようになります。
工作は気持ちを切り替えるのが難しい知的・発達障害児の強い味方。
さっきまでの心の揺れを、短時間で解決してくれる方法でもあるのです。
おすすめは「アイロンビーズ」
最近は療育施設や学校の支援教室、カウンセリング室などにアイロンビーズを置いているところが多いようですね。
アイロンビーズは幅広い学年に有効なようで、6年生でも無言でスポーツカーなんかを作っている様子を見ることがあります。
息子も時々学校で作ったアイロンビーズを持ち帰ってきますね。
気持ちの切り替え時に何かいいものを…とお探しの方は、アイロンビーズがいいかもしれませんね。
学年も性別も関係なく、どんな子でも興味を持つようなので、おすすめです。
工作が大好き!でも不器用で出来ないのっ!
さて、息子のような「かんしゃく持ち」の子には、落ち着かせようとして誘ったこの「工作」がさらにヒートアップしたかんしゃくを起こす原因になることも多々あります。
多々…いや、90%の確率で息子はかんしゃくを再稼働させますね。それは「不器用だから」。
知的・発達障害児の多くは手先が不器用です。他の子のように「ハサミを使って曲線が切れない」「何度折り紙を折らせても、真っ直ぐ折れない(だから結局最後まで辿り着かない)」「塗っているうちにクレヨンがボキボキ折れちゃう」。
本人たちはとても真面目に取り組んでいます。わざとふざけているわけじゃない。
「今度こそ!」「今度こそ!」
一生懸命やればやるほど手に余計な力が入り、折り紙はぐちゃぐちゃ、クレヨンは粉々。
クレヨンは折れにくい商品だと硬すぎて、筆圧も必要になるため気持ち良く作業ができない様子。気持ちよく描かせようと思うと、やはり「折れやすい」クレヨンに軍配が上がってしまいます…。
「あーっ!!LIX%#G&7KZ3!!!!!」
はい噴火~。噴火レベル「特別警報レベル5」。全ての住民は即刻避難してください~。
定型発達児から数年遅れてやっとできるようになる
定型発達児ができる作業を、数年かけてやっとのことで習得していく発達障害児。
折り紙は周りの子より6年遅れて、息子はやっとできるようになりました。
でも鶴は5年生の頃はまだ折れませんでした。今はやらせたことないけど…どうだろう??まあ、そもそも挑戦する気さえないだろうけど…(苦笑)。
クレヨンに至っては結局手動粉砕機のまま小学校に入学。
クーピーもバッキバキ折れ続けるので、学校では(かんしゃくを起こすため)手に取ることさえなくなってしまいました。
もちろんクーピーを使う図画や理科の観察日誌などは小学1年後半から不参加。
宿題として持ち帰り、なかなか折れない「色鉛筆」で作業して後日提出の形をとっていました。
「鉛筆だけ」で描いたモノクロの絵を提出し続けることもありましたね。
え?「うちの子は結構大丈夫」??
すごいじゃないですか!!大いに褒めてください!!ギフトのひとつですね。素晴らしい!
そんなわけで大好きな工作にもれなく「かんしゃく」の特典付な息子です。
かんしゃく起こすから「工作はやらせない」??
息子のかんしゃくは年齢が上がるごとに大きくなってきました。
唸ったり叫んだりだけだったのが、モノを投げたり、手が出ることも増えてきました。
どんどんエスカレートしてくるかんしゃくに疲れ果て、「かんしゃくの原因となるもの」をガンガン禁止していた時期がありました。
工作もそのひとつ。
自分の不器用さが発端となり、9割の確率でかんしゃくを起こす工作もブロックも。
ぜんぶ、45リットルゴミ袋3つに詰め込んで封印していました。
そのまま数ヶ月。テレビもゲームもブロックもおもちゃも工作用品も。クレヨンも自由帳も折り紙も色ガムテープも。
排除しても排除しても、また新たな原因でなにかしら毎日かんしゃくを爆発させます。
じゃあ禁止するのって意味ないのかな…。
そう思い直して解禁しましたが、毎日のかんしゃくに上乗せされてかんしゃく回数が増えるだけ。
癇癪はいったん発動されると、本人が疲れ果てるまで終わりません。本人にとっては一種のガス抜きなのかもしれないな、と思います。
何でも禁止はかわいそう過ぎる…。だけど私だって対応する心の余裕は、ゼロどころかマイナス値を日々更新するだけ。
この頃はストレスからくる偏頭痛と鬱のような気持ちの浮き沈みがおさまりませんでした。
息子のかんしゃくは抑えられません。
いっとき押さえ込みに成功しても、隙間から空気が漏れるように、1時間後には別な原因でかんしゃくを起こすのですから。
そこで私は変わらない息子を「変えようとする」のではなく、「自分の気持ちのベクトルの方向を変える」しかなさそうだ、と考えるようになりました。
「我慢とあきらめ」を訓練する「教科」と考える
それからは、工作がしたいときは自由にさせるようにしました。
やはり不器用さが原因でのかんしゃくは例外なく起こすのですが、かんしゃくの勢いに呑まれるのではなく「どうしたかったの?」と静かに聞くようにしました。
どうしたかったのか訊く。いわゆる「受容」ですね。
かんしゃくを責めるでも、「それは折り方が曲がっているからだよ」と指摘するわけでもない。単に「あなたの話を聞けるよ」という提示です。
受容したからと言って、定型発達児のように徐々に落ち着くわけではありません。一度爆発したかんしゃくは、最後までガスをきっちり抜かないといけないようです。
これも例外なく「M#1&uE%-っっ!!!」とがなり立て、モノをぶん投げ、まるで取り付く島もないのですが、「落ち着いたら教えて?」とだけ言い残してリビングを出るようにしました。
寝室で私は洗濯物を畳んだり、本の整理をしたり。
考えなくてもできる作業のようなことを黙々とやっています。泣いているときも(頻繁に)ありますが…。
好きで工作して勝手に怒ってるんですから、こっちだってイライラするし、何で毎回…と泣けてくるし、一体何歳までこうなのか…もう5年生じゃないの…と果てしなく落ち込んでくるし…。
それでも自分の感情をバン!と叩きつけないように我慢します。
私は感情につい左右されやすいタイプなので、この「気持ちを外に出さないように我慢する」ことは忍者の修行に匹敵するんじゃないかと思うほど辛い辛い試練ですが…(笑)。
20分~1時間経ってようやく落ち着いた息子は、寝室にやってきます。
そして半年後には「こうやりたかったのに…」というような理由を話してくれるようになりました。
そっか。そうしたかったんだ。でもママもあんな難しい切り方は出来ないし、きっとパパでも無理だと思う。パパも不器用だからね。最初のページの簡単なバージョンならできるかもしれないなあ。
手伝って出来そうなことはもちろん手伝いますが、大抵は難易度がめちゃくちゃ高いもの(折り紙作家が指導する大人向け恐竜折り紙、とか)をやろうとしていることが多いため、こんな説明をします。
そして、息子の苦手な「我慢」と「あきらめ」をここで少しだけ、学習します。
少し、の学習です。明日にはまた同じことで大噴火しますから。(笑)
まとめ
それでも我慢とあきらめは、少しずつ習得していかなければならないものです。
ここは「家庭版・特別教科」と考えて、根気よく勉強させていくしかないような気がします。
ええ、もちろん親の私も、です。「受容と忍耐」。
40代になってもまだ習得できていないんですから、息子のことはとやかく言えませんよね…。
でもちょっとずつでも親子二人で毎日この教科克服に励んでいこうと思います。
この先何十年間も励まなければならなそうですが、頑張りますっ。
本日も最後までお読みいただいて、ありがとうございました。