こんにちは。ココです。
注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子の行動と会話から何かのヒントを綴っていく当ブログへようこそ。
前回に引き続き、エビリファイを服用していた当時の息子の様子をお伝えします。
薬を減量したのに続く自傷行為
人形のような異様な状態にびっくりして、エビリファイを1㎎から0.05gへと減量した息子。服用時間も、朝1錠飲んでいたのを夜に服用することになりました。
エビリファイは抗精神病薬です。気持ちを落ち着かせるための薬なので、これによって自傷行為も収まるのでは、とお医者さんも私も思っていました。
ところが。
自傷行為は減るどころか、回数が増えていったのです。
1㎎では強すぎたために0.05gを処方されましたが、増えていく自傷行為に、1週間後お医者さんはもう少し増量した0.07gを処方してくれました。
0.05gでは気持ちを落ち着かせる効果が出ないようなので、増量、ということでした。
しかし…。
自傷行為はますます増え続けていきました。1週間に1回程度だったものが、3回に、そして毎日起こるようになったのです。
激しさを増してきた自傷行為
そして自傷行為自体の規模もどんどん大きくなっていきました。
始めは担任の先生が「そんなことをしたら、先生は悲しくなるよ」
と言いながらぎゅっ、と抱きしめて落ち着かせてくれていたものが、抱かれる手を振りほどいて「うわあーーーっっ!!」
と張り裂けんばかりの声でわめき、手近にあるもので首を絞めながら叫びます。
「僕なんていなくなればいいんだ!SiiNEE!SiiNEE!SiiNEE!SiiNEE!!!!!!」
もう担任の先生一人では抑えきれなくなり、隣のクラスの担任の先生、そのまた隣のクラスの担任の先生、と3人がかりで押さえつける状態となってしまいました。
低学年の子供と言えども、錯乱状態になっている時は物凄い力があります。目つきも下から睨み上げるようになり、牙をむきだしにして吠え続けます。
その顔は「全く別人…」と先生も言う通り、親である私も「この子は誰なの…?」と思ってしまうほどの変貌ぶりです。
自傷行為は一日ごとにエスカレートしていき、とうとう女性の先生たちでは押さえつけることも困難になり、腕力のある男性の先生数人が駆けつけて、両手両足をはがい締めにして押さえ込むようにしないとダメになってしまいました。
息子の自傷行為が起きるたび、私は学校に電話で呼び出されました。
頻繁に電話がくるので、いつ電話が鳴っても駆けつけられるようにするために、即座に出ることが難しい病院や美容院には行けなくなりました。仕事も時間のかかるものはお断りしていました。
携帯電話を常に脇に置き、いつ来るか、いつ来るかと毎時間胸をざわつかせながら過ごしていました。
そして呼び出されて学校に行くと、息子はいつも先生たちに囲まれていました。
私が学校へ行くまでの時間のうちに落ち着きを取り戻していることは多かったのですが、その後先生たちを交えて今回の様子を話したり、これからどういう風にしていこうか、ということを一緒に考えたりしました。
担任の先生や特別支援の先生、学校カウンセラーさん、教務の先生や教頭先生、校長先生に至るまで。たくさんの先生たちとお話しました。
学校で何度も涙を流し、どうしていいか、もう分かりませんでした。
先生たちも、私も、毎日毎日光のない洞窟を手探りで歩いているようでした。
心が折れそうだった毎日
あの頃は、朝起きては「ああ、また大変な一日が始まるのか」と泣き、学校から電話をもらっては泣き、学校で泣き、息子が帰ってくれば今日一日の話をして泣いていました。
毎日がとても辛く、とても長く感じました。
でも、こうして記事を書いていて思うのです。本当に辛かったのは息子だったのに、と。
彼はそうしたくて自分の首を絞めているのではないのです。病院の先生が代弁してくれた言葉を今でも思い出します。
「君は『死にたい』んじゃなくて、『死にたくなるほどツライ』んだよな?」
その言葉にゆっくりと頷いた息子。
その時は息子が不憫で愛おしく思えるのに、次の日また自傷行為で学校から電話で呼び出されると「どうしてなの?どうして上手くいかないの?こんなに頑張っているのに!」とつい思ってしまう自分もいました。
まとめ
私たちは怒涛のような毎日に、しばしば真実を見失ってしまいます。
それはあまりにも非日常的な衝撃ゆえ、仕方のないことなのかもしれません。
この頃の私と同じ気持ちを抱えておられる方も、きっと少なくはないと思います。だからどうぞ、心が落ち着いたときに寝ている子どもたちの手を握ってみて下さい。
その穏やかな寝顔は、赤ちゃんの頃と変わらないはず。
定型発達の子を持ったママたちよりも、はるかに長い子育てになりそうですが、それだけ、この子たちをハグする時間が私達にはたくさん与えらたのではないでしょうか。
いっぱい抱きしめて、いっぱい泣いて。この子たちと一緒に成長していきましょう。
私も明日からまた、頑張ります。
次回はそんなエビリファイをやめたお話です。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。