発達障害だって、頑張るもん!

発達障害だって、頑張るもん!

注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子を持つママ・ココです。子どもを通して学んだ発達障害児への対応、工夫、その他色々な情報をたくさんの人と共有できたらいいな、と思っています。

 

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【傾聴の効果とは?】 発達障害児息子の小学生時代の経験から

黄緑色の背景に庭にいる親子

 

こんにちは。ココです。

注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子の行動と会話から何かのヒントを綴っていく当ブログへようこそ。

 

今日は前回ご紹介した技法「傾聴(けいちょう)」について、息子の小学生の頃の体験談をお話したいと思います。

 

coco-disorder.com

 

● 傾聴は、幼い時から小学生までが特に効果が見られます。それ以降の年齢では、数ヵ月から数年かかることも。腰を据えて、辛抱強く対応しましょう。

 

 

傾聴の前に「怒り」を吐き出させる

 

発達障害でも、息子のように「かんしゃく」のある子は、そのかんしゃくの理由を聞こうと思っても全くお話にならない!ことが多々あります。

息子は多々あるどころか、毎日毎回でした。

 

かんしゃく中は、君は猛獣か?と思うほどの激しい叫び声、暴れよう。

「なに?どうしたの?」なんて優しく聞いても、その手を払いのけてドアは蹴りあげる、クッションはぶん投げる、網戸は外れちゃうし、床にはペッコリへこみ傷…。

 

眼鏡をかけた女性のアイコン





かんしゃくを起こしている間は、全ての言語が通じていないような気がしますね。

 

中学生になった現在では、こういったかんしゃくもほぼなくなりましたが、当時は毎日毎時間本当に大変でした。

 

様々な対応を試みた私ですが。息子の場合はこの「かんしゃく」状態に話しかけても火に油を注ぐだけだったので、基本的にはおさまるまで、私は部屋を出てじっとしていることが多かったです。

そして対話再開は、かんしゃくがおさまってから。

 

かんしゃくは、言わば息子の「パンパンに膨れ上がった感情」の吐き出し方法。

毎日これと対峙するのは本当に心が折れそうでしたが(いや、何度も折れたか…??)、今は「当時の息子には必要なココロの対処法だったのだ」と振り返っています。

 

親子で盛り上がる

外側へと向かって吐き出してしまうのが「かんしゃく」。内側へ吹き溜まりとなるのは、「不登校」「鬱」という形で表現されることもあります。

 

かんしゃくの「基準」

 

息子のかんしゃくは些細なことが原因の場合が多かったため、気持ちが落ち着くと自分から「ごめんなさい」と謝りに来ていました。

 

かんしゃくを起こして、その日か次の日に謝ることができれば「理由は些細なこと」。

何日も謝ることができずに再びかんしゃくを起こす時は、本人の気持ちの変換だけではおさめることが難しい「学校での出来事」「対他人(友達や先生など)」の場合が多かったですね。

 

私はこの「息子基準」を読みながら、親が学校に出向いて介入するべき問題があるのかどうかを判断していました。

 

基本的な対応が「合わない」

 

彼が謝れたときは、いつもどういった理由でかんしゃくを起こしたのか聞いていました。

そのあと、「それはかんしゃくを起こすほどのことだったのか」「次に同じ問題が出てきたら、どうするか」を二人でお話しながら、毎回確認していました。

 

このかんしゃくの後に「理由」と「次回はどうしたらよいか」を話し合うという方法は、割と一般的な障害児・問題を多く起こす子向けの対応方法です。

スクールカウンセリングの場合もよく使う方法ですね。

 

しかし。基本的でもあるこの方法を毎回やっていて、これって息子の癇癪の回数を減らすことに、殆ど意味がないのではないか…と思えてきたんです。

息子には「合わない」方法なのではないか、と。

 

かんしゃくのたびにこれをやっていましたが、なんだかビジネスマンの会議みたいですよね。

そもそも小学校4年生にフィードバックさせても、改善の効果なんてあるのかなあ?なんて疑問が湧いていました。

 

うさぎのアイコン





基本的な対応なので、大多数の子であれば効果のある方法かもしれないけどね…。

 

「傾聴」。息子の場合

 

そんなことを感じていた矢先にふと手にとった、「傾聴」の本。

今度はこの方法で「かんしゃくの理由」を聞いてみるか…。そう思って息子に実践してみました。

 

以下、前回書いた傾聴のスキルです。これに沿って息子に対応したときの当時の様子をお話しますね。

 

1.視線を合わせる

2.話の箇所箇所に相槌やうなずきを入れる

3.相手が沈黙したら、黙って待つ

4.相手の立場になって、共感する

5.オウム返しをする(相手の言葉を繰り返し使う)

6.ページング(相手の声のトーンや話すテンポ、表情などを相手と合わせる)

 

1.視線を合わせる

 かんしゃくがおさまって、息子が謝りにきた時、私はいつもベッドや椅子に座り、立った息子と向かい合って話していました。

それを「床にお互い座って」みました。二人とも床に座ることで、視線は確実に合いますね。

 

2.話の箇所箇所に相槌や頷きを入れる

次に息子にかんしゃくの理由を聞きました。

 

「筆算の答えが間違っていたから」と 言った息子の言葉に、いつもなら「繰り上がりを1つ足すのを忘れただけでしょう?なんでそんなことで怒るのっ」と責めるような口調で答えていましたが、ぐっとこらえて、「そっか」と言うだけにとどめました。

 

3.相手が沈黙したら、黙って待つ

その後息子は黙ってしまったので、私も黙って待ちました。

 

この「黙って待つ」が、私的には一番しんどかったですね。

つい、「じゃあ次どうするの?ねえ?こーする?それともあーする?」とがんがん 次回対策を並べ立てて、早急に答えさせようとしてしまうのが常でしたが、頑張って頑張って(笑)、待ちました。

 

この間、私は「そっかあ。次回の対策をがんがん並べ立てるなんて、まるで会社の仕事のようなものだったんだなー。小学生相手に、会社の仕事遅い後輩に接してる態度と一緒だったな…ははは…。。。」

なんてことに気付く時間にもなりました。

 

眼鏡をかけた男の子のアイコン





いやいや。会社でも「傾聴」しようよね。

 

眼鏡をかけた女性のアイコン





了解です…。。。

 

4.相手の立場になって、共感する

かなりの時間(1時間半程度)私が黙っていたので、息子は「ママ?」と逆におどおどして顔色をうかがってきました。怒られる、と思って怖かったんでしょうね。

「なあに?」とだけ返事をしました。そうすると息子はにこっ、と笑って「ママ、大好き」と抱きついてきました。

 

そして、「全部の問題当たってたのに、繰り上がりだけ外れたから怒っちゃったの」と言いました。

私も、「そっかあ。5問全部当たってたもんねえ。そこだけ間違ってて満点にならなかったからイラっとしたのね」と共感の意を表してあげました。

 

5.オウム返しをする

「うん。怒っちゃた」そう言ってぎゅっ、と息子は抱きついた手に力を込めました。「うん、怒っちゃったねえ」。

私も彼と同じ言葉を繰り返して、同じように強く抱きしめ返しました。

 

子どもを抱きしめる

 

6.ページング

こうして息子と対話している間、笑顔になれば笑顔を返す、声のトーンが下がったら、返答も静かめにする、など、相手に合わせるページングに気をつけていました。

 

こうして癇癪後の傾聴は良い効果を発揮し、息子はまた笑顔で机に戻りました。

 

まとめ

 

残念なのは、かんしゃく対応に凄く合っている!と確信したものの、私自身の余裕のなさで、毎回のかんしゃくに傾聴をなかなか活用できていないこと。

 

発達障害児育児の積み重なっていくストレス…。私こそ誰かに傾聴していただいたら、息子に余裕の態度で傾聴できるのになあ…。

なんて毎回思いますね(笑)。

 

こんな風に毎回、は難しいですが、気持ちに余裕のあるときは試してみようかな…と思えるように。マメ知識程度に、頭の片隅に覚えていてもらえたらいいな、と思って記事にしてみました。

 

発達障害児の母親業は、煩悩と戦う僧侶の苦行のようですねー(笑)。

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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