発達障害だって、頑張るもん!

発達障害だって、頑張るもん!

注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子を持つママ・ココです。子どもを通して学んだ発達障害児への対応、工夫、その他色々な情報をたくさんの人と共有できたらいいな、と思っています。

 

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【発達障害児への上手な対応技法】 「傾聴」ってなあに?

抱き合う親子

 

こんにちは。ココです。

注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子の行動と会話から何かのヒントを綴っていく当ブログへようこそ。

 

今日は最近になって時々耳にするようになった技法「傾聴(けいちょう)」について、ご紹介したいと思います。

 

● 「傾聴」。その技法自体は特に難しくもないのですが、実践となると難易度が非常に高い、「プロの」技法です。発達障害児や問題のあるお子さん、会社の悩んでいる部下等の対応にはとても効果的なので、「かじり」だけでも頭に入れておくといいかも…。

 

 

「傾聴」とは

 

最近、統計学や物理学など、難しい分野の一端を取っ付きやすい漫画で紹介している本をよく見かけます。

専門書と違ってイマドキなイラストや、心を掴むキャッチコピーの効果で、より気軽にその世界へ興味を持たせることが目的なのでしょうか。

 

私もたまにそんな本を目にするとパラパラとめくってみるのですが、そんな本の中で「傾聴(けいちょう)」の本を見つけました。

 

「傾聴」…。ご存知ですか?

「傾聴」とは、読んで字の如く「心を傾けて、相手の話を聴く」という技法です。

 

 

主に病院・介護施設やコールセンターの苦情処理、ビジネスシーンなどで活用が期待される技法です。

カウンセリングの時も同じような技法を使います。

 

もし発達障害児に関わるご両親や教師、放課後等デイサービスの方々がこれを活用できたら、今の何10倍もラクになるだろうな…と思ったので、その「技法」をご紹介しますね。

 

公園でピクニック

 

傾聴の技法

 

技法、といってもそれほど難しい知識は必要ありません。以下、「傾聴」のコツです。

 

1.視線を合わせる

2.話の箇所箇所に相槌や頷きを入れる

3.相手が沈黙したら、黙って待つ

4.相手の立場になって、共感する

5.オウム返しをする(相手の言葉を繰り返し使う)

6.ページング(相手の声のトーンや話すテンポ、表情などを相手と合わせる)

 

近親者には「使えない」のだけれど…

 

 傾聴とは、怒りや悲しみ、迷いに暮れる相手の話を単に「聞く」のではなく、相手の心に寄り添いながら「聴く」という技法です。

 
ところで「傾聴」は、本来親近者にはタブーとされています。
それは家族や友達の話には、つい自分も感情的になってしまうから、という理由があるから。
カウンセラーも近親者や知人のカウンセリングは、上記と同じ理由でやりません。プロであっても、AIではなく生身の人間です。感情は微小にでも左右されてしまいます。
 
自分も感情移入してしまうようでは、相手の話を聴くことに徹する「傾聴」にはならないんですね。
 
例えば子供に「今日、Aくんから突き飛ばされたんだ」なんて言われたとしましょう。
傾聴では、この場合、技法5の「そうなんだ。突き飛ばされたのね」とまずはオウム返しをしてあげます。
 
ですが他人に対しては「そうなんだ。突き飛ばされたの?」とオウム返しで聞けますが、これが自分の子供だったら、「え?!Aくんって同じクラスの子?いつやられたの?先生はそれ、見てた?!」なんてつい矢継ぎ早に聞きまくってしまいますよね。
 
こんな風に、近親者にはどうしても自分の感情を重ねてしまいがちなので、傾聴は家族や近しい人には使いません。
 
ですが、あえてこの「傾聴」を問題を持つお子さんに使って、大変だったお子さんとの関係やお子さんの問題も改善させた、という方の本を読みました。不登校児にもとても有効です。
 

子どもをおんぶする父親

時間に追われ、効率を求める現代人にとって、会話にじっくり時間をかけること自体が、こうして「啓発本」にでもしないと意識してもらえないことなのかもしれません。
 
「問題を解決するためではなく、今の思いをジャッジせずに、ただ聴いてあげられたら。子供は安心して話してくれるようになります。家族にこそ傾聴を!」
という力強い言葉が印象的でした。
 

 

解決方法を「探さない」

 

怒涛のような毎日に振り回されている発達障害児の親は、どうしても子供の「困った」に対して「原因を探ろう」とか「解決方法を見つけよう」としがちです。
また、日々感情的に怒りが込み上げてきたり、ああまたか…と悲しみに暮れたり、どうしよう?!と対策に翻弄したり。
 
以前、問題行動最多だった頃の私は、息子の話を聞くと、それに即座に反応しがちでした。
「そうなんだ。そんなことがあったの?」と落ち着いた気持ちで「聴く」ことがなかなか出来なかった。
 
「え?また癇癪起こしたの?!」「それはあなたの言い方がマズかったからだよ!」なんて、いきなり責めるような物言いをしたり、「もう、今日もなの?!」と両手で顔を覆って泣き崩れてみたり…。
 
仕事でカウンセリングするときは冷静に対処できても、自分の子どもとなるとどうしても感情の波立ちが抑えられませんでした。
自傷行為が激しかった時期だったので、何としても自傷行為になる前にどうにかしなきゃ!と気持ちばかりが焦っていたんですね。
 

説明できるのは1ヶ月後、という根気

 
そうやって最後まで話させる前に感情的になってしまい、話の展開を自分から遮ってしまっていたことがとても多かった。
それなのに、息子は「どこで?誰と?何で?っていう5W1Hが全然説明できない子」と悲観に暮れていたのです。
 
息子は5W1Hが、発達障害特有の困難さで「説明できない」のではなく、私が「根気よく」話を「待ってあげられなかった」だけ。
通常の発達障害児の「傾聴」より、もっともっと長い時間を「待って」あげなければならなかった。
 
息子の場合は2時間や1日ではなく、「ひとつの問題行動」に対して、およそ1、2ヵ月待つ、という、気の遠くなるような根気が必要だったのです。
 

キッチンで話す親子

 

まとめ

 

次回は、この傾聴を当時小学生だった息子に実践したときの体験談をお伝えしたいと思います。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
 

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