・・ 2024年7月更新 ・・
こんにちは。ココです。
注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子の行動と会話から何かのヒントを綴っていく当ブログへようこそ。
今日は、もうっ!何でいつも姿勢がぐにゃぐにゃ、やる気あるのっ?!という「学校での授業や家庭での勉強中、やたらと姿勢が悪い」彼ら発達障害児の意外な?理由についてのお話です。
いつでもどこでも姿勢ぐにゃぐにゃ
お家での食事時間、家庭学習時。学校の授業中やソファーで本を読んだり、誰かに話しかけられて対応しているとき。
息子に限らず発達障害を持っている子ども達は、とにかく真っ直ぐな姿勢を保っていることが難しいような子が多く。ピンと背筋を伸ばしている状態をあまり見たことがありません。
45分間の授業中ずっと真っ直ぐな姿勢を保ち続けていることを期待しているわけではありませんが、5分くらい…いや3分…、1分でもいいからフツウに座っているところが見たいなあ…。
なんて授業参観中何度も何度も思いましたが。
儚い夢なようで、中学校2年生までは一度もその願いが叶った授業参観日はありませんでした。
現在中学3年生。特にピン、と背筋を伸ばしているわけではありませんが、目立った多動はなくなり、それなりの自然な姿勢で授業を受けれるようになったようです。
あまりに多動だったり、だらしない恰好をしていると「やっぱ支援の子だから…」と思われるのが嫌だ、という感情がはっきりしてきたことが大きな一因かな、と思います。周りの状況や感情を、少し気にする余裕が出てきた、という精神的な成長ですね。
真っ直ぐ座れない一般的な理由
発達障害児の「真っすぐ座れない」一般的な理由は以下の5つと言われています。
1. 体幹が弱い
2. 集中できない
3. やっていること(授業)自体が嫌い
4. やっていること(授業)自体の意味が不明
5. 椅子や机が合わない、その感触が苦手
もともと発達障害児は、脳の機能のアンバランスが原因で運動するときの指令が上手く脳に伝わらなかったり、筋肉の発達が遅れていたりする場合があります。
そのため筋肉の発達が遅い、あるいは筋肉が弱い傾向にあれば、必然的に「椅子に長時間座っている」ことは難しくなるのですね。
またADHDの傾向があれば集中できないこともありますし、知的障害があれば授業の内容を噛み砕いて丁寧に教えてあげないと、そもそも何について先生が話しているのかさえ分からなくて混乱してしまいます。
他にも感覚過敏で椅子の硬い座り心地が苦手、机と椅子の高さにこだわりがあって、そのサイズが許せない、単純に椅子の高さが高すぎて上半身がぐらぐらしてしまう、ということもあるようです。
私達が「どうして真っ直ぐ座ってられないの?」とイライラしても、彼らにとってはその理由がちゃんとあるのです。
姿勢の悪さは多動が顕著になってから
ところでうちの息子くん、小学校入学以前まで姿勢はいい方でした。
多少の落ち着きのなさはあるものの、入学当初までは椅子に座っていられましたし、食事の時間も特に猫背だったりだらだらしたりということはありませんでした。
ところがADHDが際立って現れ始めたころから、机に右腕だけのせて、その他の身体のパーツは全て窓の方向を向いたまま足をバッタバタさせいたり、まるで背骨が抜けちゃったかのようなぐにゃんぐにゃんな姿勢で授業を受けていたり、とにかく激しく姿勢が悪くなっていきました。
それまで綺麗だった家庭での食事の姿勢も、「そんなに食べたくなさそうに食べるなら食べなくていいよっ!」と私にキレられるほどのだらけぶり。
背筋を伸ばした綺麗な座り方を1分たりとも保てない息子に、実は脊柱側弯症(せきちゅうそくわんしょう)という背骨が曲がる病気なのではないか??と思ったほど。
やろうと思えば出来るんだけどね
そんな息子、習い事で武道をちょっとだけやっておりまして。
武道なので正座して話を聞く機会も多いのですが、その時はきちんとできるんですね。
合同練習会などでは長時間正座して他の人たちの稽古を見ていたり、講話を聞いたり。1時間半ほどで結構長いのですが、途中足がしびれて正座を崩したりはしても背筋は伸びたまま。
やろうと思えば出来るんだそうです。
要は今やっていることに「興味があるか」「それは集中するに値するかどうか」なのかもしれません。
真っ直ぐ座れない意外な理由
だらだら感満載の姿勢で宿題をしていたある日。
「そんな机に上半身突っ伏しながら書いてて、疲れないの?」と聞いてみました。
すると意外な答えが。
だらだらしてると、イライラが抜けるんだよね。
言われてみれば確かに。イライラしている時って、前のめりになって怒鳴っていたり、うぎゃあーっ!と髪をぐしゃぐしゃに掻いたり、バンバンバンッ!!と机を叩いたり。
何かしら「動」的な身体の動かし方です。
禅やヨガでは、スッと背筋が伸びた状態で静かに瞑想することによって気持ちを落ち着けたりエネルギーを通りやすくしたりするのだそうですが。
そうか。グニャグニャやたらと身体を動かして真っ直ぐ静止していないのは、自分の中に溜まったイライラなど負の感情を、身体の外側に放出する方法のひとつだったのか…。
何だか妙に納得してしまいました。
まとめ
発達障害児って、実は私たちよりずっと身体や脳が自然に近い、現代社会に侵されていない純粋な存在なんだろうな、と思うことが時々あります。
理屈抜きで「こうしたらラクになる」「こうするともっと良くなる」という何か見えないエネルギーの循環方法を、この子たちは感覚で会得しているんじゃないだろうか?と考えたりすることも…。
未解明な部分が非常に多い「発達障害」ですが、そう考えると何だか「これから分かってくること」たくさんある、伸びしろの多い分野の人種なのではないかな、なんて思います。
私達が思いつきもしない「何か」を、この子たちはこうやってどんどん発見していくのかもしれませんね。ある意味、私達よりも「大人」な部分が多いのかもしれません。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。