こんにちは。ココです。
注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子の行動と会話から何かのヒントを綴っていく当ブログへようこそ。
今日は入国。いよいよリゾートに到着です。
学校では全然ダメだけど
さて、ほぼ丸1日がかりの移動時間も終盤。ここで最後の関門、入国審査があります。
出国審査と違って今回は外国人の審査官。
長時間フライトで疲れ果ててるし(しかも日本時間では夜11時頃。普段8時半に寝ている息子はふらふらです…。)、かんしゃく起こさず通過できるかなー、と不安だったのですが。
またしてもあっさり通過。英語ですんなり返答しています。
いやー、びっくりです。
運動会や縄跳び大会の本番はダメだけど、正真正銘の「本番」は強いんだ、息子…。
本番って、本当はこんな場面なんですね。
参観日や運動会は、かんしゃく起こしても帰国出来ない!って事態にはなりませんから。重要性の度合いが違います。
またしても「人生においての重要場面」の再確認をさせられました。
生きている中で、最重要な場面なんて、実はそれほどないんですね。
息子、なんとか時代を生きていけるかもしれない…。なんてちょっとだけ安心しました。
そうそう。一生のうちで、最重要な場面は参観日や運動会じゃないよね?日常のなかで、ついそのことを忘れがちだけど…。キミの一番大事な行事って、何だろう…??
気になるのは「日本国内でだけ」
日常での鬱積した不安やイライラ。そんな鬱々としたものが、世界に飛び出しちゃうとこんな風に、まるで塵のようなものじゃないかと思えてきます。
毎日学校と家との半径2キロ圏内で起こる出来事に振り回されていた視点が、いきなり飛行機で飛び上がって、上空1万キロからの視点に切り替わるのです。
毎日悩んでいたことが、本当にちっぽけなことに思えて笑えてくるこの痛快さ。
海外旅行で、私が一番スッキリとした気持ちになる瞬間です。
世界は広いです。塵みたいな感情に毎日叩きのめされているなんて、ほんとくだらない。
国際線に乗ると色んな国の子供を目にしますが、大して変わりないよなあ…。と実感するのも「スッキリした気分になる」理由のひとつ。
気になったのは「日本国内」である成田空港の中でだけ。
日本から離れた途端、なあんだ、みんな同じじゃない。という光景にちょくちょく出会います。
しかし海外では、子どもがかんしゃく起こして大騒ぎしている光景に出会っても、日本人のように誰も振り返って眉間にシワをよせた顔をしません。
あー、泣いてるねー、疲れたのかなあ。という感じ。
以前アスペルガー症候群の方たちの手記を集めた本の中で、「アメリカに転勤になったら、個々に独立したスタイルの働き方ですごく楽になった」という話を読んだことがあります。
集団行動から外れないことを良しとする日本では生きづらい発達障害の人にとって、海外の個々を尊重する対応は、とても心がラクになれるのでしょう。
そんな感覚を、海外旅行では味わえます。
もちろん親も、そういった感じがすごーくラクですね。
そんな多少のことは気にしない雰囲気は肌で感じられます。
日本社会もこうだったら、もっとこの子たちも(そして親である私達も!)ラクなのになー。なんて思います。
世界中、どこにでも「発達障害児」はいます。世界中、どこでも一緒です。
リゾート到着!
そしていざ、待ちに待ったリゾートへ!
…って言っても深夜なので、海の色もよく分からないまま、チェックインです…。
ウェルカムドリンクを飲みながら、現地のホテルマンが話す英語を無言で聞いて(?)いる息子。
この時も何かをいじったりウロウロ歩き回ったりは全くしませんでしたね。
眠いからかな?と思って見ていたのですが、驚いたことに滞在中ずっと彼は多動が見られませんでした。
食事中に立つ時のナプキンの置き方とか、最低限のテーブルマナーをここで教えておきたいな、と思って教えたりもしましたが、それも面倒がらずにきちんとやっていました。
「morning」などの挨拶と「thank you」くらいは返答するように、とも言いましたが、これも英語で返していました。
目を合わせたり微笑んだりの愛想良さはもちろんありませんでしたが…。
まあ、そこまでハイレベルな応対は期待していなかったので(でも外国人相手ならもしかしてやるかも?!というかすかな望みはありました…)、良しとしました。
日本では(促されないと)挨拶もしないのに、英語だとできちゃうんですから不思議なものです。
初めてでも、できたもん!
さて。滞在中はボートで沖に出て、シュノーケリングをしながらウミガメを見よう!というタートルツアーにも行きたい!本人が言うのでチャレンジしてみました。
シュノーケリングは日本でも毎年夏に海でやっているので、シュノーケリング自体は問題なかったのですが。
心配だったのが、ボートからいきなり底の見えない沖合の海の中に、フィンとシュノーケルを付けたままドボン、と飛び込むこと。
日本でシュノーケリングする場合は浅瀬の岸からゆっくりと入っていくし、怖がるので深い場所はいつも泳がないようにしていたので心配でした。
ツアーで行く沖合は水深100Mはあります。
一応ライフガードを付けているので必ず浮くし、インストラクターのカッコいいお兄さんも(凄いイケメンでした!)、「子供」なのですぐそばでスタンバイしてくれているから大丈夫だとは思っていたんですが。
「底の見えない海」は怖がって、飛び込む直前になって「嫌だ!」とならないかなあ…とハラハラしていました。
この「直前で」手のひらを返したようにかんしゃくを起こしてドタキャンのパターンは、発達障害児あるあるだよねえ。
タートルツアーに参加記名する時に何度も言ってはいたんですがね。
「本当に大丈夫?ボートで沖まで行って、ボートからいきなりドボン、って飛び込むんだよ?参加するのはみんな外国人だから、癇癪起こしても誰も対応しないよ?」
それでも「大丈夫」と言ったので参加したのですが。私も夫も内心ヒヤヒヤしていました。
ところが。インストラクターのお兄さんの「go!」の言葉に、間髪入れずにドボン!
行ったよ…!しかも躊躇なく。
海の中に入ると、「パパー、パパー」と最初に飛び込んでいた夫の所まで一直線に泳いでいって、手をつなぎます。
その後ドボン、と入った私の方が、シュノーケルマスクが外れて海水が入り、げほんげほん。
十数年ぶりとは言え一応ダイバーだった私なのに、初めての息子の方がエントリー上手…。
まとめ
こんな風に初めての海外。初めてのチャレンジ。様々な驚きと発見を体験しました。
この合間に何度も些細なことでかんしゃくを起こしていた息子でしたが、まあ半分は楽しめました。
残り半分は、何度か泣いたり怒ったり…。
スペシャルな海外旅行の時間の半分を、イライラしたり泣いたりと息子に翻弄された私ですが。
その代わりに気付かされたこと、発達障害と向き合う意味を考えさせられたことも多々ありました。
こうして半分はかんしゃくによってがっかりな気持ちになった海外旅行となりましたが、数ヶ月後、息子のサポートでお世話になっている方からふと息子の言葉を聞かされました。
「また海外旅行行きたい、って言ってましたよ。かんしゃく起こしてママを悲しませたから、今度はかんしゃく起こさないで行くんだ、って」
かんしゃくは、息子自身も辛い気持ちで起こしているのだということに、ハッとさせられた言葉でした。
…そうだね。いつかまた行こう。
そのときはきっと、そのかんしゃくを半分にしてね。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。