こんにちは。ココです。
注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子の行動と会話から何かのヒントを綴っていく当ブログへようこそ。
今日は一体いくらあったら生活が回るんだろう?ということをハッキリと考えさせる機会を与えてくれる本「31歳、夫婦2人、月13万円で、自分らしく暮らす。」という本のご紹介です。
社会的影響は年代によって変わる
私は職業柄、様々な年代の方の本を読みます。93歳、68歳、43歳、24歳、15歳…。
もちろん価値観や考え方は年齢関係なく個々人によりますが、生まれた年代の社会的影響というのは、各々の年代にやはり一定のものが汲み取れます。
そういった時代背景による価値観も頭にちょっと入れておくと、カウンセリングの質もまた違ってきます。そんなわけで多様な年代の方々の本を読んでいる私。
今回の本は「会社で働くことに生きづらさを感じていた」30代筆者が見つけた、「お金をかけない暮らしの中で見つけた幸せのかたち」。早速ご紹介しましょう。
お金の不安の正体とは
お金の不安の正体とは、もしお金を稼げなくなったとき、普通の家に住み、普通に食事をする…といった、普通の暮らしですらできなくなるという漠然とした恐怖なわけです。
そして最大のポイントになるのが、「漠然とした」という点です。
「やばいんじゃないの…。いまの仕事を辞めたらやばいんじゃないの…」と、なんとなくの恐怖が不安を助長させています。
仮に来月仕事を失ったとして、具体的にどのような事態が待っているのかをリアルに想像できていません。なんとなく漠然と普通の生活すらできなくなると思っています。これがお金の不安の正体です。
お金の不安というのは、考え方を変えるだけはどうにもならないと思います。というより、僕はどうにもなりませんでした。
だからこそ、お金の不安から解放され、やりたくない仕事を辞めるためには、圧倒的なリアリティー、つまりは安心できるだけの事実を手に入れる必要があります。
そして、その手に入れるべき事実とは、「できるだけ少ないお金で楽しく暮らせるようになること」です。
引用元:31歳、夫婦2人、月13万円で、自分らしく暮らす。 著者・なにおれ
老後2000万円問題は日本中の不安を煽りました。老後のお金、老後のお金…と今や30代の「老後とは程遠い」世代の人たちでさえ、お金に固執するようになってきたそうです。
漠然としたお金の不安に、誰もが「今・現在」を楽しめなくなっています。
数十年後に来る「かも」しれない不安に、数十年間苛まれるって…。何だかもったいないですよね。
40代で亡くなった父を持つ私は、それこそリアリティーを持ってそう思うのです。
生活費13万円の内訳
さて、気になる著者の実際の生活費内訳はどうなっているのでしょう?
まずは家賃に32000円。
家賃を下げるために住居費が高くつく地元を離れ、縁もゆかりもない地方に転居し、奥様の会社の家賃補助を使ってこの金額だそうです。1LDKのマンションだそうですが、夫婦二人ならそれほど狭くはないでしょうね。
水道光熱費は1万円。ストレスの割に節約効果が小さいので、ここは特に節約は意識していないそうです。家電自体があまりないミニマリストの著者なので、それほどかからないのかもしれません。
食費は2万円。平日は著者が毎日料理を作っているそうです。奥様が外で働いて、会社へのお弁当も彼が作っているそうですよ。仲の良さが伝わってくるエピソードですね。
この食費には、二人が楽しみにしている休日のカフェ代も入っています。
今はあちこちにお洒落なカフェがありますね。我が家は発達障害児息子がいるので行けませんが…(笑)。
車は持っておらず、二人共自転車が基本。医療保険と生命保険にも加入していないそうです。
そのため、もしものときの一時的な支出のための現金は銀行に残しておいて、日頃から健康的な食事と運動を意識しているんですって。
うーん、ここは見習いたいところかな~と思うのですが…。
既に病気が発覚し、毎月定期的に病院へ検査へ行き、服薬している私としては、保険の解約はもうちょっと考えなきゃいけないので、まだ保留中…。発達障害児息子の未来もありますしね…。
著者も付け加えてますが、「子どもがいない現時点では生命保険は不要と判断」しているそう。子どもの存在は、やっぱり大きな分岐点になりますね。
生きづらさがあったから
著者は会社という「組織」の中で働くことに生きづらさを感じながら過ごしていて、ココロが壊れる寸前だったのだそうです。
私達40代後半~50代の世代は、「理不尽なことも辛い事も仕事では当たり前」と教育されてきました。「生活してお金を稼ぐためには」自分を騙しながら、へとへとになって会社の歯車となる。それが当然で、そこに疑問をもってはいけなかった。
私達の世代でも生きづらさを抱え、働くことが難しい人たちはいたけれど、そんな人たちは後ろ指を指され、世間には出てこられずに8050問題でクローズアップされる「元祖引きこもり」となっていく人たちも多かったです。
でも著者のように、30代の世代からは「生きづらさを感じること」が「特別な種族」ではなくなりました。
奥様が会社で働き、自分はある程度貯金を貯めてから会社を辞め、ブログという「自分にとって生きやすい」場所を見つけ、そこで「身の丈にあった生活をする」。
確かに著者の場合は、本を出版するくらいの人気ブロガーになって成功した、というラッキーな側面もありますが。
大切なのは「本を出版するくらいの成功者になった」ことではなく、「奥様と2人の生活を、お金をかけずに楽しんでいる」こと。
休日に二人で自転車に乗り、お弁当を持って散歩する。テーブルを自作してみる。美味しい料理を研究してみる。そしてそれらの生活を「自分たちらしく楽しんでいる」。
「生きづらさ」は発達障害児息子たちの永遠のテーマかもしれません。息子が大人になってココロが壊れそうになった時、こんな風に視点を変えて「生きていること自体」を「楽しめる」ようになってくれたらいいな、と思います。
肩肘張らない、それなりの生活を「80%」楽しむ。(100点満点の人生なんて、世の中には存在しないとのこと。確かにそうですね。)
そんな若い世代の考え方と、これから変わってくるであろう、新しい生き方の選択肢を垣間見た気がしました。
まとめ
そう言えば私達夫婦も、結婚当初は夫の借金の返済があって切り詰めた生活をしていました。でもあまり悲壮感はお互いに感じず、現時点のお金で楽しめることを探して毎日を過ごしていました。
食器棚も本棚もDIYセンターで木材を二人でカットしながら作ったし、休日は狭いベランダに椅子とテーブルを出して(ギュウギュウでした(笑))、ボサノヴァを聴きながら(気分はイタリアの屋外レストラン)パスタを。
お出かけと言えば(今でもそうですが)日帰り温泉やおにぎりを持ってちょっとしたハイキングへ。(そして山菜をゲットして帰ってくる(笑))。
なんだ、筆者と同じことをして過ごしてるな。そっか、私も結構日常を楽しんでいたんだな…。なんて過去を振り返りながら思いました。
大切なのは「漠然とした不安」に憂鬱になることではなく、考え方を変えることでもなく、「現時点で楽しめること」を探す「新しい視点」を見つけること。
そんなことをふと気付かせてくれた本でした。
気になったら書店や図書館でちょっとぱらぱらめくってみて下さいね。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。