こんにちは。ココです。
注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子の行動と会話から何かのヒントを綴っていく当ブログへようこそ。
今日は発達障害児に多い「運動が苦手」というジャンルについてのお話。
息子は1年間だけ、体操教室に通っていました。
- 「できない」ジャンルを容認すること
- 体操教室へ参加してみる
- 発達障害児の多くは「運動が苦手」
- 「理論で攻める」運動
- 跳べる時もあれば、跳べない時もある
- かんしゃくパワーを運動で霧散させる
- 成功体験の花
- まとめ
「できない」ジャンルを容認すること
息子がまだ幼稚園の頃。彼はこの「できる、できない」にたくさんの劣等感を持って育ってしまいました。
一番最初に入園した幼稚園は、「遊び主体の」幼稚園。そこで息子はのびのびと遊んで、毎日を楽しく過ごしていたのですが。
転勤した地で入った幼稚園は、運動系も勉強系も芸術系も何でもアリ!の教育熱心な保護者の多いところでした。
自然の中でみんなと遊ぶことが目的だった幼稚園から、いきなり鍵盤ハーモニカ、ひらがなの練習、跳び箱競技会、縄跳び競技会、音楽祭にダンス大会、百人一首に簡単な算数。
「Aくんは跳び箱8段飛びですって!」
「Bちゃんは市の音楽祭で上位に入ったそうだけど、今度の伴奏者、Cちゃんとどっちになるかしら?ママはピアニストだって言ってたでしょう?」
「Dくんは公文でもう小学校5年生やっているそうじゃない?この幼稚園でももっとハイクラスの教材を使うべきよ!」
そんな熱意溢れた保護者と園児の中で、さまざまなことが「自分的には頑張っているんだけど、なぜかできない」息子は、日に日に笑顔を失っていきました。
私もそれほど教育熱心な幼稚園とは知らなかったので(見学した時にはもっと「ゆる~く何でも体験させてみているんです~」的なお話だったので、深く考えずに入園しました)、後悔はひとしおでした。
今春高校生になる息子ですが、現時点で振り返ってみると「できる、できない」のジャンルや失敗箇所、達成度の低さをこの幼稚園で嫌と言うほど確認できたので、その後の育児の方向性(努力しても「できない」ジャンルがある、ということを容認していく)が見えたのは確か。
息子も私もたくさん泣いて、嫌な思いはいっぱいしましたが。
その経験があったからこそ、今の私たちがいるんだよな…と思い直しています。
どんな経験にも、意味はあるのです。
孤独感、疎外感、劣等感。発達障害児はそんな辛い感情を体験することが多いです。そこを何とか乗り越えてきたからこそ、「スルーするちから」「些細なことで折れないしなやかさ」が培われてきたように思います。
体操教室へ参加してみる
そんな息子が小学校高学年になったある日。学校から1枚のパンフレットを持ち帰ってきました。
それは全国各地にあるスポーツクラブのチラシ。ダンスや水泳、チアリーディングや体操の教室の案内でした。
この頃は学校の体育で跳び箱やマット運動を数ヵ月やっていたそうで。ある日「跳び箱が僕だけ飛べない…」と泣いていたことがありました。
そこで夏休み中に無料体験で跳び箱の練習ができる、というこの「体操教室」に1日参加してみることに。
参加したのは大人も子供も通えるスポーツクラブで、全国に教室がある「セントラルスポーツ」。
ここでは春休みや夏休みの期間によく「無料体験」を実施しているので、気になったらチェックしてみて下さいね。
発達障害児の多くは「運動が苦手」
発達障害の多くの子は、運動に苦手意識を持っていることがあります。
それは「頭で考える動き」と「実際の身体の使い方」のテンポが合わない、または「動きがぎこちなくなる」「流暢に身体を動かすことが難しい」から。
脳で考えた「縄跳びの縄が来たら飛ぶ」などの指令。
それが「ちょっと膝をゆるめてジャンプの準備をし」
「両足で地面を蹴り上げて宙に浮き」
「両手でバランスをとりながら着地する」
という一連の連動した指令として、各身体箇所(両足、膝、縄を見る目、バランスを取る両手など)それぞれに伝わる時間が定型発達児よりもゆっくり、あるいは途中で途切れてしまうためです。
「発達性協調運動障害」という発達障害もあるのですが、そこまで診断されなくとも、こんな風な脳の伝達遅延(脳の未発達さ)のために、どうしても運動が苦手、という子は多いです。
「出来ない」ことに苛立ち(でもなぜ出来ないのかが自分でも分からない)、かんしゃくを起こし、それを叱咤され続けることでクラスで孤立していくことも多いです。息子もそうでした。
息子は走れば遅く、縄跳びもあまり続かず、競技大会となればその場でかんしゃくを起してボイコット!(授業参観の日なのに、もうホント散々でした…)な日常でしたが。
高学年になって、「できないのはちょっと恥ずかしい、嫌だ。できるようになりたい」と思うようになったようです。
「理論で攻める」運動
さて、夏休みの初日に無料体験。
まあ予想通り、1日で跳び箱を飛ぶことは叶いませんでしたが。
息子の体験した時間帯は出来ない子オンパレードなクラスで(笑)、彼は劣等感を感じることもなく和やかに参加できました。
実は私自身も運動は苦手。そのため息子が幼稚園の時に、縄跳びを「連続してとべる」ように教えるのには、相当な日数がかかりました。
そんな「運動が苦手な」私が教えても、そもそも核を突いた教え方ができるわけではないので、お互いに「何でこんなにやっても出来ないんだろう…!!」とイライラが募るばかりでした。
そんな感じだったので、跳び箱は「どうやったら跳べるようになるか」を熟知しているプロの講師が個別に指導してくれるのなら、もしかして「できた!」という体験ができるかも…。(それに縄跳びなら自宅で練習できるけど、跳び箱ってなかなか練習する場所がないですよね。せいぜいタイヤ跳びや馬跳びくらいしかできませんから…)
そう思って参加した体操教室。
手の置き方、助走のタイミング、目線の位置、介添えポイント。
それらを「運動理論」も踏まえて息子に教えてくれる講師に、「理論で理解派」な息子は「なるほど、そーいうことね」という顔で聞き入っています。
そんなわけで、この体操教室の講師の方の「理論で攻める」やり方がとても腑に落ちた息子は、1年ほどこの体操教室に通っていました。
ちなみに息子がもう10年も続けている武道の師範も「理論派」。
運動系は「身体で覚える」ものだと思っている人が大半でしょうが(私もでした)、理論で攻めていく方法だと上手くいく子もいるんですね。
要は講師との相性、なのかもしれません。
跳べる時もあれば、跳べない時もある
実は息子、以前は跳び箱が出来ていました。しかしある日を境に突然跳べなくなったのです。
「跳ぶのが怖い」と思うきっかけがあったのか、ほかに理由があったのかは不明でしたが、以前は確かに跳べていたので、ジャンプ力が足りないとか、タイミングを掴む脳内情報処理力が未発達、というわけではないようです。
そのため「いつか自分でも跳べた!という経験があったら、劣等感満載の息子にとって、それは小さな『成功体験』になるのではないか」と思って通っていましたが。
結果は「跳べる日もあれば」跳べなくなる時もある、という感じで終了しました。
その時の気分やココロのタイミングなどもあるのかもしれません。
そんな「安定しない跳び箱スキル」となったので、学校ではもちろん「飛べるようになった姿を披露する」ことは結局ありませんでしたが。
それでも「僕だって跳べる日もあるんだ!」という自分の中での「できる!」体験は、彼にとって小さいけれどすごく綺麗な花となって、ココロの片隅に根を張ったようでした。
「僕だって、やろうと思えばできるんだよ!」みんなの前でご披露できなくても、自分の中でのそんな自信が、普段の「できない自分」を支えてくれているようでした。
かんしゃくパワーを運動で霧散させる
この頃は水泳、武道、体操教室、と3つも本人の希望のままやっていて、ママ友に「全部運動系じゃない?!公文とか英会話とか、勉強系入れなくて大丈夫??」と心配されていましたが。
そう指摘されて、ホントだ、運動ばっかだわ…と気付きました(笑)
運動系は基本的に月謝が勉強系より安いので、興味が向いたものを体験させやすかったのも、運動系ばっかりになった要因ですかね(笑)。
3つの習い事全部合わせた月謝は、お友達の子の英語教室1つよりも低料金でした。
野球やスケートなどはそうもいかないようですが、水泳や体操、武道は用具が必要なく、指定服だけあればOKなので(しかもキャンペーン中だと指定服やカバンが無料でプレゼントだったりします)始めやすかったですね。
今思えば、壮絶なかんしゃくパワーをこういった運動の習い事で、半分は発散させていたのかもしれません。
息子は無意識にそんな方法(かんしゃく爆発パワーを、身体を動かすことで拡散させること)を選んでいたのかもしれませんね。
ちなみに運動音痴な息子ですが、水泳は今でも綺麗なフォームで泳げますし、そこそこ速いです。
運動が苦手だけど、息子のようにかんしゃくパワー発散させたい!という発達障害児には、水泳おすすめですよ。水泳って、それほど運動神経関係ないですから(笑)。
成功体験の花
息子のように、跳び箱や縄跳びがとべないのが辛くて、体操教室に入る子は多いです。結果は「イマイチ」で、ご披露する機会が結局なくても。
小さな「成功体験」は、その後の「あともう一息の努力」を押し上げてくれるチカラを持ちます。
実は今回の高校入試、倍率も予想の倍以上高くなり、過去問を解きだしたら難問が多く、毎日かんしゃくを起こしながら受験勉強をしていた息子でしたが。
「でもできる!あの時だって、跳べた日はあったんだから!」
そう自分に言い聞かせながら受験日までを走り続けました。(いや、「歩き」続けた…??(笑))
何年も前の成功体験。
その時に咲いた花は、その後もずっと息子のココロの端っこで、かんしゃくの強風に揺さぶられたり、涙の雨に溺れそうになりながらも、ずっと咲き続けてくれていたんだな…。
そんな驚きを垣間見た中学3年生の冬でした。
まとめ
叱咤されることばかりの発達障害児。
そんな彼らにとっては、小さくてもいくつかの「成功体験」があることが、いつか何かの力になるかもしれません。
これを押さえていれば大丈夫!というような全ての人に万能な「成功体験」というものはありませんが。
子どもの様子をつぶさに観察しながら、何かの「成功体験の種」を撒けるようになったらいいですね。
セントラルスポーツでは季節ごとにキャンペーンがあって、「指定水着や体操着無料プレゼント」「スクールバッグ無料プレゼント」「カード手数料無料」などお得な期間があるんだよ。
無料体験もよくやっているから、気になったらチェックしてみてね!
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。