こんにちは。ココです。
注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子の行動と会話から何かのヒントを綴っていく当ブログへようこそ。
発達障害児を持つ親御さんは、この「特別支援級」か「普通級」か?悩みは中学校まで続きますよね。今日は中学校ではどっちにする??というお話。
どっちにする?中学校
さて、小学校の後半からは「情緒支援級」に在籍していた息子。
中学校に入学するにあたり、どうするかを小学校6年生の後半で決定・提出しなければなりませんでした。
自治体にもよるかと思いますが、普通級か支援級かの決定は、基本的に家庭の意思が尊重されます。また、進学先の中学校に支援級があるかないか、という事情も関わってきますね。
息子の進学先の中学校には「知的障害支援クラス」「情緒障害支援クラス」「通級クラス」の3つがありました。
「通級クラス」というのは、自分の中学校には支援クラスがないため、週に数日「支援」してもらうために他の中学校から通ってくる子のためのクラスです。
他にも、普通級に在籍しているものの、一定の教科だけが困難な「学習障害(LD)」の子が「数学」だけを支援してもらうために利用したり、不登校の子が「学校慣れ」のために利用したりすることもできるようです。
息子の中学校では、こうしてマルチに利用されています。
そんな我が家では、息子と話して、中学校も「情緒障害支援クラス」に入学することに決定しました。
「どっちがいいと思う?」「最初から飛ばすと疲れちゃうかもよ?細く長く続けられるように、はじめはぬるま湯から慣れていけばいいんじゃない??」「うーん、そうだね。よし、そうしよう!」
偏見は他の保護者から子供へと吹き込まれる
息子本人としては、最初は普通級に行きたかったようです。
特別支援級に在籍するということは、やはり普通クラスの子達にとっては「彼らは特別な計らいが必要な子」という意識です。
小学校高学年にもなれば、子ども自体が特に何とも思っていなくても、「あの子は支援級だから、関わらないでよ」と保護者に釘を刺されることも多いですね。
悲しい事実ですが、これは結構な確率で耳にします。
「ああいう子といると成績下がるよ」「あなたまでヘンな目で見られるから、話しかけたりしないでよね」「友達なくしちゃうよ、あの子といると!」
実際に言われてきた言葉だよ。言われるのは、僕だってママだって辛いけど…。そんな言葉のない世界なんて、現実では難しいよね…。
子ども達の感覚でそういう雰囲気になる、というより、「保護者の偏った考えを吹き込まれた」「先生の無配慮な言動」などが、「特別支援級」に在籍している子ども達を孤立させてしまうことが多いように思われます。
そのため、多くの特別支援級に在籍している子たちは「普通級に戻りたい」と心の奥底では思っていることがあるように感じますね。
本人の「意思」は尊重したいが…
息子の進学する中学校は、8~10校の小学校卒業者で構成される大規模校でした。
支援クラスも手厚い学校だと(カウンセラー仲間内では)言われていたため、私は息子に「入学は支援級で、普通級移籍は入学してみてから次年度で考える」という選択を取らせました。
支援級から普通級へは、希望があれば次の学年で移籍できます。
しかし普通から支援級へは、手続きや上限人数の関係上、「やっぱり支援級に行きたい」と希望しても、簡単にはいかないこともあるのです。
支援級は基本的には1クラス8人。教師の数が足りない昨今では、支援級を1クラス増やしたくても、先生が足りないため増やせないこともあります。
入学当初は支援級希望者が8人で1クラス作ることになって学校が準備。
しかし学期途中でもう2人入りたい…となっても、先生を確保できないので、希望に沿うことができないのです。
小学校で2年間在籍した支援級から、いきなり高校受験モード全開の中学校普通クラスからスタートしたら、途中で息切れするのではないか…という懸念もありました。
中学生は思春期で反抗期。定型発達児でも一番ココロが難しい時期ですから、情緒に問題のある息子には「温度に慣れさせる」時間と空間が必要なのではないかな…と思ったのです。
高校になったら、入りたくても支援級はもう存在しませんしね(ある学校もありますが、かなり少数です)。
「支援級でココロと勉学を自分のペースでゆっくり構築していって、準備ができたら皆と一緒に高校へ行けばいいんじゃない?途中で『普通クラスでもやっていけそう』って思ったら、次の学年から移籍できるんだから」
そうお話して、支援級入籍の手続きを取りました。
普通級では「授業中ノートを取って提出」「共同課題制作」など、息子にとって困難な課題も取り組まなければなりません。支援級在籍であれば、タブレットを使った課題提出などの配慮があったりします。個々の困難に合わせた課題を一緒に模索できることも嬉しいですね。
重要視したのは「学校に行き続けられること」
この時私が最重要項目としていたのは、「学校に行き続けられること」でした。
私と息子の場合はこれが目安でしたが、その子の特性と親御さんの価値観で、この「最重要項目」は様々に変わっていくものだと思います。
その子によっては「学校に行き続けられること」が必ずしも重要ではないことだってあります。「不登校」は一概に良い・悪いとは言えないんですね。
息子の特性上、私が一番訓練が必要だと思っていたのは「つらいことに対応しながらも、しなやかに生き続けていくこと」。
人間は誰一人、他人と関わらずには生きていくことができません。人と関わっていく以上、すれ違いや傷つくこと、辛い経験をひとつもせずに生きていくことは出来ないのです。
こういった訓練は、やはり学校生活などの集団の中で培っていくのが一番。
障害を抱える子たちには辛い集団生活。ですが逃げてばかりでは苦手なこと、辛いことへの対処方法や考え方の変換の練習は難しい。
傷つくからこそ痛みが分かり、だからこそ「相手を尊重する」意味を身体で考えていけるのです。
情緒障害のある息子には「相手を尊重する」ということを体感することが必要。
そして、悪意のある言葉を「スルーできる」しなやかさが必要でした。
それが、「中学校生活で息子が獲得しなければならない」課題。そのためには「学校に行き続けられること」が必要だったのです。
まとめ
その子によって「今いちばん獲得しなければならないもの」は変わってきます。
そこを見極めて、辛抱強く、親子で一緒に歩いていけたらいいですね。
次回は「学力的側面」から見た「支援級と普通級の選択」のお話をしていきたいと思います。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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