こんにちは。ココです。
注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子の行動と会話から何かのヒントを綴っていく当ブログへようこそ。
今日は、今や幼稚園児でも依存症の疑いがある子もいる、という「スマホ依存」について。
スマホ依存とは?
この言葉を聞いたことのない方は、もはや現代人にはいないのではないか、というほど世間一般に周知されてきた「スマホ依存症」。
実は「スマホ依存症」という言葉は、国際疾病にまだ認定されていません。スマホ依存症、という疾患はないのです。
ですが、WHO(世界保健機関)は2022年に「インターネット・ゲーム障害」を新しい疾患として正式採用しました。スマホに依存する場合も、広い観点でいくとこの疾患に含まれます。
スマホに依存しているかどうかの見極めは、「日常生活に悪影響を及ぼしているのかどうか」という点。
「インターネット・ゲーム障害」の状態は、
「ネットやゲームの終了時間、頻度などが自身でコントロールできない」
「ネットやゲームが最優先で、その他の楽しむ時間(友達と話す、出かける、趣味のスポーツなど)が大幅に少なくなっている」
「仕事や学業、家事などやらなければならない重要な分野に異常をきたしているにも関わらず、ネットやゲームをやめることができない」
状態です。
ネット依存度・自己チェック表
それでは早速、自己チェックをしてみましょう。
それぞれ回答は、
1・全くない。2・まれにある。3・時々ある。4・よくある。5・いつもある。
の5段階です。
紙を用意して、以下の質問に数字で回答してくださいね。
以下質問表は、アメリカ・心理学者キンバリー・ヤング博士が開発した「インターネット依存度テスト」です。
1.気が付くと、思っていたより長い時間ネットをしていることがある。
2.ネットを長く利用していたために、家庭での役割や家事(炊事、掃除、洗濯等)をおろそかにすることがある。
3.家族や友達と過ごすよりも、ネットを利用したいと思うことがある。
4.ネットで新しい知り合いをつくることがある。
5.周りの人から、ネットを利用する時間や回数について文句を言われたことがある。
6.ネットをしている時間が長くて、学校の成績が下がっている。
7.ネットが原因で、勉強や仕事の能率に悪影響が出ることがある。
8.他にやらなければならないことがあっても、まず先にメールやSNSをチェックすることがある。
9.人にネットで何をしているのか聞かれたとき、言い訳したり隠そうとしたりすることがある。
10.日々の生活の問題から気を逸らすために、ネットで時間を過ごすことがある。
11.気が付けば、また次のネットの利用を楽しみにしていることがある。
12.ネットのない生活は退屈でむなしく、わびしいだろうと不安に思うことがある。
13.ネットをしている最中に、誰かに邪魔をされるとイライラしたり、怒ったり、言い返したるすることがある。
14.夜遅くまでネットをすることが原因で、睡眠時間が短くなっている。
15.ネットをしていない時でも、ネットのことを考えてぼんやりしたり、ネットをしているところを空想したりすることがある。
16.ネットをしている時「あと数分だけ」と自分で言い訳していることがある。
17.ネットをする時間や頻度を減らそうとしても、できないことがある。
18.ネットをしている時間や回数を、人に隠そうとすることがある。
19.誰かと外出するより、ネットを利用することを選ぶことがある。
20.ネットをしているときは何ともないが、ネットをしていないときはイライラしたり、憂鬱な気持ちになったりするが、またネットを再開すると嫌な気持ちが消えてしまうことがある。
上記自己チェック表で、合計点が20~39点の人は平均的なユーザーで、問題がありませんが、40~69点の人は依存傾向があります。
また、70~100点の人は依存傾向がかなり高いと言えます。
SNSをやめられない理由「FOMO」
私たちがついSNSを見てしまい、やめられない理由のひとつが「見逃す恐怖」です。
FOMO(Fear Of Missing Out)とは、楽しいことや重大なことをなどを「見のがす恐怖」のことです。
この恐怖は、共同体の仲間とつながっていたいという人間の原始的な欲求に基づいて生じると考えられています。そのためFOMOは「(共同体から)取り残されることの恐怖」と訳されることもあります。
SNSは、インターネットでつながった共同体のようなものです。そのためSNSをチェックしていないとFOMOが生じ、「何か見のがしていないか?」とひっきりなしにチェックするようになるのです。
引用元:「スマホ脳と運動脳」 高橋英彦・監修
若い世代だけでなく、中高年にも多い「見逃す恐怖」。
お得な情報、重大なニュースなどを逃してしまう「情報弱者」にならないよう、必死に追いつこうと頑張るあまり、スマホから離れられなくなる、という話もよく聞くようになりましたね。
スマホ認知症にもご注意
また、覚えておくべき情報をスマホの写真に撮ったりして、スマホを自分の「外部記憶」の代替品のように使いすぎるあまり、認知症のような症状が起こることもあります。
疾患名として医学的に承認されたものではないのですが、「デジタル健忘症」「スマホ認知症」と言われている症状が、近年多くなってきました。
2060年以降には、アルツハイマー病に関連した認知症が4~6倍に増えるであろう、という予測を立てたカナダの研究チームのセンセーショナルな報告も発表されています。
スマホと上手に付き合う方法は、子どもだけではなく大人にとっても今後の大きな課題と言えますね。
まとめ
今日は自己チェック表で実際に「自分のスマホ依存度」を数値化して見てみよう、というお話でした。
お子さんの様子を見ていて、ちょっと不安に思っている方にも、是非試して頂きたいチェック表です。
ちなみに発達障害を持つ人は、かなり高い確率でインターネット・ゲーム障害を発症しやすい、という報告があります。
自閉症スペクトラム障害ももちろんですが、それ以上にADHD(注意欠陥多動性障害)の場合は6~7割の確率で発症する可能性が示唆されています。
依存症は自分だけの努力では到底抜け出すことが困難なもの。
家族や周囲が協力し合って、上手なネットとゲームのある生活を構築できたらいいですね。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。