こんにちは。ココです。
注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子との毎日から得た小さなヒントをお伝えしている当ブログへお越し頂き、ありがとうございます。
今日は「読み聞かせ」。実はその読み方にコツがあって、それがとても大事だというけれど…???
「正しい読み聞かせのしかた」がちゃんとある
読み聞かせがいい!って話はもう何十年も前から言われているので、その素晴らしい効果は長年の研究から実証されたものですが。
その「読み聞かせ」に「正しい読み聞かせかた」という決まり事みたいなものがあるって、ご存知でしたか?
何かの集まりで、私は息子に毎日読み聞かせをしています、って話をしたことがありました。
その時そこにいらっしゃった方から、「じゃあ学校で読み聞かせの時間にやってみたら?」と提案されたことがありました。
私はえー、恥ずかしいなー。でも、教室で読み聞かせをする時間の息子が観察できるから、1度だけならやってみてもいいかなー、なんて簡単に考えていたのですが。
その方の次の言葉に戸惑ってしまいました。
「読み聞かせの講習があるから、それに何度か参加して。そうすればできるから」
は?講習??
読み聞かせにある種のルールがある、ということは知識として知ってはいました。
でもそのルール、私は以前から納得できなかったのです。
ですから、読み聞かせの講習を強要する人とは読み聞かせ活動はできないなあ。そう思って「いえ、恥ずかしいので」と言って断りました。
自分の読み方を批判されそうですしね…。(批判にものすごく弱い私…。)
抑揚をつけてはいけない
「読み聞かせ」という活動にも流派みたいなものがあるようで、それぞれの読み方ルールには多少違いがあるようですが。
それでも一貫した決まり、というものがあります。
それは「抑揚をつけないで読むこと」。
図書館で開催される、乳幼児のためのおはなし会などに参加されたことのある方は何となく想像がつくかもしれませんね。
ああいったおはなし会で読み聞かせをされる方は、基本抑揚のない喋りで絵本を読み進めていきます。
棒読みとはちょっと違うんですが、まあ淡々と読まれることが多い気がします。
会話形式の文章でも、登場人物によって声色を変えない、驚きや悲しみ、笑う箇所もそれほど変わりがない感じで読まれますね。
もちろん大きな身振り手振りを付けるのはご法度です。
どうしてそう淡々と読むのかというと、「お話を聞いている子たちの想像を限定させないため」なのだそうです。
悲しむ箇所も笑う箇所も、子供によってそれぞれですしね。
例えば新美南吉さんの有名なお話「ごんぎつね」。
鉄砲でごんぎつねが撃たれた瞬間に悲しさを強く感じる子供もいれば、「鉄砲から立ち上がる煙」を描く最後の一文でうううっ…( ノД`) となる子もいますよね。
微妙な違いのようですが、感性なので本当にそこはひとそれぞれ。
しかし抑揚をつけちゃうと、「ここが泣き所!」っていうような箇所を限定されちゃうんですね。
それはいけない。子供たちの大きく膨らむ想像力を限定させてはいけない。
そういうことなのでしょう。
でも私は、読む人だって個性があってもいいんじゃないの?と思うわけです。
読み聞かせ方は「個性」があってもいい!
たまに図書館でご法度の読み手さんに出会うことがありますが、抑揚のよくついた楽しい読み方に、子供たちはみんな引き込まれていくのが手に取るように分かります。
それまでの抑揚のない読み手さんの時には下の絨毯をつついたり、鼻ほじったりしている子たちも、前のめりになって聞き始めるんですね。(笑)
もちろん淡々とした口調で、想像力を邪魔しない読み方は理想でしょう。
しかしテレビやゲーム、スマホなど、乳児期から触れる機会の多かった今の世代の子供たちにこれまでのやり方を通すのは、多少無理があるかと思うのです。
定型発達で受動型の子供には最適かと思いますが、発達障害児の場合、人とは違う感性、最後まで聞いていられない特性、そもそもちょっと含みのある言い回しの文章が理解できない。
そんな発達障害の子供たちに、抑揚のない読み聞かせを黙って聞いているなんてことは絶対無理!
そのため我が家は毎晩マジックショー並みの読み聞かせです。
抑揚はハッキリ、身振り手振りも大げさに、声色も登場人物全員を使い分けます。
びっくりするところはバッ!と絵本のページをめくり、泣くところはもう、読んでる私が泣いてます…。(笑)
抑揚がない読み聞かせであれば、もう音声読み上げ機能やAIでもいいんじゃない?と思いますね。
楽しければ「本好き」になる
病院や子育て施設でも、私が息子に絵本を読んでいるとよく子供たちが周りに集まってきていました。
そう。子供は単純に楽しいのです。
楽しいから、集まる。楽しいから最後まで聞く。
聞いているときの真剣な顔は、図書館での読み聞かせでは見られることがあまりありません。
本の面白さをそうやって何度も味わったら、そのうち自然と本を読む子に育ちます。
初めからとっつきにくい読み方で読まれるよりは、多少のエンターテイメント性があった方が、ずっと簡単に本の世界へ誘導できると思うんです。
日本人は何でもマニュアル化して、その通りに守ったりそれを他人に強要したりするのが好きです。
みんな一緒が「管理」しやすいから。
ところがどっこい、発達障害の息子たちはまるっきり管轄外の世界を飛び回っています。
「管理」なんてはなっから無理。
そんなユニークな子供たちにマニュアル通りのことをやろうとしても、無理なんですね。
子供に大人気の「ざんねんないきもの事典」の著者・今泉忠明さんの言葉です。
「子供がゲームやテレビに夢中で本離れになったのではなく、本を作る大人が面白い本を作っていなかったから。これは大人たちの責任です。ごめんなさい」
このシリーズは5、6冊出版されています。見開き1ページの完結構成で、イラストも面白くて凄く読みやすい本だよ!
本嫌いな子たちには特におススメ!!あっという間に読破しちゃうよ!
まとめ
本を読んでくれないのは、「本離れしている」のではなく、「ぐぐっと興味を引くような面白い読み方を通して本に誘導される機会がなかった」から。
学校の読み聞かせでも、もっと面白おかしく読む、ご法度の読み手さんがいたら。
子供たちはその時間がきっと待ち遠しくなるに違いないのでは?と思うのです。
読み聞かせにルールなんて要らないんです。
楽しかった!という笑顔が見れたらそれでいいじゃない!そう思いませんか?
発達障害の息子を育児していて、私自身がルールに捕らわれない、無基準でモノを見る、ということをこの子に教えられたような気がする、今日この頃です。
最後までお読みいただいてありがとうございました。