こんにちは。ココです。
注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子の行動と会話から何かのヒントを綴っていく当ブログへようこそ。
占いや適性検査等で時々目にする「右脳派人間」「左脳派人間」。たまに心理学系の本にまで登場しちゃうほど大人気の「ちょっと気になる話題」ですが、これ、実はそれほど強力な根拠はないんです。
右脳派・左脳派って?
性格判断や占いの本などで昔から登場していた「右脳派人間」「左脳派人間」。最近はお片付けの分野でも「自分が右脳派左脳派を知ることで、リバウンドのない片付けができます!」なんてのも目にすることがあります。
会社の適性検査にも登場することがあるとか。本当に大人気のジャンルですね。
一般的に「右脳派」と呼ばれる人の特徴とされているのは、感情豊かで女性的、芸術的、大雑把。
「左脳派」は論理的で男性的、几帳面、数字に強い、など。
これで判断するなら息子くんは左脳派、ママは右脳派だね。でも息子くんは全然几帳面じゃないし、ママは芸術的センスが皆無なんだけど…。
一部は正しいけれど
確かに右脳と左脳にはそれぞれに特化した分野があります。
例えば右脳は創造的な分野が得意。音楽を聴いたり、絵を描いたり、言葉の「意味」を解釈するために働くのも右脳です。
「昨日ここで犬が死んでたんだ」と言う友達の言葉が「昨日のトピックス」としての「単なる事実」を言っているのか、「可哀想だったんだ」という「悲しみに共感して欲しい言葉」だったのか。それを判断するのは右脳が得意なんだって。
対して左脳は論理的な分野が得意。計算したり、目で捉えたものの細かな情報を取り入れたり、合理性を考えたり。
相手を説得するためにあれこれと説明する場面は左脳が能力を発揮するよ!
そんな脳の一部の得意分野を引き合いに出して、その人の性格を判断し、適正職業や結婚相性なんかを見極める、なんていうジャンルはちょっと専門チックに感じるのか、多くの人がこの情報に左右されています。
確かに脳機能の一部は正解。だけど人間って、脳の片側だけが極端に強いってわけではないのです。
会話の解釈は「両方の脳が必要」
例えばあなたは英語があまり得意ではないとしましょう。
学校にアメリカ人が転校してきて、席がそばだったあなたに聞いています。
「Do you have a pan ?」(pan 持ってる?)
ここであなたは返答するため考えます。
左脳は「文法を処理」し「Do you have~?は持っているか、の疑問文。だからpan というものを持っているか、聞かれたんだ」
そして右脳では「言葉の意味」を処理します。
「pan …?pen じゃなく?pan って食べ物のパン?それともフライパンのこと?でも今授業中だよね?彼女ノート開いたままこっち見てるし…。もしかして私が「pen」を「pan」って聞き違えたのかな?」と状況や言葉本来の持っている意味を駆使しながらその会話を理解しようとします。
遅刻した訳を説明しようとするときは、左脳では遅れた理由を「順序立てて説明する」ことを、右脳では相手の表情や返答の意味合い(納得しているようだ、とか不審に思ってる、もっと正当性のある理由を述べなくちゃ、とか)を考えています。
そう、私達は右脳・左脳、両方を様々な状況で使っているのです。
まとめ
動物の脳の場合、右脳と左脳で役割分担しているということは立証されています。左脳でエサを見つけ、危険察知は右脳で担います。
しかし片側だけでは生きていけません。右脳の想像力、左脳の論理性。両方を上手に連携させて初めて、私たちはより高い成果を求めていけるのです。
830億個もある神経細胞をもつ脳。右脳派・左脳派なんて単純に割り切れるものじゃないんだね。
そうだね。右脳派・左脳派という「カテゴリー」に自分を振るい分けて考えるのはちょっとナンセンスかもね。
僕みたいに「理論重視派だけど筋道立てて説明できない」とかママみたいに「感受性豊かな割には絵画や音楽への感動が薄い」なんていう、全く真逆の部分が人間にはみんなあるよね。でもそれだから人間って面白い。ひとりひとり、みんな違うから、一概にカテゴリー分け出来ないんだよ!
そうそう!それでこそ「人間」だよ。「右脳派・左脳派」は占いみたいに楽しむ程度にしておいて、「分類不能の人間の時間」を謳歌してね!
一部の情報ばかりに振り回されず、素直に毎日を楽しみたいですね。
本日も最後までお読みいただいてありがとうございました。