
こんにちは。ココです。
注意欠如多動症(ADHD)で自閉スペクトラム症な息子の行動と会話から何かのヒントを綴っていく当ブログへようこそ。
高齢化が進む近年では、今まであまり表立って意識されてこなかった「高齢者のココロの変化」についての話題をよく聞くようになってきました。
今日はそんな「高齢者のココロの変化」についてのお話です。
近年加えられた「超高齢期」という区分
発達心理における研究の中に「老年心理学」という分野があります。これは65歳以上の人の心の変化等について研究している分野です。
老年心理学では老年期を「老年前期」(65歳~74歳)、「老年後期」(75歳~84歳)と区分しながら研究されてきましたが、ここ最近になって、「超高齢期」(85歳以上)という区分を追加するようになりました。
超高齢期に当てはまる人口は、世界的にもかなりの増加傾向。
そのため、超高齢化問題が心理学界にも波及してきた、ということなんですね。
身体的な4つの変化
高齢になると、一般的には身体的な4つの低下が見られ始めます。
1. 予備力の低下
2. 防衛力の低下
3. 回復力の低下
4. 適応力の低下
予備力の低下
「予備力の低下」とは、余裕や余力が低下していくこと。
新しい状況への変化に対応する余力が、高齢化と共に低下していきます。
防衛力の低下
「防衛力の低下」は、身体の免疫や抵抗力が衰えていくこと。
また、「あ、危ない!」と思っても、それを避けるための動作に瞬発力がなくなっていきます。
母のお友達(70代後半)にも、そんな経験をした方がいらっしゃいました。
彼女は先日、手が滑って重い物を足に落としてしまったそうですが、落ちていくときに「あ、このまま落ちたら足にぶつかっちゃう…」ということが分かっていたのに…。
「分かっていたのに、スッと足を引っ込めることができなくてね。あ、あ、あ…と落ちていく物を見ていただけだったのよ…。」
そうして足の指を骨折してしまったそうです。
「あ!」と思った瞬間に身体がうまく動かせなくなってくるんですね。

それでも、誰かの役に立てたらなあ…。高齢の方はみんな、ココロの底ではそんな風に思っているんです。
回復力の低下
「回復力の低下」とは、病気やケガ、運動後の疲労などが回復するのに時間がかかっていくこと。
そのため、病気やケガをしても治療や退院にかかる時間が1年経つごとに長期化していきます。
高齢者によくある骨折も、なかなか骨がくっつかず治りにくいケガの典型。
近所の60代の方は、腕の骨折の完治に7ヵ月かかったそうです。(一般的には4~6週間。)
ケガをすると、その部分を使わなくなるために筋力も低下しやすくなります。
高齢の方はよく大腿部や腰などを骨折されて入院することが多いのですが、入院中に筋力が衰えてしまい、そのまま車椅子生活になるという話もよく聞きますね。
適応力の低下
「適応力の低下」は気温や湿度・気圧などの環境の変化への適応が難しくなってくること。
身体全体の血流が悪くなってくることと筋肉が衰えてくることで「冷え」を感じやすくなる高齢者。
猛暑の中でも厚手の服を着て歩いていたり、エアコンを止めた高温の部屋で寝起きしていることが原因でなる熱中症は顕著な例ですね。

こんなふうに、高齢者にはいろいろな身体的変化が起こるんだね。
社会的変化が加わって感情の表し方が変わっていく
また、退職、パートナーや近親者との死別、人との関わりが少なくなっていく、などの「社会的変化」も加わってくる年代。
そのため、身体の変化と相まって感情の表し方も大きく変わっていく人が増えていきます。
よく報告されるのは「今まで我慢していたことを我慢せずに責めるようになった」「頑固になって話を聞かない」タイプ。
逆に「昔より温厚になった気がする」「人付き合いの多い積極的な人だったのに、一人でふさぎ込むことが増えた」というタイプの変化もあります。
これは体力がなくなってきて外出が大変になってきたり、一度風邪を引くと1ヶ月も2ヵ月も長患いするようになってくることが原因であったりします。
今までどうにかなっていたものができなくなってきた無力感や焦りから、自分自身に苛立つようになるんですね。
他にも、耳が遠くなって聞き間違えることが増えることで、相手を苛立たせることが出てくるようになり、結果あまり話をしなくなる。ということもあります。
我が家の母がこのタイプ。

おばあちゃんは、もともとメニエール病(難聴や耳鳴りが激しいなどの症状が特徴)を患っているから、「音」や「言葉」をキャッチしにくかったんだけど、年齢を重ねてひどくなってきたみたいで、何度も聞き間違えを繰り返すんだよ。
発達障害児息子が小さい時は
「おばあちゃん、ボタン取れちゃった」「え?みかん貰ってきたの?」
「違うよ、ボタン」「ようかん?」
「ボタンだってば!」「ごめんごめん、メロンね」
「全部食べ物じゃん!ボタンだよ、ぼ・た・ん!!」
なんてやり取りを、みんなで大爆笑しながら聞いていたのですが。
息子が思春期に突入すると、このやりとりが「イライラを触発する」ようで、しょっちゅう癇癪を起こしていました。
そのため母は、このあたりから息子とあまりしゃべらないように気を付けているようで、言葉少なくなってしまいましたね…。
発達障害児息子の易怒性(些細な事で怒り出す)は、学校などの対社会的場面では服薬効果もあり、あまり見られることはないようですが。家庭ではどうしても出てしまいます。
「あ、しまった!」と思って1時間後くらいに機嫌を取り始める息子ですが、易怒性そのものを「家庭内でも」抑えることは厳しいみたい。
親の老化と息子の発達障害。どっちもうまく操縦するには、ノーベル化学賞ものの脳がないと難しいようです…。。。

あと、海より深い愛情と空より澄んだ冷静さと宇宙の星を数えるくらいの忍耐強さと太陽のように眩しい笑顔と…。。。
性格が変わったように見えるけれど…
最近親が怒りっぽくなった。高齢化で脳が委縮しちゃったせい?
そんな質問を聞くことがあります。
確かにそんな症例もないわけではないのですが、一般的には「性格は年をとっても変化しにくい」ということが最近の研究で分かるようになってきました。

年齢が上がってきたらやたらと怒りっぽくなってきた、という人は、もともとそんな性格である場合が多いんだって!
社会で仕事をしているうちは、理不尽でも我慢しなければならないことも多いでしょう。
しかし退職したりすることで「感情を押し殺す」必要がなくなることが増えるので、結果的にもともとのその人の性格が出てきやすくなるのですね。
また上記のように身体機能の老化、パートナーとの死別、子どもの独立、退職、友達付き合いの変化(一般的には少なく狭くなってくる)なども、その人の感情の表し方を変化させていきます。
性格が変わったように見えるのは、「もともとのその人の傾向」が何の制約もない状態の中で「そのまま表れた」だけ。

人の本質というものは、それほど大きくは変わらない、ということになりますね。
まとめ
今日は身体的・社会的変化と共に、高齢者は感情の表し方も変わってくる、というお話でした。
生まれてから誰しも、人は1日1日「老い」に向かって歩いていきます。
自分自身でさえ、なかなか認めたくない場面もありますが、できれば親や関わり合いのある高齢者の「身体の変化」「環境の変化」に寄り添えるような心の余裕を持ち続けていきたいですね。
本日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。
