こんにちは。ココです。
注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子の行動と会話から何かのヒントを綴っていく当ブログへようこそ。
今日は、ある人の特徴を聞かれたときに答える順番で「印象が全く違った人」になってしまう、という「初頭効果」についてのお話です。
初頭効果とは?
ある人を説明するとき、私たちは数種類の言葉を使いますよね。
「ねえAちゃん。新しく転勤してきた主任ってどんな人だった?」
総務課の社員たちがAちゃんに聞きます。
「うーん、物腰が柔らかくて笑顔も素敵な人だったよ。ネクタイとかもお洒落でねー、頭も切れる!って感じ!あ~、でも言葉遣いは丁寧なんだけどちょっと批判的なところがあって、頑固な人かもしれないな~。あと、どこか冷たい印象だった。」
そう説明されたとしたら、その場にいた総務課の社員たちは新しい主任に「どこか冷たいけど物腰が柔らかくて笑顔がいい人!」という印象を抱くようになります。
ところが、全く同じ言葉でその人を形容しているのに、言う順番が変わるだけで全然違う印象になってしまう…。
この現象を心理学では「初頭効果」といいます。
同じ形容詞を同じ数使っているのに
新しい主任を表現する言葉を、今度は順番を変えて別の部署の人にお話したAちゃん。
「今度の主任はね、冷たくで頑固っぽくて批判的な面がありそうだけど、言葉遣いが丁寧で頭が切れる!って感じだったよ。ネクタイもお洒落でね、笑顔が素敵で物腰も柔らかい人だった~。」
この説明をされた別の部署の人たちは「笑顔はいいけど冷たくて頑固で批判的な人なのか…。上手くやっていけるかな…。」
と全く別の印象を持ってしまいました。
全く同じ形容詞を使って説明したのに、その言葉の順序が違っただけで、こんな風に印象が変わってしまうことがあるんだね!
初頭効果の実験
ポーランド出身の社会心理学者ソロモン・アッシュは、ある人物の特徴をいくつか示したのち、印象がどのように形つくられるかを実験しました。
アッシュはA氏とB氏という、全く同じような感じを受ける二人の印象を被験者に聞きました。
写真や声などの情報が一切なく、アッシュが紹介した「言葉」だけで「持った印象」を聞くのです。
アッシュは全く同じ内容のキャラクター紹介をします。ただし、そのキャラクター紹介の言葉の「順番」は逆にしました。
A氏は「知的」「勤勉」「衝動的」「批判的」「頑固」「嫉妬深い」という順番で説明。
B氏は「嫉妬深い」「頑固」「批判的」「衝動的」「勤勉」「知的」という順番で説明しました。
言葉は全く同じで、言う順番を逆にしただけなのに、被験者はA氏には良いイメージを、B氏には良くないイメージを抱いたのです。
この実験により、「最初の印象が全体の印象を決定づけてしまう」ことが発見されました。これが「初頭効果」なのです。
「お姫様みたいで、髪が長くて、物静かだけれどちょっと毒舌。根暗でネガティブ思考な人だった」と言われても、最初に言われた「お姫様みたいな印象」が頭に残ってしまいますよね。
第一印象はとても大切
この初頭効果は、「第一印象は重要」であることを物語っています。
例えば持っている物件の内容は同じな2つの不動産屋。どっちの不動産屋で物件を決めようかな。そう思って電話した時に、一番最初の電話対応の印象が良かったところを私たちは決めがちです。
習い事を決める時にも、受付の人の最初の対応が横柄だったりしたら、ここはやめよう、気分悪い!と思っちゃいますよね。
しかもこの初頭効果は絶大で、最初に受けた印象を覆すのはとても難しいことも知られています。
最初が肝心。ですから、大切な仕事の時にはきちんとした身なりを。
発達障害のある子どもを新しい担任に紹介するときには、「最初はよいところを」アピール!
人は「最初に得た情報」から、全体的な印象を持つ方向性を決めてしまいます。
ちなみに初頭効果は、求職者に会社紹介の概要を書き出すときに、セールスマンが売りたい商品を顧客に説明し出すときに、婚活斡旋業者がお相手の方を紹介し始めるときに。実に様々な分野で活用されています。
本来、人や会社や物事はそんな単純な言葉数個で全てを語れるものではないのですが。
「初頭効果」。覚えていて損はない心理学ですよ。
まとめ
今回は、最初の印象が全体の印象を決定づけてしまう、という「初頭効果」についてお話しました。
明日から自己紹介は是非、「一番アピールしたいところを一番最初に」お話して下さいね!
ココのちょこっと心理学、お楽しみいただけたでしょうか?
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。