
こんにちは。ココです。
注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子の行動と会話から何かのヒントを綴っていく当ブログへようこそ。
10月はハロウィンの季節なので(笑)、私の周囲で聞いた体験談の中から「最強怖かった…」と思った、不思議なお話をご紹介。
今回はちょっと「怖い」ので、苦手な方は閲覧注意です…。
山の近道、という選択
これは私の知人のお話です。
当時大学生だった彼は、仲間と一緒に1泊グループ旅行に行きました。
小さな田舎の民宿で、子ども達も巣立った老夫婦が経営していたところでしたが、宿泊料金が安くて貧乏学生にはありがたい宿でした。
その夜、みんなで田舎料理を囲んで楽しく食事をしていたとき。仲間の一人が忘れ物に気付きます。それはとても大事な持病の薬でした。
みんなで記憶を辿ってみると、この宿に到着する前に立ち寄ったコンビニのトイレに置いてきたことが判明。
寝る前に飲む薬だったので、じゃんけんで負けた私の知人がそのコンビニに取りに行くことになったそうです。
コンビニとは言え、観光地のはずれにある民宿からは15キロ先。
そこでみんなは地図を出してきて、この民宿まで景勝地を見ながら辿ってきた海沿いの遠回りな道ではない、最短の道路を探しました。
そして見つけたのは山の中を通る道。ちょっとうねうねしていますが、5キロほどでコンビニに着けそう。
10キロも短縮できる!知人は迷わずその山道を行くことに決めて車で出発しました。

白い「何か」がいる…
コンビニまではたった5キロ。しかし山道は細く曲がりくねった急カーブが多く、街灯もありません。
鬱蒼とした左右の木々は道路にまで進出していて、とても運転しづらかったそう。
運転される方はお分かりかと思いますが、街中の5キロを走るのと、うねった細くて暗い山道を5キロ走るのとでは、スピードも心理的距離も全く異なります。
そのうえ雨まで降りだしてきて視界も悪くなり、知人はだんだんその山道が怖く感じるようになってきました。
そうして視界が悪いため注意深く走っていた知人の目は、ふと道路わきの白い何かを捉えました。
スピードが落ちた車がその「なにか」のわきを通り過ぎた時。
彼は気付いてしまいました。その「なにか」がうなだれた女性だったことに…。
こんな山奥の道路に、人がいるわけがない。民家なんてここにくるまでひとつも見なかったじゃないか…。
やばい、あれ…。
そう思ってバッグミラーをちらりと見た彼は、次の瞬間凍り付きました。
誰も乗っていないはずの後部座席に、あのうなだれた女性が乗っていたのです…。
間一髪!
女性は頭や口から血を流していました。静まり返った車内には、女性の血がぽた…、ぽた…、と落ちる音が響いていたそうです。
怖さのあまり、「とにかくここから離れなければ…!」とアクセルをぐっ!と踏み込む知人。急にスピードをあげて走り出した車はトンネルに突入しました。
しかし、なぜか急に彼は「やばい!止まらなきゃ!!」という衝動に駆られ、トンネルを出る直前で急ブレーキをかけました。
猛スピードで走っていて急ブレーキをかけたのですから、当然車はドリフトして(後輪が横滑りをして)道をふさぐように真横に止まったそうです。
おそるおそる後部座席に目をやると、さっきの女性の姿はありませんでした。
振り切ったのかな…。よかった…。
そう思ってホッとした彼は運転席のドアを開けて外に出ようとしました。が。
ガラガラガラ…ッ!足元が崩れて、彼はあやうく落ちそうになりました。
彼の足元の下は、ひしゃげたガードレールが谷間へだらん…と垂れ下がっていた高い崖っぷちだったのです…。

うーん、いい眺めだぜー。…って、違ーうっ!!!
怖いオチ・その1
九死に一生を得る、とはこのことか…。
その道路は長いトンネルを出てすぐに、90度ほど曲がるような急カーブのあった場所でした。
あのまま何事もなく慢性的に走っていたら、トンネルを出たすぐ先のこのカーブに気付かず、彼は車ごと真っ逆さまに高い崖から落ちていたことでしょう。
恐怖で急ブレーキをかけることがなければ、車は横滑りして真横に止まらず、僕は崖の下に落ちてしまっていた…。もしかしてあの女性は、僕を助けてくれたのか…?
そう思った彼。もう見えなくなった女性に対し「ありがとう。お陰で助かったよ」とつぶやきました。
そんな彼の耳元で。
「落ちればよかったのに」
女性の声が、冷たい息と共に聞こえたそうです。
数年前の事故の話
その後民宿に戻った知人は、宿の老夫婦にその話をしました。そして教えてもらったそうです。
あの道は旧道で、もともと崖沿いを走る道で事故も多く危ないため、地元の人はもう誰も使わない道であったことを。
しかし何年も前にあまり土地勘のない女性が、急いでいたのかあの道を走り、トンネルの先のカーブで車ごと崖に落ちた。
ところが旧道で誰もそこを通らないため、事故は気付かれず、その車と彼女は事故から数年も経ってから発見されたのだそう。

ここまでの話を知人からきいて、めっちゃ怖かった私。しかし、この話には続きがあったのです…。
怖いオチ・その2
超怖い話で夜もあまり眠れなかった知人とその仲間たち。
その様子を心配した民宿の老夫婦は、地元の神社さんから頂いていた「お清めのお塩」をお守り代わりに、と知人にくれたそうです。嫌なことは忘れて、せっかくの旅を楽しみなさいね、と。
お礼を言って宿を出て、みんなは荷物を車のトランクに入れました。
その時。知人が持っていた「お清めの塩」が荷物のキーホルダーに引っかかり、バラバラバラーッ!と車の一面に巻き散らかってしまいました。
「なんだよ、せっかくもらったのに!」
「ごめん、なんか引っかかっちゃって…」
そう言いながら後部座席のドアを開けた彼は、うわ…!!っとのけ反って地面に座り込んでしまったそうです。
仲間が何事かと後部座席を覗くと。
後部座席の足元には、どっぷりとした血の海が広がっていたそうです…。

まとめ
最後のオチが、一番怖かった私…。
知人は私の周りでは最強の怖い体験談保持者でしたね。
その知人は私の友達の彼氏、という関係だったので、彼女たちが別れてしまった今はどんな生活を送っているのかわかりませんが。
私の友達(彼女)はとってもパワフルで明るい人。
その怖い話の何年も後で彼女と付き合い始めた彼でしたが、「Aちゃんと付き合ってからは、怖い体験はあまりしなくなったんだよね」と聞いたことがありました。
常に前を向いて、ポジティブに生きていた彼女が、彼にとっては「お清めの塩」のように強い「お守り」になっていたのかもしれません。
怖い系は体験したくない派なので、私も彼女のようにポジティブに、常に前を向いて生きていこう!そう思った20代の頃のお話でした。
不思議なような、どっちかと言うと怖いお話。お楽しみ(??)頂けたでしょうか。
本日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。