こんにちは。ココです。
注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子との毎日から得た小さなヒントをお伝えしている当ブログへお越し頂き、ありがとうございます。
今回は、数ある宿題の中でも(息子にとって)一番大変な作業・漢字練習の対策です。飽きっぽい息子が低学年時に4ヶ月間やることが出来た手法をご紹介しますね。
漢字練習はもれなく癇癪つき!
息子はADHDがななり強く出ている子どもです。
そもそも注意欠陥多動性障害(ADHD)には「不注意」「多動」「衝動性」という3つの特徴がありますが、このどれか1つだけの特性を持つ子もいれば、3つの特性全てを併せ持つ子もいます。「混合型」ともいいますね。
息子はこの「混合型」。
そして3つの特性全てがメーター振り切っています…。
とにかく注意散漫がハンパない我が息子。どの宿題でもそうですが、一人で机に向かうことすらできません。
定型発達の子供たちの話を聞くと、ダイニングテーブルで宿題をさせながらママは夕飯の支度をしていたり。習い事までの待ち時間に、そこのテーブルや車内でちゃちゃっと算数ドリルやっていたり。
「ママ、これってどう書くの?」「こうよ」「あっ、そうか。よし、書けた!」
こんな会話をよく習い事の会場で耳にします。…なんて和やかな勉強風景。
いいなあ、どこでも集中できるんだ。癇癪起こさないなんて、凄い…。
同級生の子のこんなやり取りを見ると、本気で泣けてきますね。
ADHD息子の勉強の様子
息子が宿題をできるのは、自分の机に向かい、私が始めから終わりまでずーーっっとトイレに立つこともなく側についている時。
その間かんしゃくが起きないかと言えば、それはまた別の話…。
プリント一枚、音読、漢字練習、計算カードを全て終わると、かれこれ3時間経過。夕飯の支度どころかお米さえ研げずにもう夕方です。
その中で一番多くの時間を要する宿題が「漢字練習」。
息子のクラスはA4一枚のお手本を見ながらノートに書いていくのですが、息子、ホントに集中力5%。
私もイライラしながらじっと傍にいると怒ってしまいそうなので、時々トイレに立ったり、ちょっと食材を冷蔵庫から出したりするなど身体を動かしてイライラ値を発散させるのですが。
私が椅子から立ち上がるなり、「何?あ、見て見て、ママが動いたから空気清浄機のランプ赤くなった!ねえ、ランプってどこで感知して光るのかな?ねえ、ここじゃない?センサー。ん?ここ、開けれる!」(そして空気清浄機が解体されようとし、私に怒られる…。)
あっという間に気がそれちゃって、もう30分位机に戻れません。
同じく注意散漫で見ているとイライラして怒ってしまう…という方には、トイレに立ったり少し離れた場所で温かい飲み物でも飲んだりして、とにかくママ自身が意識的に動いて子どものやっていることから気を逸らす方法をお伝えする場合が多いのですが。(親のイライラ値が子どもの癇癪を誘発させるからです。)
この方法、息子には向きません。
私が離れると余計に気が散り、さらに「ママが僕から離れた」ということに怒りのスイッチが入り、毎回かんしゃくに移行してしまうからです。
ADHDと一言でいっても、その対処方法は千差万別。一人一人の特性とその子の持って生まれた気質を、時間をかけて丁寧に見ていくしかないんですね。
発達障害って本当に難解です。
ママと一緒に漢字の書き取りをするよ!
そんな一般ADHDっ子対策論が通用しない息子。あれやこれやと作戦を立てた中で、約4ヶ月ほど頑張ってこられた方法を今回はお伝えしようと思います。
4ヶ月後はまた効力がなくなり、違う方法を新たに探してやっていました。
でもこの方法は低学年の子には結構効果あるみたい。数人の子が僕と同じ方法で今でも頑張っているよ!
その方法とはママも子供と同じお手本を見ながら、ノートに漢字の書き取りをしていくこと。
「じゃあ一緒にスタートするよ。よーいどん!」
そうして子どもと全く同じお手本を見ながら、用意した全く同じ漢字練習帳にこちらも書いていくのです。
息子の場合は途中何度も私のノートを覗き、一つでも自分より早く書いていると「あーっ、遅くなった!遅くなった!もうダメだ!もう書けない~っ!!」と大噴火をおこします。
そうなると30分~1時間以上のクールダウン時間を要するため、その後「ママは2回ずつ書く」というハンディをつけて挑むことにしました。
例えば息子が「空が青い」と書くとき、私は「空が青い。空が青い。」と2回繰り返して書くのです。
そして、息子の書く速さを横目で見ながらスピード調整。
絶対に一文字も追い越しません。
書き上げる頃には2つ位残すほどにスピードをダウンさせます。これで書き終わった息子の気分はうきうき。
あ、まだママ、白い雲と夕やけの空、が残ってる!残念だったね!
書くまで待っててあげるよ!
いつも「自分はできない、ダメだ」と思っている息子にとって、誰かより秀でることは本当に気分がいいのでしょう。
親として、ちょっと切ない気分になりますが…。
楽しくできる工夫を
ちなみに私の場合は遊びゴコロで「うさぎがケーキを作った。おいしい。うさぎケーキやさん開店!1個10万円!」など、全然関係ないクスッと笑える短文を途中に盛り込んだりして書いていました。
全部書き終わったあとに息子に見せるとゲラゲラ笑って「また書いて!」と言われ、こんな落書き文章を毎回ちょっとずつ加えながら一緒に4ヶ月漢字練習をしていました。
ちょっとした笑いがあると、勉強時間も楽しい親子のふれあい時間に変わるんですね。
それと意外な副産物もあって。
くせ字で綺麗な字とはほど遠い私でしたが、学校の先生が書いてくれる美しいお手本を息子と毎日練習していたせいか、あるときお店で「読みやすい字ですね」と初めて褒められました。(もちろんお世辞でしょうけど、それでも嬉しい!)
まとめ
4ヶ月後にはADHDの特性でもある「新奇追及性」が働き、この手法ではもう漢字練習が進まなくなってしまった息子でしたが、飽きっぽい息子にしては珍しく長く続けられた方法でした。
「新奇追及性」に関する記事はこちら!
その後あれこれ手法を変えて漢字練習をしましたが、相変わらずあちこち気が飛んで時間はかかるものの、6年生になった今では黙っていても漢字練習の宿題を終えられるようになりました。
できるようになるまでは果てしない道のりに感じますが、こうして5年かけてやっとなんとかできるようになるものも出てきます。
時間をかけたからといって全て定型発達児と同じようにできるわけではありませんが、いくらかは努力次第で何とか掴むことはできるのです。
今、できなくても。この方法はだめでも。もっとずっと先、いつかは…。違う方法ならもしかして…。淡い期待と言わず、色々なやり方を試してみて下さいね。
「ちょっとした笑い」を盛り込んで、家庭学習の時間がストレスばかりにならないようできたら、最高ですね!
最後までお読みいただいてありがとうございました。