発達障害だって、頑張るもん!

発達障害だって、頑張るもん!

注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子を持つママ・ココです。子どもを通して学んだ発達障害児への対応、工夫、その他色々な情報をたくさんの人と共有できたらいいな、と思っています。

 

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【発達障害・基本のき・5】 注意欠陥・多動性障害・3 「多動・衝動優勢型」とは

草原で走る男の子

 

こんにちは。ココです。

注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子の行動と会話から何かのヒントを綴っていく当ブログへようこそ。

 

近年、世間に広く認知されるようになった「発達障害」。

しかし、誤った知識や噂ばかりに頭でっかちになって、障害に困っている子供たちを簡単に傷つける発言を繰り返す大人も(もちろん子供も)とても多い。

 

そこで簡潔に分かりやすく「発達障害」についてお話していく「発達障害・基本のき」シリーズでは、発達障害の正しい知識を皆様にお伝えしていきたいと思います。

 

今回は「注意欠陥・多動性障害(ADHD)」の3つのタイプのひとつ、「多動・衝動優勢型」についてお話したいと思います。

 

● 非常に特徴的な特性ですが、家庭が安定していない状況からくる、ココロのSOSである場合も。ADHDの「多動・衝動優勢型」は、素人では見極めが困難な、実は難しいカテゴリーです。

 

 

「多動・衝動優勢型」に酷似する他の原因も

 

ADHD(注意欠陥・多動性障害)の3つのタイプ「混合型」「不注意優勢型」「多動・衝動優勢型」の中で、実は他の疾患だったり、家庭不和から起こる子どものSOS症状であることと間違われやすいのがこのタイプです。

 

coco-disorder.com

 

「多動・衝動優勢型」は特別目立つ行動が多いため、近年一般認知されるようになった「ADHD」だと、すぐに決めつけられることが多いんですね。

 

キレやすい、我慢できない、多動である、などの特徴が「ADHDの疾患由来ではないこと」はよくあります。

日本でADHDと診断された子どもの半数以上は誤診だという一部の研究もありますが、個人的にもそうかもしれないな…と思っています。

 

多くの「ADHDではないが、酷似する行動が見られる」子の背景には、家庭不和(離婚、虐待、ネグレクトなど)という原因があることも。

 

眼鏡をかけた女性のアイコン







発達障害は「脳の機能障害」であり、生まれつきの先天的な疾患です。

後天的な事由から精神障害となるものとは、出発点が違います。

「ADHDの衝動・多動優勢型と酷似した特徴」を有する他の疾患には、以下のようなものがあります。

 

眼鏡をかけた男の子のアイコン





双極性障害、適応障害、反応性アタッチメント障害、パーソナリティ障害などがあるよ!

 

うさぎのアイコン





これらの疾患は、後天的なココロの病気からくる精神障害。生まれつきの機能障害である発達障害とは明確な線引きがあるんだ。だから対処方法も治療方法も違うんだよ。

酷似しているけど、一緒くたにしないことが大切なんだね!

 

それでは、ADHDの「多動・衝動優勢型」の症状を見ていきましょう。

なお、ここでは日本の精神医学・心理カウンセリング現場で診断基準として使われている米国精神医学会の「DSM-5」に準じて記載しています。

 

「ADHD・多動・衝動優勢型」9つの症状

 

  1.手足を動かすことが多い

手足をそわそわ動かしたりトントン叩いたりする。椅子の上でもじもじしたりして、手足の落ち着きがない。

 

貧乏ゆすりも多いですね。息子もそうです。

勉強していると貧乏ゆすりをしたり、髪をいじったり、身体を動かす行為が目立ちます。

過集中になる読書でも、足をプラプラとしたりして、どこかしら身体が動いています。集中していれば落ち着くのかと思いきや、そうでもない。

 

中学生になってからは少なくなったようですが、息子いわく「動かないように『動かないこと』に集中しないと動いてしまう」とのことでした。

 

水鉄砲を持って遊ぶ男の子

何かに集中しようと思うと、余計に「動いてしまう」ことも多いそう。感覚に刺激を与えることで「集中力を上げよう」としているみたいです。

 

  2.離席が多い

着席しなければならない場面において、よく席を離れる。

 

例を挙げていうと授業中、仕事中、あるいは着席していなければならない冠婚葬祭や会議などの場面においても離席が目立ちます。

 

  3.走り回る・高所へ登りたがる

不適切な場所でも走り回ったり、高い場所へよく登りたがります。

 

例えば病院内、式場内、面識のあまりない他人の家など。

青年以降は理性も出てくるので、落ち着きない様子のみに感じられるかもしれません。

 

  4.静かに遊べない

静かに遊んだり、騒ぐことなく趣味に時間を費やすことが難しい。

 

  5.じっとすることができない

じっとしていることができない。エンジン全開で行動する。

 

例えばレストラン・会議などで長時間じっとしていられない。または不快感が強い。

周囲は一緒にいたくない、迷惑などと感じる場合も。

 

  6.多弁である

とにかく喋りすぎる。お口の多動ですね。

 

  7.他人の会話を横取りする

質問が終わる前に答え始めたり、他人の会話を横取りして喋り始める。会話でのキャッチボールができない(会話で自分の順番を待つことができない、一人でとうとうと喋り続ける)。

 

息子は授業中によく先生の話を横取りして熱弁することが多かったです。

他意はなく、話の途中で「あ、それはですね…」といきなり話題をかっさらって話し出したりしていたようでした。クラスメイトが挙手して発言している時もよくやっていたようです。

 

本人はパッと思いついて口に出て喋ってしまい、途中で「あ、しまった、また喋っちゃった…」と気付くようですが、なぜか自分でも止められないそうです。

 

黒板の前でポーズをとる女の子

誰かが話していると、その事柄に関連した話をパッと思い出して、つい口をついて喋り出してしまうんだよね…。それが先生が他の子に聞いた質問の答えだったりすることも多いんだ。言ってしまってから、あ、すいません…って感じ。。。

 

  8.順番が待てないことが多い

列に並んで待つなど、自分の順番を待つことが困難。

 

  9.他人の妨害をしてしまう

他人がしているゲームや会話、遊び、活動に干渉したり、許可も得ずにいきなり割って入って活動してしまう。

「使っていい?」とも聞かずに他人の物を使い始めたりする。(悪気はない)。

 

青年期以降では、他人のしていることに口出し、干渉、横取りする場合も。

 

まとめ

 

いかがでしたか?これらの症状の6つ以上(17歳以上は5つ)が長期的(6ヶ月以上)に続いていて、年齢的な発達水準に不相応であり、且つ社会的・学業的活動に直接的に悪影響を及ぼしている場合は、「ADHDの多動・衝動優勢型」である可能性が高いです。

 

ただし、単なる反抗期や敵意の表れなどではない、ということも重要です。

指示したり諭したりすれば「できなくはない」(できるときもある)のに、どうしてもやってしまう。横取りや順番が待てないことも「他意のない」ことである、ということもしっかり観察して判断しなければなりません。

 

このシリーズを通して毎回念を押しますが、疾患名は、十分な観察と過去の経緯、脳波、知能検査等、様々な視点から考慮して初めて専門の医師がつけるもの。

スクールカウンセラーや保育士が「そうだ」と言っても、単なる気質だったり、ゆっくりと発達する子であるだけかもしれません。

 

眼鏡をかけた男の子のアイコン





「ADHD」という疾患名はあくまで専門医ががつけるもの、ということを忘れないでね!

 

この記事がADHDの「多動・衝動優勢型」のひとつの判断基準の参考になっていただけたら幸いです。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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