こんにちは。ココです。
注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子との毎日から得た小さなヒントをお伝えしている当ブログへお越しいただき、ありがとうございます。
今回は脳波検査をしたことがなくて不安な方、どんな検査をするんだろう…と疑問に思っている方のために、実際に息子が脳波検査をしたときのお話をお伝えします。
脳波検査には睡眠導入剤を使用する
さて。いよいよ脳波検査の日がやってきました。
息子が脳波検査を受けることになった経緯はこちら!
脳波検査の所要時間は約1時間半なのだそうですが、睡眠導入剤を使用するというのでそのあとは疲れるだろうな、と思い、その日は学校を欠席して病院へ行きました。
病院へ着くと、まず睡眠導入剤を渡されます。
これは、完全に寝入った状態の脳波を調べるためです。
初めての睡眠導入剤の服用に親としては多少不安がありましたが、検査に必要なら仕方ありません。
息子は2年生になったばかりの頃だったので、睡眠導入剤と言われても何だかよく分からずに、言われた通り素直に飲んでいました。
低学年での検査は、こんな時助かりますね。
高学年からは多少知識が入ってくるので、素直に通院や検査までいくのは大変なこともあるそうです。
電極を頭部につける
さて、薬を飲んでトイレに行ったあとは、脳波検査室へと移動します。
お部屋が暗くなるからね、ママはすぐ向かいのこの椅子に座っているからね、などという検査技師さんからのお話が終わると、息子はベッドに横になり、電極を頭部につけられました。
電極はクリームみたいなものを塗ってからつけられますが、20本くらいあるので、あまり快くはつけさせてくれません。
何をされているのか分からないという不安もあるのでしょうね。
検査技師さんは鏡を息子に持たせて、「ここについてるよ。このペタペタは後でちゃんと拭くから大丈夫だよ。痛くも何ともないからね」と説明しながらつけてくれました。
子供であっても、ある程度説明があって、きちんと自分の目で確認できると納得するようです。
私はその間ずっと息子の手を握っていました。
脳波検査の様子
電極をつけ終わると、検査技師さんと私は隣の部屋へ移動します。
そうして検査技師さんは、隣の部屋から息子へマイクで深呼吸をするよう指示し始めました。
息子は始めきょろきょろ頭を動かして様子を伺ったり、目をつぶって、と言われてもパチパチまばたきしてみたり、なかなか指示通り動かなかったのですが、何度も深呼吸を指示されているうちに睡眠導入剤が効いてきたようで、すぐに深い睡眠に入りました。
検査技師さんは深い睡眠の様子を見たり、光を点滅させるフラッシュのようなものをつけたり(光刺激)、手をパン!と叩いた時の脳波を見たり(音刺激)していました。
てんかんや脳障害を調べる脳波
私は脳波検査の間、部屋の中に貼られてある脳波についての説明ポスターを読んでいました。
それによると、脳は活動すると微弱な電流が流れるとのこと。
その電気的な変化を電極でとらえて波形で記録し、脳の働きを調べるのが脳波検査なのだそうです。
脳波検査について詳しく説明してあるのはこのサイトだよ!
脳波は周波数により分類されます。
よくリラクゼーションで「アルファー波」なんて言葉を聞きますよね。
目を閉じてリラックスしているときには緩やかな波のα波、目を開けた時や計算している時などはβ波という速い波として脳波は記録されます。
深呼吸や点滅フラッシュでの光刺激、拍手などの音刺激により誘発される突発的な波がないかも調べるそうです。
この検査でてんかんや脳障害などを診断するんですね。
脳波記録紙を見て診断
検査も無事終わり、睡眠導入剤のせいでぼんやりしている息子の手を引いて、いつものカウンセリング室へと移動しました。
幾重にも重なった脳波の記録紙を1枚ずつ調べながら、先生は赤ペンで丸をところどころ付けていきます。
丸が付けられるたびに心臓がバクバクしていましたが、先生は記録紙を全部見終えると「うん、てんかん波はないね」と息子を見ました。
私は一気に冷や汗が噴き出ました。安堵の汗です。
「良かったです…」
私はそれしか言葉が出ませんでした。
先生が丸を付けていたのは、「光点滅の箇所」「音刺激の箇所」などの反応箇所でした。
実は隠れてんかん、というものもあって、1度や2度の脳波検査では現れないてんかん波もあるので「完全にてんかんではない」という断言はできないようですが、現時点においてはてんかんの可能性はない、ということになりました。
意識を変えた脳波検査
病院が終わったあとの食事が「美味しい!」と思ったことは、この時が初めてでした。
壮絶な毎日では感謝することさえ忘れていたものが、この脳波検査にはありました。
私にとっての脳波検査は、てんかんの有無だけではなく、本当に大切なことを改めて思い知らせてくれるものとなりました。
息子の健康な身体を、この手に抱けること。それがどんなに、恵まれたことだったのか。
まとめ
発達障害は、薄暗いヴェールとなって私たち親の視界を遮ります。
健康な身体を持って、この世に存在している。
そのことだけでもどんなにか恵まれているのに、私たちは灰色のヴェールの中で「光はどこにあるの?!」と叫んでいるだけです。
そのヴェールを上げさえすれば、まぶしい太陽の下で跳び回っている、あの子たちの笑顔が見えるのに。
忘れないでください。この世に誕生した時に握り返してくれた、この子たちの手の感触を。
私もすぐに忘れちゃうけど、こうやって記事にしていて、また思い出すのです。
忘れたら、一緒に思い出しましょう。そしてまた、歩き出しましょう。
ひとりでも多くの人が明日からまた頑張れるように、これからも僕の失敗や経験をお話しながらみんなを応援していくね!
最後までお読みいただいてありがとうございました。