こんにちは。ココです。
注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子の行動と会話から何かのヒントを綴っていく当ブログへようこそ。
発達障害児の中学生には、どんな進学先があるんだろう?と悩む保護者の方や支援級・グレーゾーンの子たちへ、こんな進学先もあるよ。というお話の第3弾をお届けします。
今回は「普通高校」と「専門高校」についてのお話です。
普通高校と専門高校
前回は知的障害を伴っていて、「療育手帳」をお持ちのお子さんが対象となる進学先「特別支援学校高等部」と「高等特別支援学校」のお話を第1弾で。第2弾では知的障害があっても学科によっては入学可能な「高等専修学校」と、即戦力のあるエンジニアを育成する「高等専門学校」のお話をしました。
今日は一般的な中学生の進学先である「普通高校」と「専門高校」のお話です。
「専門高校」とは農業、工業、水産、商業、家庭、看護、福祉、理数、情報、体育、音楽、美術、英語などの専門教科を多く学ぶ高校ですね。
普通教科と専門教科をバランスよく学ぶ「総合学科」というものもあります。
それではまず、「普通高校」を発達障害児目線で考えていきましょう。
住んでいる地域の子が玉石混交状態で集まる中学校とは違い、高校はある程度「匂いが近い」「同レベル」の子同士が集まりやすい。そのため、中学校までは友達ができなくても、高校になったら話の合う子に知り合えた!ということも多々。子供たちの世界が一気に広がります。
5.普通高校
「普通高校」とは、国語・数学・英語・地理・歴史・物理・生物・科学・化学などの普通教科を中心に学んでいく学校です。
基本的には大学などさらに先の進学を目的にしている場合が多いため、仕事に直結するようなことはほとんど学びません。
そのため、ある程度の基準を満たさない勉強姿勢だと「留年」ということもあり得ます。これはその学校のレベルにもよるかなー?と思います。
私のような田舎の高校では「留年」はほぼなかったですね。
期末考査で赤点を取ったら、先生が追試・再追試・再々追試・補習授業など、あらゆる救済措置をとって卒業まで全力でサポートしてくれていました。
ただ、レベルの高い高校では「留年」、あり得るようですよ。
うわ、怖いな…。じゃあ、ある程度レベルのあった高校を選択しないと、最悪「卒業できない」「留年」ってことにもなるんだね。
入試を突破する!のは、「スタート」でしかない、ってことだね。
ある程度自分のレベルに見合った高校を選択することは、定型発達児でも必要ですよね。
特に発達障害児の場合は「入ってからが大変」な場合が多いので(勉強についていくこと、個別サポートが中学校ほど手厚くはなくなること、学校が遠い場合は通学に体力・気力を奪われてしまうことなど)、慎重に考えて選択しましょう。
高校の中途退学が多いのも、発達障害児にはよくある話。
支援級がある高校である、留年がほぼなくて、先生のサポートが手厚いという話、そこそこ頑張れば卒業まで頑張れそうなレベル、など、「入学してから」のことをしっかり見据えて決めるといいですね。
偏差値だけで受験する高校を決めることがないようにしたいですね。支援級在籍の子たちは普段から劣等感を抱いているため、ここ(自分が入れる偏差値レベル)に意識を向けやすく、入ってからのことを考えないで決めがちです。大切なのは「合格できるかどうか」ではなく「卒業できるか」どうか。そこは「大人の目線」も必要です。
基本的には公立高校は「自分で何とかしなければならない」感じで、私立は「個々人へのサポートが細やか」なイメージが大きいです。
サポート力重視で私立高校を選択する保護者の話もよく聞きます。
また、私立高校の場合は単願という制度がある場合が多いです。
単願とは、合格したら必ず入学します!という確約があって受験するもので、他の公立・私立高校等を受験できません。
この単願で受験する場合は、合格点が結構低めに設定されていることが多いため、一般入試よりかなり有利に合格を勝ち取れます。
私立高校授業料無償化制度が整っている自治体であれば、経済的負担は少なくなるので、一考の価値はありますね!
6.専門高校
専門高校とは「工業高校」「農業高校」など、ある分野に特化した技術を学ぶ高校です。
5教科等も勿論学びますが、普通高校と比べると比重は少なめ。
座学よりも実習が多いことも特徴なので、その分野に興味があるなら、集中力が途切れがちなADHDの子は楽しく過ごすことができるかもしれません。
先生方の就職までのサポートが手厚いのも専門高校ならでは。
また、比較的専門高校の方が普通高校よりも入試の合格ラインが厳しくないため、受験勉強が難しい発達障害児にとっては、ストレス過多になることなく入試を受けられるかもしれません。
学校によっては、大学の推薦枠がある高校もあるんだよ。
その分野を極めたい子なら、専門高校から推薦枠を狙って進学する方が、普通高校から大学受験するよりも入学しやすいことも!
あと、これは個人的に思っていることですが。
環境変動が激しくなってきた昨今は、少量の水分で栽培できる農作物の開発、災害に強く転用可能な建築資材の発案など、農業・工業・水産系の技術や人材が多く必要とされてくるのではないかな…と思っています。
今現在のホワイトカラーはAIで対応可能となり、人材もさほど必要なくなるかもしれないですしね。
私が中学生だった頃、劣等生レッテルを貼られたまま農業高校へ進学した先輩たちが、中学校の先生方に挨拶に来たことがありました。
今思うとグレーゾーンな先輩たちもその中にいたのですが、とても楽しそうに先生とおしゃべりしていたのを覚えています。
「最近仔牛が産まれたんすよ。(高校の)先生が名前つけていい、って言うんで、オレ「明菜」ってつけたんです」(当時のアイドル『中森明菜』から付けたそう)
「俺はマサハルって付けましたよ!見に来てくださいよ、すげー可愛いですから!」(マサハルは、中学校の担任の先生の名前でした。マサハル先生は嬉しさ余って爆笑していましたね)
あのイキがってた先輩たちが、素直で生き生きとした笑顔のまま、終始先生たちとお話していたのが印象的でした。
そんな選択肢も素敵だな、と思って見ていたのを記憶しています。
ちなみに作者が農業高校出身で、ご実家も農家な、濃い!農業漫画「百姓貴族」は、農業に関して色々と考えさせられることもあって面白いですよ。
もちろん大爆笑必須!!発達障害児息子もおすすめです!
これを読むと「農業」への見方が変わってきますよ!
荒川 弘さんは「鋼の錬金術師」の作者でもあるんだよ!そっちの方が有名かな??
まとめ
今日は支援級在籍・グレーゾーンの中学生たちの進学先について、「普通高校」と「専門高校」について、発達障害児目線でのお話をしました。
次回もまた、別の進学先をお伝えしたいと思います。
これから中学生となる発達障害児の親後さん・本人にとって、この記事がちょっと先を考える情報のひとつとなれば幸いです。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。