こんにちは。ココです。
注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子の行動と会話から何かのヒントを綴っていく当ブログへようこそ。
今日は学校の宿題。手伝うべきか、自分でやらせるべきか?
悩むあなたに、自閉症スペクトラムでありADHDである息子の様子と私の対応をご紹介します。
宿題を手伝うのは本人のためになる??
親が子供の宿題をお手伝いするかどうか、という議論。
私は議論になるほど悩ましい問題だとは思っていませんでしたが、普通学級から支援学級へ変更するかどうか決めかねている、という方に質問されたことがありました。
「宿題を手伝ってあげないと終わらないんだけど、それって本人にとってためになるのかな…っていつも考えちゃって…」
彼女のお子さんは自閉症スペクトラム。ADHDやLDはないそうです。
癇癪持ちでもないようなので、羨ましい限り…。
発達障害の症状に羨ましいとか、こーじゃなくて良かった!なんて、本来あってはいけないんだけどね。つい思ってしまうよねー。
その子の場合は漢字ひとつ書くのにも、丁寧に書きたいのかやりたくないのか、ものすごい時間がかかるそうです。1行書くのに20分。漢字の書き取りだけで1時間はかかるそうです。
そこでもう疲れ果てちゃうのでしょうね。
漢字の書き取りだけは親の筆跡にするわけにはいかないから本人にやらせるそうですが、音読は省略、算数プリントはほぼ親が計算して答えを写させるそうです。
そんなやり方を2年間。これでいいのだろうか…?
そう悩みながら過ごされてきたのでしょう。
宿題に「時間がかかる」理由はその子それぞれ
対して我が家の息子はADHD全開な自閉症スペクトラム。
「宿題がなかなか終わらない」理由は「あっちこっち気が逸れまくって全然集中できない」ADHDによる気質と、「何度間違っても自力で解くことに執着してしまう自閉症スペクトラムのこだわり」気質、両方があるため。
「自力で解くことに執着」する方が結構厄介で、これは95%の確率で癇癪に移行します。どちらかというと気が逸れまくるADHDによる「時間がかかる」ことよりも「癇癪が落ち着く」まで「時間がかかる」方が、遥かにロングタイムです。
同じ発達障害と言えども、「時間がかかり過ぎる」理由は本当にその子それぞれなんですね。
手伝う派の意見・手伝わない派の意見
定型発達のお子さんを持つ親でも、この「宿題を手伝う・手伝わない」は意見が分かれるようです。
一般的な意見を見ると手伝う派は「宿題は必ずやり終えて提出するもの。時間がかかるなら手伝って、課題を確実にやり遂げることを日課にさせたい」「間違った解答で提出させたくないから必ずチェックして直しも入れたいから」などの理由。
手伝わない派は「終わらないのは本人のせいなので、先生に怒られる経験も教育」「宿題は小学生の義務なので手出しはしない」など厳しい理由も。
それぞれのご家庭の教育方針なので、私はどれも間違いはない、と思っています。
宿題の量はその子にとって「適量」ですか?
ただ、質問されたからには答えなければなりません。
私は個人の考え方のひとつとして、提案しました。
「そもそも宿題の量がその子にとっては多すぎるのかも。漢字なら『1行だけ』にしてもらうとか、算数のプリントは『2問だけ』にしてもらうとか、先生に話してみたらどうでしょう?息子はそうしてますよ。算数は1問とか2問だったらできるかもしれないし」
そう。実は息子の宿題は、クラスのみんなとは違うのです。
これは担任の先生と私とで色々考えて編み出した「宿題完成版提出」方法。
息子は「出された宿題は全部完璧に」提出することにこだわっていました。
音読は「提出物」ではないのでほぼ省略していますが(音読…。本当は勉強の基本なんですけどね…)、プリントは全部終わらせて提出したい…。
でも時間がかかり過ぎるし、癇癪は起こしてばかりだし。癇癪と宿題で一日が終わるのって…。
小学生なのに、なんか空しいですよね、そんな毎日。
だから僕は担任の先生に相談して、漢字の書き取りはみんなの半分の「半ページ」、筆算も「プリント4分の1」にしてもらったんだ。
これで宿題は「完成版として」提出できます。
学校の宿題は一律です。定型発達児も発達障害児も、算数が苦手な子もノートをまとめるのが嫌いな子も、みんな同じ量。
もちろん苦手分野を克服することは大事ですが、宿題を出す学校側の一番のねらいは「毎日の学習習慣をつけること」。
なので机に向かう習慣がつけば、内容は少量でも全然問題はないと思います。
先生に相談してみると、意外にあっさり承諾してくれたりしますよ。特に発達障害の傾向があればなおさら。
宿題よりも大切なことがありますしね。癇癪を起こさない、とか。(笑)
少量でも「毎日」勉強する習慣を
算数は1問や2問なら自分である程度やるかもしれません。
息子の学校もそうですが、プリントが筆算の場合、15問とか30問とかあったりします。
もともと漢字の書き取りや筆算などの単調な作業を繰り返す「処理速度」が若干弱い息子は、30問もあるプリントを見た途端一気にやる気をなくし、癇癪起こしますスイッチに手をかけます。
ところが蛍光ペンでプリントの4分の1のところに線を引いてあげると、見た目の「少ない」量と「これだけでいいんだ」という安堵感から比較的素直にやり終えます。
ADHDもあるので集中力はそれほど続きません。これくらいが限度なんだろう、と私は割り切っています。人の集中力はだいたい「15分」単位と言われていますからね。
その他私がお手伝いすることは、漢字が分からくて手が止まっているな、と感じた時に「漢字の筆順」などの携帯アプリを起動しておいて、「分からなかったら見てね」と机の前に置いておくこと。
完璧主義の息子は、これも答えを見ているようで許せないのか癇癪を起こして大暴れしていましたが、半年ほどで起こさなくなりました。
成長して、ここは妥協できるようになったのでしょうね。
しかし算数のちょっとひねった文章問題などは変わらず激しい癇癪を起こします。
手伝おうとしても物を投げたり罵声を浴びせたりしながら「自分でやる!教えんな!!」とまあ凄まじいですが、ここも成長して妥協できるようになるまで待つしかないのかな…と思っています。
なのでこれは手伝いません。
何度か大暴れして気持ちが落ち着くと、一緒にやろう…、ってママに言って、その後は一緒に問題を考えたりするよ
まとめ
宿題を一緒に見ていると「どこが特に時間がかかっているのか」が見えてきます。
そこを減らしてもらうよう先生に相談したり、アプリなどのお助け機器を使ったりしてお手伝いすることは、彼ら発達障害児へのサポートになるんじゃないのかな。
「解答を丸写し」じゃなければ、少量の宿題でも、お助け機器活用でも「自分で書いた」ことで、その子の勉強にちゃんとなっているんじゃないかな、と思います。
量をこなせない発達障害児は、少量の宿題で短時間の集中勉強に的を絞った方が遥かに効率的。漢字は1個だけ、筆算は1問だけ。
それでも十分。
「本人のためになる宿題のお手伝い」は、そんな先生とのやりとりや、辞書を開いて置いておく、筆算を一緒に九九を使って確かめる、教科書のページを探して付箋を貼る。
きっとそうやって「手をかけてあげる」ことなのだと思います。
今は時間がなくてそんなの無理!そう思うのは小学校の6年間だけです。
一緒に6年を逆算するカレンダーを作って、乗り切りましょう!
中学生になっちゃったら、手伝いたくても難しくって、手助けもできなくなっちゃうもんねー。
本日も最後までお読みいただいてありがとうございました。