こんにちは。ココです。
注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子の行動と会話から何かのヒントを綴っていく当ブログへようこそ。
長い夏休みは親にとって大変ではありますが、日頃できなかったことを体験させる貴重な時間でもあります。
食育は「お料理」よりも「お菓子作り」の方が盛り上がる
うちの息子はお料理が好きです。
いつもは宿題に習い事、それ以上の時間を占めるかんしゃくと、結構なハードスケジュールなのでお料理する暇はありませんが、パパのいない雨の休日や長期休暇のときに私と二人でお料理を楽しみます。
カレーなどの夕食も作ったりしますが、息子が喜んで作るのはパンやクッキーなどのお菓子料理。
「今日は雨だし、宿題終わったらクッキーでも焼こうか?」
と言うと、即座に「うん!」と笑顔になります。
これは彼が幼稚園の頃からやっていて、中学生になった今でも好きな「創作活動」のひとつですね。
中学生でも粘土遊びは気分転換になる
「創作活動」。特に成型パン(バターロールなどの形を作って焼くパン)や型抜きクッキーは、彼にとっては粘土遊びと同等。
ロケットパンや土星型クッキー、戦闘機パンにコモドオオトカゲ型?のクッキー…。
ザ・男の子!的な可愛げのないカタチばかりのお菓子となりますが、ものすごーく楽しそうに作ります。
知的障害や発達障害の子供たちの多くは絵や工作などの「図工」関係が好きなようですが、粘土遊びは特に人気が高いようですね。
お菓子は「今夜の夕飯」にはならないので作るのってちょっと面倒な気もしますが、粘土やブロックよりもむしろ「楽しそう」に見えることがよくあります。
粘土やブロックは作ったあと「食べられない」けど、クッキーやパンは作る工程を堪能したあとにも、食べたりお友達に分けたりすることができるので、「作ったあとのお楽しみ」もあって2度おいしい遊びとなるようです。
中学生になったらもうやらないかと思いきや、
課題の途中、だらけてきた時の気分転換になるんだよ!
パンの種をこねこねするのは、なんかむにゅむにゅして面白い!昔懐かしい「スライム」が大人の癒しグッズになる、ってもの頷けるよね!
むにゅむにゅした感触に癒しを感じるのは幼児記憶が関係していると言われていますが(赤ちゃんがお母さんの柔らかい身体に包まれていたときの感触の記憶ですね。)、むにゅんむにゅんしたものを触る、という皮膚刺激が穏やかな気持ちに変換させてくれる効果がある、ということは色々な研究で実証されているようです。
過度に興奮しがちな発達障害児にとっても、その効果は大いに期待できますね。
小学生には算数の勉強にもなる
ところで料理は食育もさることながら、小学生には算数の実践教育の場となることもあります。
私は面倒くさがりなので、基本お菓子を作るときには大量生産派。しょっちゅう作ったりしたくないので、一気に何日か楽しめる分の量を作ります。
すると材料が2倍になるので、粘土のように制作できる量も2倍。
作って遊ぶ楽しい時間も2倍になるようで、息子はレシピ本に載っている量の倍をいつも要望します。
ここで生きた授業の到来。図工ではなく、算数の登場。
息子が作りたい2倍の量のクッキーを作るためには、卵も砂糖も小麦粉も全て2倍に計算しなければなりません。
そこで50グラムの2倍、というような暗算でできるものは息子に計算させて、実際にスケールで量らせます。
このとき、「容器の重さは引くんだよ」と口添えし、容器重量をゼロにするボタンを押させます。
容器の重さを引き算して、50グラムの2倍の砂糖を量って…なんて2つもの複雑な計算は癇癪を起こす元になるので、ここは電子スケールの手を借りています。
電子スケール、便利ですねー。
こんな風に実際にスケールや計量カップで量らせたり、2倍の計算を考えさせたりすることによって、「学校で習っている算数は、こんな風に生活の中で使うもの」として認識させることができます。
習ったことは無駄にはならないのだな、と実感できますね。
実際、料理酒の入ったペットボトルを量りながら注いだりする時、「500ml」という単位をその目で確認しながらやるので、重さや単位の単元を習っているときはワークをやるよりも習得が早いです。
これは定型発達の子でも同じですが、特に発達障害や知的障害のある子の場合は宿題を何度もやらせるよりも格段に早く覚えられるような気がします。
癇癪の合間をみていちいちやらせるのは面倒極まりないのですが、絶対飲み込みが早いし確実ですよ。
「やるとき」も「やったあと」も楽しいお菓子作り
こんな風にして出来たおやつは、自画自賛しながら食べたり、習い事のお友達や学校の先生におすそ分けしたり。最後まで美味しく頂いています。
食育、食育なんて言って小学校でも自作弁当を持参する日を設けたりしていますが、お弁当なんて興味も薄くてハードルの高いものを義務的にやらせるよりも「面白そうな遊び」に近いこんなクッキングの方が、はるかに進んで参加します。
食「育」なんて言うからいきなり「お弁当」になっちゃうんでしょうけど、お菓子だって十分食育ですよ!
なんなら買ってきたクリスマスケーキにチョコペンでお絵かきを足すのだって、立派な食育だと私は思いますね。
お料理を子どもとやるのは(特に発達障害児は)忍耐!それに尽きますが、楽しいことは何だって「勉強」になるのです。そう、「楽しいことはたくさんあるんだ!」という勉強にね。
まとめ
どちらも教えたい根底は「感謝していただく」こと。
材料がどの産地から船便で輸入されるの、栄養のバランスがどうの…。そんな教科書的なお話は、必要になったその時勉強すればいい。
目の前にあることに感謝していただく。
私達親が教えるのは、ただそれだけでいいんじゃないかな…?それだけを分かっていれば、きっと十分。
まだちょっとだけ私より小さな手のひらが作る、感謝のかたち。
いつかそんな気持ちを誰かに分け与えてあげれるような人になってくれたらいいな。そう思いながら、コモドオオトカゲ型クッキーをギャーギャー笑いながら作っています。
本日も最後までお読みいただいてありがとうございました。