こんにちは。ココです。
注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子の行動と会話から何かのヒントを綴っていく当ブログへようこそ。
今日は、どんな人間でもコントロールすることは不可能な事柄を「自分がコントロールして結果を出した!」と思い込む「コントロール幻想」についてのお話です。
万能の神でありたい!人間の欲望
太古の昔から、人間は自分たちの力ではどうにもならない自然現象などを雨乞いやおまじないなど、あらゆる術をもって「コントロール」しようとしてきました。
人間は天候などの自然現象、相手の恋愛感情、自分の子ども・友達、株の動向など、小さいものから大きなものまで、ありとあらゆるものを「自分の意のままに」コントロールしたい、全ての事柄を思い通りに操りたい!という願望が少なからずあります。
そんな中でたまたま競馬の大当たりが続いた、楽しみにしている旅行の日が7回続けて快晴!など、自分にとってラッキーなことが続くと、人は「自分の読みはすごい!」「私って晴れ女!」など、本来コントロールできない事柄を「自分の力で支配できている」と思い込んでしまうことがあります。
冷静に考えれば「たまたま」ラッキーなことが続いただけなのに、あたかも「自分の決断で得た」「自分の見えざる力でこうなった」と思い込み、それら全てを支配できているという万能感に浸ってしまう。
それが「コントロール幻想」です。
スイッチ実験
コントロール幻想は1965年ジェンキンスとウォードの2人の研究者がスイッチを利用した実験によって提唱されたものです。
実験内容はごく単純なもので、実験参加者に電球を点けたり消したりできるスイッチを持たせて、電球が点くタイミングを予想してもらう、というものでした。
この電球が点くタイミングは実際には研究者が既に設定済みで、スイッチを押せば点く場合もあれば、スイッチと連動しない場合もあったりとランダムでした。
しかし参加者は、電球が点く時間に多少の差異があっても「自分がスイッチを押したから点いたのだ」と思い込んでいました。
制御ができないものなのに、「自分の行動が結果に影響を与えている」という思い込み。
「コントロール幻想」は誰しも持ちやすい、人間の欲望の「かたち」でもあるのです。
偽りの「幸せ」に浸ることができる
為替の変動や自然現象などは一般個人が制御できることではないのに。そんなことはハタから見ていてれば分かり切っていることなのに。
「自分でこれ!と決定した結果」が大きな成果を生むのだ!という万能感は、至福に浸れる時間を与えてくれます。
多少の勘違いなら「気分を上げる」スパイスとなるので、それほど悪いことではないのですが。
コントロール幻想を抱いた人間は冷静な判断を下すことができなくなり、ギャンブル依存などの高いリスクを背負うことにもなりかねません。
絶好調!なときほど、一歩下がって状況を改めて見てみる、という冷静さを失わないようにしたいものです。
戸外へ出て空を眺める、美術館に行く、お風呂に入るなど、リラックスを求めるようにすると、興奮した神経が次第に落ち着いていくのでおすすめです。
プラスの結果に出ることも
本当は機能しないのに、わざと設置してある「横断歩道のボタン」。
1度押すと矢印が点灯し、2度押すと矢印の色が変わって「急いで稼働しているような」気分にさせる「エレベーターのボタン」。
実際にそんなボタンを設置している場所もあります。
これらは本当は機能していないのにも関わらず、「ボタンを押したから信号が変わった」「2度押ししたからエレベーターの速度が速まった」と思い込ませるためだけに設置してあるそうです。
そんな「勘違い」でも「待ち時間のストレスを減少させた」という実験の結果報告も。
以前お話したお金の風水も、科学的エビテンスがあるわけではありませんが、
ゲン担ぎみたいな感覚で「行動する」ことで、お金に対する「意識変化」を狙っているもの。
コントロール幻想を「プラスに働くよう」「気持ちをコントロールする」ことのほうが、ギャンブルをコントロールすることよりずっと建設的!ですよね。
息子くんのかんしゃくも「コントロールできる!」と思い込んでみたいよねえ…。
まさに「コントロール幻想」だね!
はっはっはっ…。
まとめ
今日は、たまたまラッキーな状況が続いたときに陥りがちな「コントロール幻想」についてお話しました。
心配している他人の忠告を「俺は今年は絶好調な運気だっていうから大丈夫!」と慢心してしまったり、判断力を誤ったりしがちな「コントロール幻想」。
一度立ち止まって、自分を客観的に見ることができる余裕を持つことが大切ですね。
もちろんプラス効果に働く「ジンクスを信じる」なんてことなら大歓迎!
幻想に惑わされることなく、自分のココロをいつもプラス方向に「コントロール」していきたいですね!
ココのちょこっと心理学、お楽しみいただけたでしょうか?
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。