こんにちは。ココです。
注意欠陥多動性障害(ADHD)で自閉症スペクトラムな息子の行動と会話から何かのヒントを綴っていく当ブログへようこそ。
近年、世間に広く認知されるようになった「発達障害」。
しかし、誤った知識や噂ばかりに頭でっかちになって、障害に困っている子供たちを簡単に傷つける発言を繰り返す大人も(もちろん子供も)とても多い。
そこで簡潔に分かりやすく「発達障害」についてお話していく「発達障害・基本のき」シリーズでは、発達障害の正しい知識を皆様にお伝えしていきたいと思います。
今回は、様々な症状が見られる「自閉症スペクトラム障害」の、大まかな特徴を見ていきましょう。
なお、このシリーズは日本の精神医学・心理カウンセリング現場で診断基準として使われている米国精神医学会の「DSM-5」に準じています。
自閉症「スペクトラム」とは?
自閉症スペクトラム障害の特徴は、とても幅広です。
つい最近まではカナータイプと呼ばれていた、知的障害のある自閉症が一般的な「自閉症」のイメージでした。
しかし研究が進むにつれて、言葉の遅れも知的障害もなく、コミュニケーションもそこそこ取れている(ようにみえる)タイプの自閉症児も数多く存在していることが判明しました。
自閉症スペクトラム障害の「スペクトラム」とは「連続体」という意味があります。
それは障害の現れ方が実に多様であり、また年齢や発達段階、支援や治療的介入によって大きく変化していく精神疾患のために、「スペクトラム」という名称がつけられたのです。
自閉症スペクトラム障害の5つの特徴
自閉症スペクトラム障害には様々な特徴があります。
年齢や発達段階、適切な支援や治療的介入によって「実は症状として持ってはいたけれども、目立つほどではなくなった」り、「軽い特徴だったために自分でも気付かなかった」り、「以前までは目立っていなかったのに、進学した途端に目立ち始めた」りと、まるで打ち寄せる海の波のように変化していったりもします。
それでは、大まかな自閉症スペクトラム障害の5つの特徴を見ていきましょう。
1.コミュニケーションの困難
2.反復的行動
3.感覚の過敏または鈍麻
4.知覚障害
5.運動障害
色んな特徴があるんだね。それぞれの特徴は一言で言い表せないんだって。
今回は特徴のひとつである「コミュニケーションの困難」について簡単に説明していきます!
この「コミュニケーションの困難」については、困難の範囲がとても広いジャンルであるため、この回ではまず「パーソナルスペース」についてお話していきますね。
パーソナルスペースに気付けない
「パーソナルスペース」とは、相手が不快に感じない程度の距離のことです。
相手と会話する時に、異常な近づき方をする自閉症スペクトラム障害の人は多いです。
家族間ではそれほど気にならないので、幼少期は家庭内で見落とされがちな特徴でもあります。
また前述のとおり、症状の現れ方は人それぞれなので、この特徴がみられない子もいます。
息子の場合は「異常に近い」感じはありませんでした。しかし中学校に入ると思春期に突入するため、性教育の一環として、この「パーソナルスペースを守る」指導が強化されていきます。
そのため仲良くなった友達に対して人懐っこくなる息子は、支援級で時々指導を受けていたようです。
お友達同士でおしゃべりする場合の適切な距離は、45センチ~120センチまでの距離です。「手を伸ばせば届く程度の距離感」と覚えてもらいましょう。
時代の風潮もあるため指導は必要
物凄く近い!!というわけではなかったのですが、時代の風潮として学校側がとても敏感に対応していたような気もします。
まあ、これからの時代は「ちょっと離れすぎ?」くらいで適当なのかもしれません。
我が家はスキンシップが多い育児でもあったため、息子も仲が良い友達には肩を組んだり、挨拶時に肩をぽん、と叩いたりする行為が多かったように思います。そこも支援級では指導が入っていましたね。
まあ家庭外でのパーソナルスペースは、「ちょっと気持ち遠いか??」くらいがお互い安心かもしれませんが(笑)。
家庭内では本人が嫌がらなければ、適度なスキンシップは是非是非とっていって欲しいな、と思います。
大切な家族とのスキンシップは、彼らの「安心感」を満たしてくれます。それは自閉症スペクトラム障害児でなくとも、定型発達児でも一緒です。
他人との距離感を適度に保つ練習は重要ですが、家庭内でのスキンシップ(思春期なら言葉や態度・アイコンタクトでの愛情表現)も、同じように重要ですよ。
同性でも異性でも
ちなみに息子は女の子(異性)に関しては、適度な距離感を保っていました。そこは自分でもちゃんと注意していたみたいです。
肩を組んだり近しく話をするのは男の子(同性)とだけでしたが、それもジェンダーレスの観点から最近はよろしくない、と指導されるようで、同性同士でも適度(というよりやや遠めに)コミュニケーションをとるように、と支援級では指導がなされていました。
中学校の支援級では、お互いにスキンシップを求める傾向があったようでそんな感じでしたが、高校生になった現在は、定型発達の子たちと一緒に勉強しているので、スキンシップどころか雑談もあまりしないそうです。
本人曰く「授業と課題に必死でそれどころじゃない(雑談する暇がない)」(笑)。
息子くん、頑張れ~!!そのうち雑談できる友達ができるよう祈ってるよ!
現代の人間関係はどんどん希薄になってきていて、それが多くの鬱病など精神疾患の引き金となり得ることも論じられています。
人はある程度の近しさを感じる「安心感」や、スキンシップで得られる「ぬくもり」をもとめるもの。
それでも時代なので、ここは非常に難しいところかな…と思いますが。すこし欠けたこの部分は、是非家庭で補ってあげてほしいな、と思います。
別に外国人のようにハグをしなくとも、学童期以降ならちょっとマッサージをしてあげる、ぽん、と背中を叩いて「応援してるよ」という意思表示をみせるだけでもスキンシップとなります。
スキンシップは、心の安定やストレスの軽減を担う神経伝達物質である「セロトニン」が活性化されることが立証されています。
動物を飼っているなら撫でることでもセロトニンが分泌されるので、是非ペットとたくさん触れ合わせてくださいね。
飼えない場合は猫カフェなどで触れ合うのもいいですね。動物園の触れ合いタイムを利用しても。
まとめ
今では広く知られるようになった「発達障害」という名前。
しかし障害名が独り歩きしていて、学校の教師の方も「適当な」「昔の」知識しかないことが多いです。
正しい知識を知っていただくことで、息子をはじめとする発達障害の子供たちに、短時間でもいいから温かい眼差しを向けてもらえたらいいな。そう思ってこのシリーズを始めてみました。
また機会がありましたら、是非当ブログへお立ち寄りくださいね。「発達障害・基本のき」シリーズは時々更新していきたいと思います。
今回は自閉症スペクトラム障害の特徴のひとつ「パーソナルスペースに気付けない」ことについてお伝えしました。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。